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キャラクターデザインは「描きやすさ」が大事。アドビ×GENSEKIキャラクターコンテスト優秀賞「雛宮ぶちょす」インタビュー


【この記事はAdobe Expressの提供を受けています】


こんにちは、GENSEKIマガジン編集部です。

GENSEKIではイラストレーターのサタケシュンスケ先生を審査員にお招きして、アドビ×GENSEKI キャラクターコンテストを開催しました。

今回はきらびやかで涼し気なキャラクターで優秀賞に選ばれたイラストレーターの雛宮(ひよこみや)ぶちょすさんに、キャラクターと衣装のデザインや受賞作の工夫についてお聞きします。

目次
お話を聞いた人

雛宮ぶちょす(X:@hiyokomiya_0307WebGENSEKI
テーマパークとねこが好きなイラストレーター。きらびやかなキャラクターイラストを描くほか、自身で作詞作曲、歌唱、衣装制作などもこなすマルチクリエイターとしてYouTubeやライブ出演など幅広く活動中。

 

興味と構造理解で絵の説得力を高める

【優秀賞】プリズム*アクアリウム

ー優秀賞受賞、おめでとうございます! 改めて、受賞作品のコンセプトやこだわりをお聞かせください。

雛宮
「水族館」がコンセプトでしたので、自然の海のイメージになってしまわないよう、背景に人工的な窓枠やかわいいスイーツを配置しました。髪や衣装が水にゆらめいているように見せ、彩度高く明るい世界観を表現しました。

配色は青だけだと涼しくなりすぎるため、熱帯魚のイメージでオレンジや黄色も入れて、ポップに仕上げています。いつも描いているキャラがメインのイラストよりも、見ごたえにフォーカスして一枚絵としての密度を上げて描いています。


ーコンテストに応募したきっかけは何でしたか?

雛宮
実は、このイラストはコンテストを見つける前の2024年7月に制作したものです。大好きな水族館に行く予定を立てていたのですが行けなくなってしまい、残念でやり場がない熱量をぶつけて描きました(苦笑)。その後、GENSEKIの開催コンテスト一覧を眺めていたら、ぴったりのコンテストを見つけて、チャンスだと思って応募しました。


ー受賞した感想をお聞かせください。

雛宮
連絡をいただいたときは驚きました。プロの方から講評をいただくのは初めてで、とてもモチベーションが上がりました。「キャラの全身+背景」の一枚絵という自分のスタイルで評価がいただけて、イラスト全体に気を配っている点も気づいていただき、本当にうれしかったです!


ー講評で先生が驚かれていましたが、フリルやスカートなど衣装の作りに説得力があり、散りばめられたモチーフの描写もとてもしっかりされています。テーマにあわせて資料をたくさん調べていらっしゃるのでしょうか?

雛宮
私は「衣装」が大好きで、服を描きたくて絵を描いている部分も大きいです。服の構造は、こういった衣装を昔から描いてきたのでだいたい頭に入っていますし、趣味の音楽活動などで自分でも衣装作りをするので、それも影響しているかもしれません。

テーマと描きたい服が決まったら、それにあわせて画像検索します。かわいいモチーフやスイーツを見つけたらその特徴でカラーパレットを組みます。夏なら魚っぽい衣装にしよう、冬ならクリスマスのオーナメントや食べ物をモチーフに入れよう、と細分化して考えています。

雛宮さんの作品

ーキャラデザや活動の方向性を決めるにあたって、影響を受けたキャラクターやクリエイターはいらっしゃるでしょうか?

雛宮
ディズニーのミニーちゃんがとても好きです。登場してから帰るまで、すべてにおいて抜かりなくかわいいので、立ち振る舞いや話し方を参考にしています。ディズニーパーク全体も好きです。メインキャストだけではなく、パレードのダンサーさんひとりひとりの挙動や衣装にまで、性格付けがされているんです。パークに行ったときはいつもいろいろなところを研究して、参考にしています。

また、枢(とぼそ)やな先生(X:@toboso_official)の漫画『黒執事』の、主人公シエルの服装やケーキ、小物など、すべての要素で細かく世界観を作っているところが好きです。城咲ロンドン先生(X:@london_222)や今井キラ先生(X:@kiraimai)、豆やなぎ先生(X:@yng043)もかわいいキャラ作りに精通している方々で、憧れです。

「誰でも描きやすい」デザインの考え方

ー雛宮さんは普段どんな活動をされているのでしょうか?

雛宮
イラストレーターとしては、「キャラの全身+背景」の一枚絵というスタイルで2年ほど活動しています。活動者さんからのご依頼が多く、元となるキャラに季節の衣装を着せた記念イラストやMV用イラストなどを描いています。

VTuber「由良あおい」デザインとイメージイラスト

ーお仕事でキャラクターデザインをするときに気を使っていることはありますか?

雛宮
VTuberや代理キャラといった「これから活動を始めるキャラ」を新たに作る場合は、シルエットやモチーフの作画コストを上げすぎないよう気をつけています。

次に描く人やグッズ用にデフォルメするとき、複雑なデザインがたくさんあると描きにくくなりますし、ファンアートを描くのも大変になってしまいます。そのため、特徴となるモチーフやシルエットをひとつ決めて、トレードマークがあれば誰が描いてもそのキャラだとわかるようにデザインしています。

また、配色ではイメージカラーを3色以内で設定しています。メインのイメージを決めつつ、他のキャラと並んでイメージカラーが被ってしまう場合にもサブカラーで対応できるといいな、と考えています。


ーコンテスト講評にもあったキャラクターデザインの「展開性」をしっかり考えていらっしゃるのですね。

雛宮
はい。キャラクターデザインについては、noteの記事でも詳しく書いていますのでよろしければご覧ください。


ー衣装作りや音楽活動など、他にもいろいろなご活動をされているようですね。

雛宮
はい。音楽活動でアイドル系のライブに呼んでいただくことがあるので、自分でステージ衣装を作るときもあります。ライブのときは、簡単ですが曲ごとに振り付けも考えて踊っています。


ー多才で驚きます。音楽活動は作詞作曲や歌唱もされているのでしょうか?

音楽活動のシンボルキャラクターとミニアルバム

雛宮
はい! 楽曲のアレンジ(楽器を入れてオケを制作する部分)は他の方にお願いしていますが、 自分で作詞作曲して歌っています。自分自身が出演するのでVTuberではないのですが、シンボルキャラクターを作って活動しています。ライブの他には音や映像中心の即売会「M3」などに参加することもあり、このキャラでアルバムのジャケットイラストを描いたり、グッズも制作しています。

また、この活動で知りあった方達からイラストや音楽の依頼を受けることもあります。

ー今後はどういったお仕事をしていきたいですか?

雛宮
アイドルが好きなので、ポップでかわいいアイドルに関わるイラストやステージ衣装のデザインをしてみたいです。豆やなぎ先生がされているようなお仕事が憧れです。

また、「イラスト・音楽・ファッション」を融合したトータルプロデュースをするのが夢です! 私は0から1でアイデアを出すことが好きなので、一つの物語のようなオリジナルの世界観を表現できたらすてきだと思います。


複数人だからこそ映えるスタイリングや、それぞれのキャラクターの掛け算で作る、唯一無二の「かわいい」をプロデュースしたいです!

Adobe Expressでアイデアの引き出しを増やす

Adobe Expressで作成した画像

ー今回は「Adobe Express」協賛のコンテストだったため、雛宮さんにもAdobe Expressでキャラクターデザインのアピール画像を作っていただきました。アプリの使い心地はいかがでしたか?

雛宮
iPad Proのアプリ版を使用しました。いつもはペイントソフトでデザインも全部やっているので、デザインソフトならではの機能がたくさんあって感動しました。私はヘルプを調べるのもあまり得意ではないのですが、事前知識がなくても機能をいろいろと感覚的に触って検証するだけで作っていけました。

Adobe Express iPad版

ーとくによかった機能や、便利に感じたところはあったでしょうか?

雛宮
配色やフォントの配置、レイアウトなどを、即座に複数パターンで提案してくれてよかったです!

デザインはまだまだ駆け出しで、いつも同じような感じになりがちだったのですが、提案を見て「こういう配置のアイデアもあるのか!」と試行錯誤できるのはありがたいです。

テンプレートを選ぶだけでなく、テキストボックスに文字サイズをあわせて配置してくれるようになっているなどの補助機能もよかったです。


ーどういったときにAdobe Expressを使用したいと思いますか。

雛宮
イベントで使うフライヤーを制作するのによさそうです。 かわいいフォントもたくさん用意されているので、ロゴ制作にもぜひ使いたいと思いました。レイアウトのアイデアのヒントをもらったり、完成したものに文字を入れたりと、制作の一部分だけでも十分活躍しそうです。

雛宮さんの作品

▼コンテスト結果と講評コメントはこちら

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執筆

kao(X:@kaosketchWebGENSEKI

編集


斎藤充博(X:@3216WebGENSEKI