メイド服のコツを知ってアレンジ自在! 羽々倉ごしさん直伝、魅せる描き方のポイント

GENSEKIで、メイド服をこよなく愛するイラストレーター・羽々倉ごしさんを審査員として「メイド好き集まれ!メイド服イラストコンテスト♡」を開催しました。

この記事ではコンテストの受賞作品を例に、メイドらしさを描くコツメイド服で押さえたいポイントを教えていただきました!

羽々倉さんのイラスト

受賞作品一覧

受賞作品

目次

お話を聞いた人

アイコン

羽々倉ごし(X:@habakura54Web
イラストレーター。メイド服をテーマにキャラクターイラストを制作。王道のクラシカルな装いからアレンジデザインまで、幅広い表現を手がける。

インタビューした人

アイコン(サイトウ)

サイトウメンバーブログ
GENSEKIマガジンの運営スタッフ。インタビューや記事、バナー制作などを担当。イラストは見るのも描くのも好き。

多種多様なメイド服のデザイン

サイトウ
羽々倉さんは「メイドさん大好きなイラストレーター」としてご活躍されていますが、最初からメイド中心で絵を描かれていたのでしょうか?


羽々倉
もともとロリータ系が好きだったんです。ビジュアルや時代的に、メイド服とも親和性があるんですよね。

その中で森薫先生の漫画『エマ』、副読本『エマ ヴィクトリアンガイド』(共にKADOKAWA)と出会い、よりメイド服に興味を持ちました。「メイドを自分できちんと調べて描こう!」と思うきっかけになりましたね。


サイトウ
『エマ』はヴィクトリア朝イギリスが舞台のクラシカルなメイドのお話ですが、今は「メイド」といってもいろいろな種類がありますよね。

羽々倉さんの描かれた一覧がわかりやすく、印象的です。


羽々倉
メイドは懐が広く、いろいろなジャンルで描くことができます。今回のイラストコンテストの応募作品一覧もジャンルやデザインが千差万別で、いろいろなメイドさんを見れて幸せでした。


サイトウ
和風や現代、ファンタジーやSFなど、本当に幅広かったですね。受賞した作品を例に、メイドイラストについて詳しく教えてください。

王道クラシカル風

羽々倉
大賞のビーフあおチキンさんの作品は、メイド服そのものが主体となったイラストでとてもすてきです。

ティータイムのテーブルに見立てられた上からの構図で、メイド服のスカートが全円に広がっています。この全円スカートは、現代でメイド服が好きな方にも好まれていますね。

大賞作品

【大賞】ゆめみるティーサークル/ビーフあおチキン


サイトウ
メイド服で、このように全円に広がるスカートは珍しいのでしょうか?


羽々倉
普通のスカートは半円程度の布を縫い合わせて作られているものが多く、座ってもここまで広がらないと思います。全円の生地を使ったスカートは豪華ですね。立ったときは、スカートのひだが通常より深くなると思います。


サイトウ
クラシカルな印象ですが、史実にはあまりないデザインなんですね。


羽々倉
メイドさんは裕福な職ではないですし、実際の時代背景としても大きな屋敷にたくさんメイドさんが雇われるより、小さい家に1人で雇われることが多かったようです。そういう方は自分でメイド服を作っていたので、このようにたっぷり布を使って作るのは難しかったんじゃないでしょうか。


サイトウ
メイドの中でもいろんなタイプの役割があったんですね。メイド服も自分で作るとは驚きです。

現代サブカル風

【佳作】あげないよ/ししおどし


羽々倉
ししおどしさんの作品は秋葉原をイメージしたような、日本のサブカルチャー的な魅力が伝わるメイドさんです。

薄暗いガチャガチャの空間にネコ耳のメイド店員さんがぽつんと座っていて、かわいさを引き立てつつ混沌としたダークな雰囲気も伝わってきます。


サイトウ
衣装としてのメイド服もかわいいですね。現代のメイド服の特徴や描き分けのコツはあるでしょうか?


羽々倉
スカートが短いものが多いです。また、本来のメイド服の色はモノトーンが基調ですが、このイラストのピンクのリボンのようなかわいい色の装飾が散りばめられたりしています。

ネコ耳のような非日常でコスプレチックなアイテムと組みあわせると、よりサブカル感が増すと思います。

羽々倉さんのイラスト

和風アレンジ風

【佳作】御饌都神様の大晦日!/オッフトゥン


羽々倉
メイド服のアレンジでおもしろいと思ったのは、オッフトゥンさんの作品です。

お給仕係(メイド)に加えて、陰陽師の要素を足したキャラクターデザインにしました。


羽々倉
役職がキッチンメイドなので三角巾やマスクをしていたり、袖が割烹着みたいになっています。スカートの裾に人型や紙垂(しで)のようなものがついたデザインも斬新でした。

ただの装飾ではなく、和風の世界観やメイド職務に結びついたデザインです。

御饌都神様の大晦日!/オッフトゥン

メイド服らしさのポイントを押さえれば、アレンジは自由自在


サイトウ
これだけアレンジされていてもメイド服に見えるのが不思議です。

羽々倉さんもオリジナルのメイド服をたくさん描かれていますが、メイド服を描くときに気をつける点や、アレンジするときのコツはあるでしょうか?


羽々倉
「メイド服らしさ」を構成する要素がいくつかあります。

・頭につけるもの
ホワイトブリムやヘッドドレス、クラシカルなキャップなどを頭につける。

ホワイトブリムとメイドキャップ

羽々倉さんのイラストホワイトブリムの解説


・エプロンのシルエット要素
肩フリルと前に垂れる布があると、エプロンを着ていなくてもシルエットだけでメイドっぽさが出る。

羽々倉さんのイラストより抜粋


・手首のカフス
取り外しができる袖口の部分。半袖のメイド服でも、手首にカフスを組み合わせるデザインはあり。

サイトウ
このポイントを押さえれば、アレンジを加えてもメイド服らしく見えるのですね。

手元


羽々倉
はい。また、オッフトゥンさんのイラストでは手首のところがキュッと絞られていますよね。こういったお仕事の作業がしやすい形状というのも、「メイドらしさ」が出せるポイントの一つかと思います。

日常やストーリーで「メイドらしさ」を伝える


サイトウ
メイド服は「仕事をするための服」ということを意識すると、説得力が増すのですね。

たしかに受賞作品でも、メイドのお仕事や役割が伝わってくるものはより「メイドらしさ」を感じました。

【佳作】わたし、もうこどもじゃないわ!/樹夏


羽々倉
樹夏さんの作品は、場面の空気感が伝わってきます。しぐさや表情からお嬢様とメイドさんの親しげな関係まで感じられますね。


サイトウ
このメイドさんはどんな役職か、関係性や服装からわかるでしょうか?


羽々倉
何でもこなす「ハウスメイド」か、結婚前の若いご令嬢に仕える「ウェイティングメイド」の可能性もありますね。

アヒルを差し出しているところから、おもちゃで喜ぶような小さいときから一緒にいるんだろうな、と伝わってくるのもいいですね。

羽々倉さんのイラストより抜粋

【佳作】がんばった人に、内緒のご褒美ですよ/松峰


羽々倉
松峰さんの作品は、メイドさんが「誰かを労わるための存在」として描かれていてよかったです。
誰かに仕えているというより、イメージを具現化した印象もあります。

どこかで聞いた「いま社会でがんばっている人たちは、みんな誰かのご子息・お嬢様」という言葉が好きで、そのイメージで描いてみました。


サイトウ
自分の家にも来てほしいです。
現代の家の中だけどクラシカルなメイドさんがいる、というのもファンタジックですね。


羽々倉
メイド服はクラシカルでオーソドックスですが、絵に散らばっているテーマカラーのイエローと黄色いリボンがマッチしていて、上から当たる光も暖色系。全体的に世界観にマッチするアレンジがすてきですね。

【佳作】ペット2匹、たまにメイド暮らし/亜栗

お屋敷暮らしのトイプードルとシャム猫がメイドだったらかわいいな~という願望から生まれた女の子たちです。


羽々倉
亜栗さんの作品はアルバムのような構成で、イラスト1枚見るだけでキャラクター達のメイド物語がダイレクトに伝わってきました。表情やしぐさもそれぞれで、性格まで見えるようです。


サイトウ
メイド同士の関係性というのも想像が広がりますね。


羽々倉
メイド服は基本的には同じデザインですが、靴下などで個性が出されていたり、細かいところでしっかり描き分けられているのもいいですね。

メイドはどんなジャンルでも描ける

羽々倉さんのイラスト


サイトウ
メイド服らしいシルエットのポイント、役職とストーリーの表現など、メイドらしさを描くコツはいろいろあるんですね。

応募作品一覧でも、想像以上にいろいろなジャンルのメイドさんが見れて驚きました。


羽々倉
デザインや世界観も、和風や現代、ファンタジーやSF、かわいいものからかっこいいもの、セクシー系やホラー系まで、本当に幅広いですよね。メイドのポテンシャルの高さや、メイド服がどんな雰囲気にもあうことを感じられました。


サイトウ
これからメイドさんを描きたい! と思っている方も、気軽に挑戦できそうです。


羽々倉
自分が描きたい世界観がどんなものでもあわせやすいのが、メイドさんとメイド服の魅力です。

描いていて「メイドに見えるかな?」と思ったときは、お伝えした「メイド服を構成する要素」を意識すれば、かなりメイドさんらしくなります。

ぜひ、自分の描きたいように自由に描いていただけたらと思います。
メイドさんの方から作品にあわせてきてくれるので、大丈夫ですよ!


サイトウ
心強いですね。メイドさんの懐の広さを実感しました。

▼応募作品一覧と講評

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執筆

kao(GENSEKIX:@kaosketchWeb


編集
GENSEKIマガジン編集部

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