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あの有名人も本気の選考!「マスコットキャラクター」に求められるものとは?ー久米仙酒造「あわモン」選考会レポート!

 

沖縄県の泡盛メーカー久米仙酒造株式会社。その創業70周年を記念し、GENSEKIで泡盛マスコットキャラクターコンテストを開催。『あわモン』(あわもりモンスター)をテーマに、多種多様なテイストの作品が集まった。

 

想像以上のノミネート数と優秀な作品が多く、急遽「タレント賞」を追加。久米仙酒造と親交のあるミュージシャンや芸能人、著名人、泡盛の女王らをお呼びし、那覇市の久米仙酒造本社東京都のviviON本社リモート合同選考会を実施した。

賑やかなイベントの模様から、GENSEKIでは熱いイラスト選考に特にフォーカスしてレポートをお届けする。

「マスコットキャラクターイラスト」に求められるもの、人によって選ぶ目線の違い選考にかける各人の思いの強さにも注目だ。
(イベントから一部再構成してお送りします)


選考委員(敬称略)

【沖縄】泡盛の女王・新里葵&崎原有希、護得久栄昇、嫁ニー、比嘉洋一社長
【東京】愛内里菜、小川麻琴、TATSUYA
各タレントさんの紹介・個別メッセージなどは、コンテスト結果発表ページ、久米仙酒造WEBサイト泡盛マガジン」、
久米仙酒造【公式】Instagramもご覧ください!


司会沖縄の特産品として知られる日本最古の蒸留酒、泡盛。その蔵元の1つである久米仙酒造株式会社が今年で創業70周年を迎えます。それを記念し、「もっと多くの方に泡盛の魅力を知ってもらいたい」という願いをこめて、マスコットキャラクター「あわモン」のキャラクターデザイン選考会を開催いたします!

 

比嘉:代表取締役社長、比嘉洋一です。GENSEKIコンテストにご応募頂いた皆様、お力をお貸しいただき、誠にありがとうございました!

今回選ばれたマスコットキャラクターには、これから展開する当社の70周年記念事業でたくさん活躍してもらいたいと思っております!どうぞ皆様、よろしくお願いします!

 

司会:ゲストの皆様も、本日はよろしくお願いします!

全員:よろしくお願いします!

 

司会:選考委員の皆さんには、全応募作品の中からあらかじめ3作品選んでいただきました。本日はその中から1作品を「タレント賞」、全作品の中から「Twitter賞」「久米仙特別賞」、そしてマスコットキャラクターに採用する「あわモン大賞」を選びます!

それでは早速、愛内さん、最初に選んだ3点のご紹介から、お願いします!

 

「小さな子供が、会いたいか」をポイントに選んだ愛内里菜さん

愛内:はい、私が選んだのはこの3点です!

愛内:今回は7歳の息子と一緒に選びました。なのでちょっと子どもの目も引くような可愛くて楽しくて、「キャラクターに実際に会ってみたい」というようなイメージです。

 

司会:キャラクターを見た時の息子さんの反応はいかがでしたか?

 

愛内:純粋で、「あ、これだね、これだね、かっこいい、可愛い」と、インスピレーションで選ぶ感じでとても早かったです。ただ、1作品に賞を絞るのは悩みました!息子が「全員出ればいいのに」って(笑)「この子の、ここら辺を歩いてるのがこの子で、ちょっとその横で飛んでるのが、この子で」と自分でストーリーを作り始めてました!
でも 選べるのは、1人だけなんだよね、と伝えたら「ママが選んで」と言ってくれたので、賞は私の方で選ばせていただきました。

 

司会:では、その「愛内里菜賞」の発表をお願いします!

◆愛内里菜賞◆スモサモ 作

愛内:息子と一緒に選んだこちらのあわモンくんです!久米仙さんのカラーが鮮やかで、すごく綺麗にグラデーションやラインの感じも現れていて、パッと目をひきました。息子が好きそうな、男の子っぽい感じもあったり、子ども達に人気になりそうな子だなと思って。色合い、色の使い方がとても好きです。あと、物知りそうでいいなぁとか、色々考えてしまいました!大好きです!

 

小川:物知りそう(笑)なるほど…見れば見るほどいいですね!

 

司会:ありがとうございます!では続きまして、嫁ニーさん、3作品をご紹介下さい!

 

嫁ニーさんの選定基準は「他とは違う沖縄らしさ・頑張って描いている気持ち」

嫁ニー:僕はこちらです!選んだ理由は、左からシンプルに作者の名前が「たまごかけごはん」さん。

(一同驚き)

司会:そんな決め方が(笑)!?

 

嫁ニー:勿論それだけじゃなくて(笑)シーサーの耳がハイビスカスで可愛いなと思ったのが決め手です。真ん中は、全体的にシーサーが多かったので、違う沖縄らしさが嬉しくて、このヤンバルクイナにしました。最後は、全作品の中で一番「頑張って描いた気持ち」が伝わってきたので。

 

司会:どれも選考の考え方が独特ですね。全応募作品を見て、決めるまでどれ位お時間かかったでしょうか?

 

嫁ニー:大体4時間ぐらいです!1 個 1 個見て、プロフィールやSNSでその人の背景も見ながら決めました。

 

司会:その方のバックボーンも感じながらだったのですね。では、この中から「嫁ニー賞」を、お願いいたします!

嫁ニー賞◆@naitou 作

嫁ニー:はい、こちらです!挑戦というか、応募にかけるその人の色々な思いが感じられました。たくさんある作品の中で一番目をひいたところも良かったです!あと唯一、お酒感がないのが、逆に斬新でしたね。応募しようと頑張った気持ちが一番感じられたところが、僕は良かったです。

 

小川:そこが決め手なんだね。

 

愛内:この子は愛嬌もあるし。チャレンジ精神は大事ですね。

 

司会:まだお二人分しか発表してないですけれど、それでもやっぱり誰が選ぶかによって…

 

愛内:全然違う!

 

TATSUYA:どれも個性がありすぎる。

 

司会:では続いて、小川さんお願いします!

 

小川:はい!私、かなり迷ったんです。最初どうしても3作品を選べなくて、5作品になって…でもその中からこの3作品を選びました!

 

シーサーモチーフが多かったからこそ、そうじゃない「沖縄らしさ」を表現している作品が目をひいたという、小川麻琴さん

小川:嫁ニーさんと同じく、シーサーが多かったので、あえてそうじゃない子をチョイスしました。左のキジムナーの子は、久米仙のマントを羽織っててかわいかった。真ん中の子はお酒の瓶が耳になっていて、ふわふわしてて、かき氷みたいな感じでおいしそう。これも他のキャラクターと差別化されていて良いなと思いました。右の作品は、これもキジムナーで、このぽっこりお腹で、髪の毛がもこもこ、肌が黒くて、普通に「かわいい!」と思って。

 

愛内:日焼けしちゃってる感じ。

 

小川:焼けちゃっているし、お腹出ちゃって、お酒飲み過ぎちゃってるのかな?って(笑)すごく可愛いです。最初はシーサーの作品も選んだのですが、絞ったらこの3つになりました。

 

司会:3作品に絞るのが大変ということで、選考は時間がかかりましたか?

 

小川:はい。もう何回もスクロールして、 1 回見て、また上に戻って…を多分7、8回はしました。最後は直感で「可愛いなあ、これとこれだな」と一通りやってからもう 1 回戻って、それを繰り返して…。ぱっと選べなかったです。

 

司会:選び方もそれぞれの個性が出ますね。では、賞の発表をお願いします!

 

小川:はい!未だに悩んでるんですが、でも…こちらです!

◆小川麻琴賞◆やまわきりえこ 作

小川:なんだかシュールな顔してるのが好きなんですよね。キジムナーちゃんの、シーサーではないけど沖縄感もあって、久米仙さんのマントとボトルで久米仙感もすごくあって、とても可愛いらしいなって思ったので、こちらにします!おめでとうございます!

 

司会続いては、泡盛の女王を代表し、新里さんからご紹介お願いします!

 

泡盛を知り尽くした女王たちは、「沖縄らしさ・子供が見ても怖くないもの・久米仙感」をポイントに選考

新里:はい!全員で13人の泡盛の女王に、ひとり5票ぐらいお願いして、多かったものから3作品を選びました。

新里:左から1番多かった順です。本当にみんな「選べない」と言っていて、票が同数になったものも多かったので、上位から二つと、シーサーではないけど泡盛感があるなというので右の作品です。

 

護得久:へぇ、仙人!ボトル逆さに持ってるね。

 

新里どれもかわいくて、沖縄らしさだったり、久米仙さんの絵柄が描いてあるお洋服だったり、久米仙感が表現されてるのがいいっていうので選びました。後は「もし着ぐるみになったら」を考えて、お子さんが見ても怖がらないようなものという目線です。

 

司会みなさん同じ思いで選ばれたのですね。では、「泡盛の女王賞」は…

◆泡盛の女王賞◆@himarin 作

新里13 人の泡盛の女王が選んだあわモンはこちらです!久米仙の瓶のラベル柄のかりゆしを着ているところや、シーサーとヤンバルクイナが沖縄のイメージキャラクターにぴったりでした!2人で乾杯してる感じが可愛かったです。

 

司会:ありがとうございます!では続いて、TATSUYAさん、発表お願いします!

 

TATSUYAさんはシンプルに「ユーモア・かわいい・かっこいい」で選ぶ

TATSUYA:僕はシンプルに「ユーモア・可愛い・かっこいい」で3つ、選びました。

 

TATSUYA:「ユーモア」の左は、設定が面白い。ここに装備品の桶があるんですが、彼は手がないんですよね…。

(一同、設定に気づいて盛り上がる)

小川:本当だ!面白い発想(笑)

 

TATSUYA:装備品持ってるけど自分では持てない(笑)足で持つのかなとか、色々想像できて面白いです。真ん中は「可愛い」。愛嬌に溢れてて、あと、色が変わる設定もあった。
右の作品は「かっこいい」。グッズ感がすごいあって、ぬいぐるみやフィギュアであったら欲しいです。着ぐるみになった時に会いたいな、写真撮りたいなって思いましたね。

 

愛内着ぐるみになった時に会いたいなあはすごく大事ですよね。

 

司会:はっきり選ばれた印象ですが、3つまで絞る段階も早かったですか?

 

TATSUYA:意外と迷いがなかったですね。サーっとみてすぐ「これとこれとこれ」って。でも、すごい作品ばかりでした。勿体ないのでゲームキャラとかだったら全部採用したいですね。

 

愛内:どれも思いがこもってて本当に素敵だった。

 

司会:ありがとうございます。では、「TATSUYA賞」をお願いします!

◆TATSUYA賞◆ おこめ 作

TATSUYA:やっぱりこの子ですね。僕が最初に全部見た中で1番いいと思ったのがこれで、久米仙のボトルも堂々と持っていて、かっこいいっていうのと、愛らしくて、色合いもいい。もし大賞に選ばれなくても個人的にこれは欲しい。僕の中ではダントツ1位です!

 

司会:イチオシですね、ありがとうございます!次は、護得久先生お願いいたします!

 

沖縄の重鎮、護得久さんは泡盛らしさを評価

護得久護得久流民謡研究所の会長、そして久米仙マスコットキャラクターの護得久栄昇だよ!私が選んだのは…チャメッ

小川:私も左の子迷いました!

 

護得久:左は久米仙のシーサーになってて、泡盛らしいなと思ったのと、真ん中の作品は他の作品とちょっと趣向が変わってていいなと。シーサーだけど、他とはちょっとジャンルが違う。右はTATSUYA君と一緒になりましたね。なかなかゆるキャラにないインパクト。走っているところを考えると面白かったね。ヤンバルクイナだし、チャレンジ精神も感じられて良かった

でも、みんな力作で、全作品何度も見て、選べなくて大変でしたよ!

 

司会:沢山の作品から、ゆるキャラとしては珍しいものばかりで、また他の方と全然違うチョイスですね。では、賞の発表をお願いいたします!

 

護得久:正直まだ選び切れてなくて迷ってるよ!でも、「護得久栄昇賞」はー!

◆護得久栄昇賞◆堀光 作

護得久:可愛い!やっぱり可愛らしさがあった方がいいかなと。老若男女みんなで泡盛を盛り上げていこう、というのにも合いそうで良かった。シーサーという沖縄の要素も入っていて、これで決めチャメッ!

 

司会:ありがとうございました!これで「タレント賞」は全てとなります!皆様、選ぶのは大変そうでしたね。真剣に選ばれたのがとても伝わってきました。

 

護得久:皆よかったな~!

 

小川:本当にそうでしたね。

 

TATSUYA:(絵を見ながら)あれとかこれもいいよね。

 

嫁ニー:ゆるキャラなのに声がめっちゃ酒焼けしてたら面白いなぁ!

(一同笑)

司会:続きまして、「Twitter賞」はGENSEKIさんから発表いたします!

 

Twitter賞は、は~たんさんのポップでかわいいシーサーモチーフのキャラクター

GENSEKI:Twitter賞は、こちらの作品です!

◆Twitter賞◆『あわモン』は~たん 作

GENSEKI:Twitter賞は、コンテスト応募期間内に「#GENSEKI久米仙キャラコン」を入れて応募作品と一緒にTwitterに投稿していただき、いいねやRTが多かった作品を採用させていただきました!

 

小川:これ私も悩んだ!候補に入れたくて。

 

愛内:みんなの支持がすごかったんだね。この子、うちのワンコにそっくり(笑)

 

司会:最後の「久米仙特別賞」と「大賞」は、久米仙酒造でさらに協議し決定いたします!

 

久米仙酒造:ありがとうございます!今日のご意見を踏まえ、この後弊社で選考します!

 

司会:…では、この場での選考は以上となります。皆様、本日はありがとうございました!

 

全員:ありがとうございました!

 

ーーイベントでの意見をふまえ、久米仙酒造株式会社で選考の結果、選ばれた作品はこちらです!

◆佳作◆ みゅーで 作

◆久米仙酒造特別賞◆ CHARACTOY 作

ーーそしてあわモン大賞に輝いたキャラクターイラストは、壺型のシーサーが印象的で、「可愛いし目立つ!」と評されたこちらが選ばれました!

◆あわモン大賞◆クラちゃん(柏倉 靖)作

久米仙酒造:どの作品も素晴らしいアイデアばかりで、とても悩みましたが、マスコットキャラクターやグッズにふさわしいこちらのイラストに決定させていただきました。久米仙酒造の社内でも、「可愛い」と最も人気なキャラクターでした!

ーー大賞のイラストは、マスコットキャラクターに正式採用、ボトルラベルやグッズへ起用予定です!最後に、受賞の クラちゃん こと 柏倉 靖さんに、インタビューさせていただきました!

受賞者プロフィール


柏倉 靖(クラちゃん)(HP:kasiwakuland.starfree.jp Twitter:@chutakun2016
ファンシー会社や出版社で、雑貨・ステーショナリー・幼稚園や保育園用品の商品企画・デザインを担当。現在はフリーランスのイラストレーター・デザイナーとして活動中。雑貨や保育雑誌のイラスト・デザイン、絵本やグリーティングカードの仕掛け、工作案や絵本の原作の仕事まで、幅広く手がけている。

沖縄らしい色合いと雰囲気、そして誰でも真似して描けそうなシンプルさをテーマに

ーーこの度はあわモン大賞の受賞おめでとうございます!コンテスト受賞作品について、制作方法、コンセプトやこだわりなどがありましたら、ぜひお聞かせ下さい。

柏倉:沖縄県をイメージするモチーフの中で、シーサーが可愛くできそうで、お酒の壺のフォルムもかわいいので組み合わせました。沖縄らしい色使いにして、元気そうな明るいキャラクターができたと思います。制作はデジタルで、ソフトはPhotoshopを使用しています。真似て描けそうな、シンプルなキャラクターになるよう制作しました。
いろいろな人に親しんでいただけたら嬉しいです。

 

ーーどうしてこのイラストコンテストに応募しようと思ったのでしょうか?きっかけは。

柏倉キャラクターデザインがしたくて色々と募集を検索していた中で知りました。「沖縄のお酒のキャラクター」と聞いて、何か可愛いキャラクターができそうだなと思い、応募することにしました。

 

ーー普段からキャラクターデザインを描かれているのでしょうか?また、この先の抱負や、今後やりたいと考えているイラストのお仕事がありましたら教えて下さい。

柏倉:普段は「柏倉 靖」という名義でイラストのお仕事や制作をしています。オリジナルキャラクター作品のイベント展示や販売もしています。
自分の描いたキャラクターが街中で見られたり、使用している人を見かけたら嬉しいので、これからもキャラクターデザインは色々と描いてみたいですね。
ファンシー雑貨やステーショナリー、幼児向けのお仕事もしていますので、絵本やグッズなどの可愛い仕事もしたいと思っています。

 

 

「マスコットキャラクター」に求められる要素は多面性があり、応募デザインも選び方も様々な切り口が見られる、賑やかなコンテストとなった。

選考委員それぞれが全てのイラストに向き合い、作品に込められた思いを汲みとりながら選ぶ様子から、「コンテスト」は応募者・選考者・イラストの渡る先、関わる全ての人の真剣な思いが積み重なり出来上がるものだと伝わってきた。「マスコットキャラクターデザイン」への展望がさらに広がっていく選考会だった。

沖縄と久米仙酒造で、今後『あわモン』が活躍するのを楽しみにしたい。


1952年創業、沖縄県那覇市の泡盛メーカー。「豊かな今と未来をつくる 一歩進んだ酒づくり」をモットーに、常に新しい挑戦を繰り返す酒造所。沖縄ならではの亜熱帯気候を利用したウイスキーを開発し話題となっている。6月には那覇空港内に業界初のウイスキー専門店をオープン。
今回の選考会や各タレントさんのメッセージなどは、久米仙酒造株式会社WEBサイト「泡盛マガジン」、久米仙酒造【公式】Instagramにも掲載。

編集者


kao(twitter:@kaosketchHP
イラストレーター・GENSEKIインタビューライター。空気感や表情が伝わる表現を目指す。ファンタジーとSFが好き。名古屋在住。