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「実在しそうなイケメン」を描くためには、現代のリアルな流行りを知ること!冨士原先生によるイケメン イラコン結果発表!

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GENSEKI初の「イケメン」イラコン! 今回のテーマは「アイドルの休日」です。

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審査員はイケメン役者育成ゲーム「A3!」や、ダンスボーカルグループ「学芸大青春」のキャラクターデザインを手掛け、現代的なイケメンを数々手掛けている冨士原良先生です。

審査員
冨士原良(Twitter  @wsise47)

アイコン

フリーイラストレーター。『死神姫の再婚』のコミカライズや、イケメン役者育成ゲーム
「A3!」やダンスボーカルグループ「学芸大青春」のキャラクターデザインなど。
KADOKAWAから、画集『冨士原良 ART WORKS -BRIGHT-』『冨士原良 ART WORKS -DUSK-』の2冊が発売中。

インタビューした人
坂本彬

アイコン

GENSEKIのマーケティング担当。
小学生の時、二次元の推しを三次元にする方法をずっと考えていた。


造形美だけではなく、それ以外でイケメンを強調させるポイントがあるか

昼からビール飲んじゃうもんね

昼からビール飲んじゃうもんね

坂本
それでは、今回の最優秀賞を教えてください。

 

冨士原
今回の最優秀賞は神崎ユタさんの「昼からビール飲んじゃうもんね」です。

 

坂本
ありがとうございます! 最優秀賞に選ばれたポイントを教えてください。

 

冨士原
一番は画面に「アイドルっぽさ」がにじみ出ている点ですね。ぱっと見ただけでも、アイドルのキラキラした雰囲気が伝わりますし、表情・小物で普通の男の子とは少し違った感性を持っていることがわかると思います。

 

坂本
ピンク色のルームウェアやヘアバンド、ネイルまでしていますもんね。

 

冨士原
はい。今回のテーマは「オフの日のアイドル」だったので、アイドルらしさ・休日の空気感が表現できているかどうかも重要だと思いました。この男の子はオフの日らしい素も出ていながら、普段キラキラしたものや世界に触れていることを感じさせるアイドルの自分も残っていて、まさに「オフの日のアイドル」という印象を受けました。

技術的な面で言えば、引きで見た際に主役である人物に最初に目が行き周りを見渡すとCDや雑誌がおいてあって、彼が出た作品なんだろうな、と想像がかき立てられるように自然な視線誘導も行えています。

 

坂本
たしかに、よく見ると雑誌の表紙も彼の顔になっていますね!

私も今回のイラコンの作品を全体的に拝見していたのですが、すごく細かな設定を描いてくださる方が非常に多かった印象です。こういった周辺の設定も重要なのでしょうか?

 

冨士原
イケメンは顔の造形美だけで構成されるものではありません。人となりや奥行きのある人物設定があれば、表情・仕草・立ち姿まで固まってきます。

 

坂本
周りに配置すべき小物も決まってきそうですよね。タバコを吸うか、吸わないかとか……。

 

冨士原
はい。イケメンを強調する部分をいかに絵の中で表現できるかも重要です。今回の神埼さんのイラストはその構成もテーマに沿って描けており、非常に素敵な絵だと思いました。

 

坂本
二次元のイケメンに魅せられてきた私にも、納得の解説でした。ありがとうございました。

 

受賞者コメント:神崎ユタさん


たくさんの素敵な作品の中から選んでいただきありがとうございました。
昼からゴロゴロ……ビールも飲んじゃう……だってお休みの日だから! をコンセプトに描きました。スマホをいじっているのはエゴサをしているのかもしれませんし友達と出かける約束をしているのかもしれません。
よく見ていただくとピアスもお休みモードなのがポイントです。
この賞を励みに今後も楽しんで創作してまいります。


カッコいいイケメンが勢ぞろいの佳作をご紹介!

オフの日も

オフの日も

冨士原
表情がとてもかわいいですね。「イケメン」と指定するとキメ顔やかっこいい印象にとらわれて人物の表情が固くなることが多いのですが、こちらのイケメン二人は生き生きとしていて、愛着がわきます。

イラスト自体もとても上手です。「季節感」と「アイドル時とのギャップ」がより出るとさらに良くなり、最優秀賞を狙えたのではと思います。

「季節感」について、男の子2人は、腕まくりをして暑そうにしていますが、夏ではないようですし、絵から連想する二人の会話は想像しづらい印象でした。

「アイドル時とのギャップ」については、奥のアイドル写真との色合いや華やかさの差がもう少し欲しかったので、オフの ”日” であることが伝わりやすい描写ができると、イラコンのテーマにも合うと思います!

 

オフの日

オフの日

冨士原
画力・構成力共に素晴らしいです! 背景も複雑なのにパースもバッチリでした。そして何より現代的な服装や髪型で「本当にこの世に存在していそう」な説得力があります。二次元だけど恋に落ちてしまう絵ですね。

仕草・表情でキャラクターの性格も伝わってくるので、自分の推しを見つけやすいです。最優秀賞を狙えるほどの実力があるのですが、テーマである「アイドル」「オフ」という2つのキーワードが盛り込みきれていなかったので、佳作とさせていただきました。

 

スポットライトの裏には

スポットライトの裏には

冨士原

パックや化粧品など、洗面台に細かく小物を配置し、美意識が高い男性であることがわかります。こうした細かいところから人物の性格や生活環境も表現できており、絵としての完成度は非常に高いです。

またアイドルとしてキラキラしている時と、アイドルじゃない素の瞬間の対比もよく表現できています。

ただ、この眼差しと雰囲気からは、オフの日というより、これから大きな仕事をしに行くような、仕事に対して熱い思いを持って決意している印象にも受け取れました。こちらも佳作とさせていただきました!

 

あなたの朝を、あたためたい

あなたの朝を、あたためたい

冨士原
服装・髪型・小物でイケメンをしっかりと表現できています。画力も高く、イラスト自体が非常に繊細で綺麗です。とくにこのイラストで素敵だと思ったのが、空気感ですね。斜めから射す光の色からも寒い日の朝であることが伝わってきます。

後ろに彼が出ている広告があるんですが、そうしたことにも慣れている様子から、芸能人の男性、という印象を受けました。ただ彼が「アイドルだ!」と断定できる要素がなく、俳優・モデルと言っても納得してしまうかもしれません。アイドルらしさを追加できると最優秀賞も狙えたと思います!

 

「実在しそう」を描くためには、現在のリアルを知る必要がある

坂本
コメントありがとうございました。今回、審査員を務めていただいて、いかがでしたか?

 

冨士原
皆さんのイケメンが見られて非常に楽しかったです。こういったテーマを与えられると、描くための目標ができてすごく楽しいだろうなと思いました。

 

坂本
私はいつも冨士原先生の描かれるイラストは現代的でカッコいいなと思っています。普段どういった場所で情報収集しているのでしょうか?

 

冨士原
Instagramなどで情報収集しています。

 

坂本
実在する人たちを見て研究しているんですね。

 

冨士原
はい。やっぱり時代は移り変わります。たとえば、昔は金髪にピアスといえば、チャラい人という印象がありました。でも現代では、ヘアカラーもピアスをつけるのも、ファッションとして普通に誰でもやることですよね。そういった実在する「今」をちゃんと抑えながら絵を描くことで説得力を出しています。

 

坂本
先ほどもおっしゃっていた「実在しそう」というお話ですね。その点でいうと今回のテーマは普段見ることがなかなかできない「オフの日のアイドル」だったので難しかったでしょうか?

 

冨士原
題材としては想像の余地があっておもしろかったのではないかと思います。また印象的だったのが、背景までしっかり描いてくださる方が多かったことです。

背景から描く空気感は、イケメンを構成する上では非常に重要です。それを理解してもらえたのはうれしかったですね。

 

坂本
私も眼福でした。冨士原先生、審査ありがとうございました。