手の甲側と横側を描くときは「ゴツゴツした腱」や「水かき」に着目してみよう【お絵描きお悩み相談室】

絵を描くのは好きだけど、実際にやってみると意外と難しい……。ここはそんなお絵描き初心者のための相談室です。毎回テーマに沿ってみんなの悩みを一緒に考えていきましょう。あなたの悩みもほんの少し減るかもしれません。
- 手の甲側の描き方
- 手の横側の描き方
登場人物

架流(かける)
いろんなことを調べるのが好きで、お願いされると断れない。
そんな性格から、イラストの相談を受けることもたびたび。

羅央(らお)
流行りのイラスト、かっこいいイラストが好き。
自分でも描いてみたいけど、あまりうまくいかないことが多い。
パーしか描けてない人、いませんか?

やぁ羅央くん。あれからどう?
少しは手描くの楽になった?

架流……。
楽しくはなってきたけど、正直俺……。

正面のパーしかまともに描けねぇ!!

あはは。そりゃそうだよね!
まだ手のひらのしかやってないもんね!
前回のおさらい


じゃあ今回は手の甲側と横側を見ていこうよ。
手の甲側を描いてみよう!


手のひら側と同じように手の甲から見ても関節の位置や指先のラインは同じようにカーブしてるよね。
あと、正確じゃないけど、手のひらの長さと一番長い中指の長さを、だいたい同じくらいってのを目安にすると極端にバランスが崩れることはないと思うんだ。



なるほど。指の長さや手のひらのバランスはこれでだいたい掴めそうだな。

手の甲側といえば、指の付け根にゴツゴツした関節があるけど、特に男性の手を描く時にしっかり描きたい部分だよね。


ちなみに、指の付け根のゴツゴツしたところから手首に向かって線が描かれているのをよく見るけど、あれって骨の筋みたいなもんなのか?

骨と骨に沿って指を曲げたり伸ばしたりするための伸筋腱(しんきんけん)という腱かな。
この腱はまっすぐじゃなくて少し中央に集まる感じで線を入れるとそれっぽく表現できるよ。


手を開いているか、握っているかで「筋の出やすさ」が変わってくる。


なんでもかんでも手の線描いとけばいいってもんでもないんだな……。

あくまでこういう構造になってるって話で、そこまで深く考えなくても下の図のようにイメージで決めておけば楽だし、ある程度は描く人の好みでいいと思うよ。


横から見た手を描いてみよう!

次は横から見た手についてやっていこう。羅央くんは描いていてどう?

横から見た手って描く機会が少ないから、ちょっと避け気味になるかも……。

じゃあ親指側から見た手と小指側から見た手を見比べてみようか。
手と指の比率は始めに紹介した図を参考にしてね。


この図は何度も出てくるな。保存しておくか……。

次に親指の付け根の間にある「水かき」みたいな薄い膜を見てみよう。手を広げたり閉じたりすると伸縮するよ。


この膜は横から見たときも大きくて目立つんだ。親指側から見てみようか……。


開いている時と、閉じている時で、かなり違うな。

この膜は小指側からも見えるんだよ。


おお~! けっこう細かいけど、こういうところまで描いたら「ちゃんと手が描けてる」って感じがするぞ!
今回も楽しんでもらえたかな!
横から見た手って親指側と小指側からじゃ随分見た目が違うし、手のひらや甲側と違ってちょっと難しいよね。
横から見た手も含めて、いよいよ次回から実際に手の色んなポーズの描き方について楽しく描ける方法を羅央くんと一緒に探っていくので、よかったらまた遊びに来てくださいね!


執筆・イラスト
らびまる(X:@rabimaru_t)
イラストレーター。
Web上でのイラストや技法書の作画カット、FANBOXなどで初心者向けTIPSを公開している。
著書に『動きとシワがよくわかる 衣服の描き方図鑑』『おしゃれな衣服の描き方 カジュアルウェアから学生服まで』がある。
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