こんにちは。GENSEKI坂本です。
GENSEKIは2023年7月24日に初の書籍『GENSEKI art book 2023』を発売しました。
表紙は、ゆいあいさんに描いていただき、総勢57名のイラストが掲載されています。
今回はこの『GENSEKI art book 2023』制作の裏側を紹介します。また、来年の春に発売予定の『GENSEKI art book 2024』の告知もいたします!
GENSEKIで書籍発売に至った理由とコンセプト
実は以前よりGENSEKIでは書籍の発売について話があがっていました。普段のGENSEKIはWebサービスを通じて「イラストレーターさんのキャリアにつながる機会と出会える場」になりたいと考えています。
しかし、Webという広い世界から最適な人材を探すのは大変なことです。
そこで今回、厳選されたユーザーだけを載せる「書籍」という形態を進めることにしました。
そして書籍の制作が本格的に動き始めたのは2022年12月、ちょうどGENSEKI展覧会の準備を始めたころと同時期でした(なので、GENSEKIスタッフはとても多忙でした 笑)。
GENSEKIを運営している株式会社viviONは2022年10月にviviON THOTHという出版レーベルを立ち上げています。新興のレーベルではありますが、出版のベテランスタッフが数多く在籍しており、今回の書籍のデザインや出版・流通に至るまでたくさんご協力してもらいました。
出版については右も左もわからないGENSEKIスタッフは、THOTHに所属しているベテランのスタッフと共に、あーでもないこーでもないと悩みながら、なんとか出版にこぎつけました。
viviON THOTHなくしては、『GENSEKI art book 2023』はなかった……と言っても過言ではありません!
さて、出版について何もわからなかったGENSEKIチームですが、書籍のコンセプトは最初からはっきりと決まっていました。それは「イラストレーターが見つかる1冊」です。
GENSEKIが目指しているのは、先ほど書いたように「イラストレーターさんのキャリアにつながる機会と出会える場」になることです。なので、書籍のコンセプトは「発注者がイラストレーターさんを見つけやすい」という方向に自然と向かいました。
これには私自身の経験も関係しています。意外かもしれませんが、発注者がイラストレーターさんを探すのはとても大変なんです。
ほとんどの場合、発注担当者は企業においてさまざまな業務を兼任してます。そんな中で、多くのイラストレーターさんの中から理想の方を探すのにはどうしても時間がかかってしまいます。
ピッタリな人を見つけたとしても、連絡先が見つからない。SNSの更新は止まっている。活動しているのかも、連絡が返ってくるのかもわからない。これは「あるある」だと思います。
それでも時間を使って探さなければいけないのですが、間に合わないから一旦フリー素材を使うしかない……。
これは、私が発注者としてクリエイターさんを探していた時の状況ではありますが、こういったジレンマを抱えている発注者は実は多いのではないかと思います。
そこで、『GENSEKI art book』は、イラストを4つのカテゴリに分類して探しやすさを大切にしました。カテゴリは「ゲーム・広告・挿絵・食べ物」です。
この4カテゴリはニーズの高さから選びました。今後さらに増えたり減ったりするかもしれませんが、用途に応じて調べられるというコンセプトは変わらない予定です。
今回選んだイラストレーターさんについて
さてさて、では今回どんなイラストレーターさんを選んだのか、皆様が1番気になるところかと思います。
選んだポイントは下記の3つです。
- イラストのクオリティ
- GENSEKIに投稿してくれている作品数
- 自分の絵が確立している
1つ目はイラスト自体のクオリティです。まず、書籍を制作するにあたって、クオリティの高いイラストを描ける方を選ばせていただいております。
特にゲームカテゴリについては、発注者から非常に高いクオリティが求められるのが通例です。説得力のある人体バランス等も重視されます。そういった需要に応えられる方を選ばせていただいております。
2つ目はGENSEKIに投稿してくれている作品数についてです。今回は、原則的には、作品投稿数が5以上ある人から選ぶようにしております。さらに、より多くの作品を投稿してくださっている方を優先して見ています。
3つ目の自分の絵が確立しているという点については、特に挿絵・広告・食べ物のカテゴリに入る方は重視しました。色々な絵が描けることももちろん素晴らしいことなのですが、「この絵がほしい! この人だからこそ頼みたい」という発注者の要望に答えられる人を選びました。
それ以外にも、これは出版物なので当たり前といえば当たり前なのですが、オリジナルをたくさん描いている人を選んでいたりします。
『GENSEKI art book 2024』プロジェクトも始動……!
このようにして、つい先日『GENSEKI art book 2023』を発売したばかりではありますが、なんと『GENSEKI art book 2024』の発売も決定しております……!!!!
現時点での発売日は来春を予定しています。下記のスケジュールで掲載をご依頼する作家さんを募集・選ばせていただく予定です。
2023/10/01~2023/11/01:作家さんを選定
2023/11/01~2023/12/01:掲載作家さんへ連絡・イラスト提出 等
掲載作家さんの募集は2つの方法を考えています。
『GENSEKI art book 2024』イラストコンテスト
こちらのイラストコンテストで選ばれた4名は書籍の掲載が確約されます。またご応募いただいた方も掲載をご依頼する可能性があります。詳細は下記よりご確認ください。
新作のイラストを5点以上アップしているGENSEKIユーザー
来年も今年同様、GENSEKIに多くの作品を投稿してくださっている方から掲載作家を選びます。掲載を希望される方はぜひ、直近1年以内に描いた作品を5作品以上あげてください。GENSEKIは作品数が多い方から優先してチェックしていきます。
また、作家名等プロフィール情報も更新をお願いします。
そもそも、GENSEKIにまだ登録していないよ、という方はぜひこのタイミングでご登録をお願いします。
書籍に掲載する上で気をつけてほしい点
書籍に掲載を希望する作家さんはぜひ下記に注意してくださいね!
二次創作はもちろんNGです。しかし意外と見逃しがちなのが絵の中の既製品です。ゲーム機のデザインがNintendo Switchそのものになっている、食べているハンバーガーの包み紙のロゴがマクドナルドになっている、といった場合も掲載は不可となります。
実は、今回の書籍を出版する中で実際に権利者に連絡して掲載許可をもらえないか連絡することもありました。返事がすぐに返ってくるとは限りませんし、許諾がもらえないこともあります……。そのため書籍に掲載するイラストは著作物が載っていないものでお願いします。
ちなみに、これはお仕事の発注でも指摘される事項なので、普段から少しだけ気をつけておくことをおすすめします!
ご自身で著作権を持つオリジナル作品を増やすことは、お仕事獲得をする上でもとても重要ですよ!
書籍用のイラストには高い解像度が求められます。『GENSEKI art book 2023』を制作する時も、解像度が足りないため別のイラストに差し替え……ということがありました。
特に紙媒体のお仕事を希望される方は練習も兼ねて、普段から印刷に耐えられるサイズでイラストを制作をしてみてはいかがでしょうか。
解像度が高いイラストがあれば自分のイラストを使ったグッズ制作の際にも役立ちますよ!
書籍に掲載するのは極力サインがないイラストにてお願いしています。
SNSとは違い、書籍はイラストレーターの紹介があり、その上で複数の作品をレイアウトし紙に印刷します。作品自体を『魅せる』ためにも、見開きページ内にサインがあることを減らしたいと考えています。
サインを入れる場合はいつでも非表示にできるように別レイヤーにしておきましょう。
プロフィールや自分の強みはクライアントが読んだときに「この人に依頼したい」と思わせるような文章を書きましょう。スキルを並べることももちろん有効ですが、自分に依頼したら企業にどんなメリットがあるのか、未来の展望が見える文章を意識しましょう。
例えば、
「食べ物のイラストが得意です」
だけではなく
「シズル感ある食べ物イラストで、お腹いっぱいの人でも思わず食べたい気持ちにさせます」
といった内容にしてみるのはどうでしょうか。
見た人をどんな気持ちにさせられるのか、自分だったらどんなことができるのか、実はイラストを描くだけでなく、こんなことまでできるよ等、企業の発注担当者に語りかけるような気持ちで書いてみてくださいね。
それでは、できたばかりの『GENSEKI art book 2023』そして、これから作られる『GENSEKI art book 2024』も、なにとぞよろしくお願いします!
このシリーズが、イラストレーターと発注者の方の役に立つことを願うばかりです。
執筆
坂本彬
GENSEKIマガジンの編集 / ライティング・マーケティングを担当。