【この記事はAdobe Expressの提供を受けています】
こんにちは、GENSEKIマガジン編集部です。
GENSEKIではイラストレーターのサタケシュンスケ先生を審査員にお招きして、アドビ×GENSEKI キャラクターコンテストを開催しました。
今回は、かわいらしく不思議な世界観のイラストで大賞に選ばれたイラストレーターのYotsuba Keiさんに、キャラクターデザインや受賞までの道のりについてお聞きします。
Yotsuba Kei(X:@nana_coco77/Web/GENSEKI)
富山県在住、フリーランスのイラストレーターとして活動。絵本のような優しいタッチ、画面の中から音が聞こえてくるような物語性のあるイラストが得意。保育士、福祉職員として働いた経験から、スムーズに伝えるためのツール作り、イベントのポスター等も制作。
「かわいい」だけじゃない。複雑な設定をキャラデザインに盛り込む
ー大賞受賞、おめでとうございます! 改めて、このキャラのコンセプトやこだわりをお聞かせください。
Yotsuba
子どもが絵本でときどき感じるような「ちょっと怖い、でもかわいい」と両方の感情を持てるようデザインしました。キャラの設定が怖くても、イラストで見たときはかわいく見えて、作品に入りやすいキャラにしたい、というところにこだわっています。
私はいろいろなことを織り交ぜてキャラを作るのが好きなので、今回もコンテストテーマの「夏の暑さを忘れさせてくれるような○○なキャラクター」をどう作品に盛り込もうか、深く考えました。
単純に「冷える、怖い」と説明するのもわかりやすいですが、もっとキュンとするワードはないだろうか? と掘り下げ、「ひと夏の恋」が浮かびました。甘酸っぱい青春が定番だけど、「ひと夏で終わる儚さ」「恋が一瞬で消え去ってしまう怖さ」といったキーワードもおもしろいかな……と、どんどん言葉遊びをしながら、作り上げています。
ー普段からそういった言葉遊びでキャラ作りをされるのですか?
Yotsuba
はい。キャラを作るときはまず文字で「自分の好きなこと・キャラで伝えたいこと・キーワード」をたくさん書き出します。案が固まったらラフを描き、また文字を足し、キャラのコンセプトやフォルムを照らしあわせて……と繰り返して決めています。
ーアイデア出しはスケッチブックやタブレットなど、どんな道具をお使いですか?
Yotsuba
MacBook Proを使い、Notionアプリ(メモやタスク整理のWebサービス)でメモしています。モニター上でNotionとAdobe Photoshopを同時に開き、文字とフォルムの両方からアプローチをかけて制作します。それ以外にも、資料を調べたりと毎回ウィンドウはものすごい量になっています(苦笑)。
ーコンテストに応募したきっかけは何でしたか?
Yotsuba
一番は、サタケシュンスケ先生が審査員だったことです。とても尊敬しているイラストレーターさんだったので、ぜひ絵を見ていただきたいと思いました。しかも自分が好きなキャラクターデザインのコンテストで、成長に繋がるようなお題だったため「絶対にこのコンテストに参加したい!」という思いが強くなりました。
もともと昨年ぐらいから、絵の勉強をしたいと思ってコンテストを探していたんです。惹かれるコンテストが多いGENSEKIに登録し、コンテストをこまめにチェックしていたところ、今回のコンテストを見つけました。
ーコンテストから何が学べるか、まで考えて探しているのですね。キャラ作りがお好きということですが、きっかけになったり影響を受けたキャラがいたのでしょうか?
Yotsuba
いわゆる「推しキャラ」もいますが、絵を描くきっかけになるのはそれとは別のところです。今回はクラゲをたくさん調べたのですが、生態そのものに影響を受けました。
映像作品を観るのが趣味で、キャラだけではなく、世界観まで調べて掘り下げることが好きです。キャラについては、ストーリーと紐づけて奥を深堀りすると、より好きになってしまいます。なので、キャラ単体でなく、作品全体から影響を受けることが多いです。
特に影響を受けてきたのはディズニーやジブリなどのアニメーション作品で、『風の谷のナウシカ』はアニメも漫画も見て、かなり影響を受けています。苦しい世界の中で強く自分の意思を持って生きるナウシカの、内面と世界との対比が好きです。
ーキャラの見た目や性格だけでなく、作品世界とのかかわりやバックグラウンドまで含めて「キャラクターデザイン」なんですね。
Yotsuba
この世界の中でこの子はどう生きるのか、それが画面の中からどう伝わってきているのか。そういう設定や物語の背景を含めてキャラを見ています。だから自分の創作でキャラを作るときも、世界観から作る方面にフォーカスして制作しています。
ーコンテスト審査員のサタケ先生からの「ストーリーものが得意そう」という講評は、的を射ていたんですね。
Yotsuba
コンテストでは自分が表現したいものを出して、それが見る人に伝わって、自分の好きなことに対して講評までいただけたということが、本当にうれしかったです。作品の奥に秘めたものが伝わったんだ、と感動してドキドキしてしまいました。
「ときめき」は自分が描き続ける原動力
ーYotsubaさんは普段どんな活動をされているのでしょうか?
Yotsuba
ストーリー性のあるイラストやキャラデザのお仕事がメインになることを目指して、活動しています。ポスターや名刺のお仕事もいただきますが、デザイン的に作りあげるものではなく、やはりイラストをメインにした作り方をしています。
自分の創作としてキャラを作って、SNSにアップすることもしています。また、今まで一度もイベントに出たことがなかったんですが、先日初めてDESIGN FESTA(デザインフェスタ)に参加しました。「自分の好きな世界を表現したお店」をテーマに、イラスト本やグッズを作りました。
ーキャラを作るときに気をつけていることがあれば教えてください。
Yotsuba
コンテスト作品と同じく、かわいくて受け入れてもらいやすいフォルムになるよう気をつけています。実はダークな世界も好きなので、表面上はかわいいけれどよく見るとちょっと怖かったり、ドキドキする冒険心がそそられるものをスパイスとして混ぜるようにしています。
ジブリやディズニー作品のように、自分の思いを伝えつつ「手に取りやすいかわいさ」が作品の窓口になるように、と考えています。掘り下げもできて、人によって解釈がいろいろできる作品を作っていきたいです。
ー今後はどういったお仕事をしていきたいですか?
Yotsuba
深掘りしながらキャラデザをすることが好きなので、映像作品やゲームなどの世界観の設定やコンセプトアート、そのうえでのキャラクターデザインといった世界を作る仕事に携わりたいです。
また、もともと保育士をしていたこともあり、絵本のお仕事もやりたいです。来年あたりに自分でも制作したいと思っています。
ー 世界観を作るという意味で、イラスト制作と絵本は同じだからでしょうか?
Yotsuba
そうですね。ただ、イラストと目的やプロセスは少し違います。絵本は伝える先が「子どもと子どもに関わる大人」がメインになります。なので、子どもの成長に寄り添ったテーマやコンセプトを練り上げて制作したいです。
ー他に好きなイラストレーターや、影響を受けたクリエイターはいらっしゃいますか?
Yotsuba
憧れる方の一部ですが、サタケシュンスケさん(X:@satakeshunsuke)はもちろんのこと、ア・メリカさん(X:@amelicart)、ヒョーゴノスケさん(X:@hyogonosuke)などです。
絞り切れず困ってしまうぐらい、本当に多くの方の作品の世界を見せていただき、いろいろなところを参考にさせてもらっています。
ーこういう絵を描こう、活動をしようと思ったターニングポイントは何だったのでしょうか?
Yotsuba
以前は保育や福祉の業界で働いていたのですが、コロナ禍で環境が変わって一旦休むことになり、これから自分はどうしていきたいのか掘り下げる時間ができました。それでいろいろな作品を見て、「自分だったらこの感動をどう表現するか?」と考え始めたのがターニングポイントだったかもしれません。
でも、そのときはまだ絵で仕事しようとは思っておらず、まずは誰かに見てもらおうとSNSで活動を始めました。最初はディズニーやときめいた作品のファンアートを描いて、光の表現や気持ちの表し方を学ばせてもらいました。オリジナル作品を描いたりコンテストに応募するようになったのはここ1年ちょっとです。
ー描いて発表してフィードバックを見てまた描いて……と、独学を積み重ねてこられたのですね。
Yotsuba
実は、絵を発表することがとても怖かったんです。描くことは好きでしたが、自分の中にあるものを表現したものを人に見せてこなかったし、技術も足りないと思っていたからです。
ですが、誰かに見てもらえば「見てもらうからには、いいものを見せたい」という気持ちが強くなります。コンスタントに絵を描き続ける力をつけるためにも、SNSで発表して活動しようと考えました。
ー楽しく、なおかつとても効率的に学ばれていますね。
Yotsuba
「ときめきと楽しさ」は自分が描き続けるための強い原動力です。ファンアートも、大好きでときめく作品だから描き続けられます。
キャラ制作や創作活動も「自分が好きだから、ときめくから、楽しいから」というのを一番に考えています。
やりたいことを助けてくれるAdobe Express
ー今回は「Adobe Express」協賛のコンテストだったため、YotsubaさんにもAdobe Expressでキャラクターデザインのアピール画像を作っていただきました。アプリの使い心地はいかがでしたか?
Yotsuba
初めてMacのブラウザ版を使用しましたが、とても使いやすくて驚きました。普段からイラスト制作でアドビのAdobe PhotoshopやAdobe Illustratorを使っているので、同じ会社の製品だから扱いやすい、というのもあるかもしれません。
でも、それだけではなくアドビさんの「ユーザーがやりたいことにアプローチしよう」という姿勢があるからなのでは、と感じました。
いろいろなテンプレートが用意されていて、「こうデザインしたらいいよ」といった配置の補助まであり、わかりやすかったです。この色にはこのフォント、といったアプローチもあり、感覚的にレイアウトできました。デザインの面で考えなければいけないことを減らしてくれますし、それでいて良いものができます。
「Adobe Express」という名前なので、急いでいてもサッと仕上げられる手助けがコンセプトだろうと考えて、いつもの自分のやり方ではなく「Adobe Expressのテンプレートの中でやりたいことや伝えたいことをどう表現するか・早く作るか」に重点を置いて作りました。
ーとくによかった・気に入った機能はありますか?
Yotsuba
まだあまり使い込めてはいませんが、投稿予約の機能は使ってみたいです。XやInstagramなどいろいろなサービスと連携して、カレンダーでまとめて見ることができて、ありがたいです。自分が作ったものや、人に伝えたいものをまとめておくのにも使えそうですね。
UIの導線もとてもわかりやすく、左側に機能が並んでいて「これは何だろう?」と試しやすいデザインです。使い方に悩んだときは「学ぶ」にいろいろな機能のチュートリアルがあるし、テンプレートを使えばサッと作れるし、創作を助けてくれる補助が細かく作られていて全部すごいと感じました。
ーどういったときに使いたいですか?
Yotsuba
作品のプレゼンに使いたいですね。Webサイトに活動報告を載せるとき、いつもレイアウトに悩むのでAdobe Expressの機能に補助してもらえると捗りそうです。
また、SNSの運用に苦手意識があるので、予約投稿で各サービスと連携して一括で管理したいです。投稿できたかな、などいろいろと考えることが減って、今より楽になりそう。まとめて予約を見て「もう予約してあるからいいな」とホッとしたいです(笑)。
アドビ製品を使っていたのに「Adobe Express」にこんな機能があると知らなかったので、アプリ自体がもっと広く周知されるといいな、と感じました。盛り上がっていろいろなテンプレートが増え、さらに使う人が広がって…と充実して、たくさんのいろいろなデザインを見ることができたらいいな、と思います。
▼コンテスト結果と講評コメントはこちら
提供
Adobe Expressは、アドビ社が提供する、誰でも簡単に、魅力的なコンテンツを作成できるデザインアプリです。
Adobe Expressの最大の特徴は、デザイン制作の経験がない人でも、すぐにはじめられる点です。誰でもかんたんに魅力的なコンテンツを作成できるデザインツールで、ロゴやチラシ、Instagramリールなどの動画も作成可能。Adobe Fireflyによる生成AIを活用して、あっという間に存在感のある作品を作れます。
「デザイン」というワードにハードル高く感じる人にも、体験することで日常にちょっとした創造性を拡げます。
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kao(X:@kaosketch/Web/GENSEKI)
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