ギャップにグッとくるってどういうこと? GENSEKIスタッフが「ギャップ」イラストコンテストの入選作品を見てワイワイする会

GENSEKI主催で「ギャップ」を感じるイラストコンテストを開催しました。今回、GENSEKIスタッフが受賞作品についてワイワイ語りあっている様子をレポートにしてお届けします!
参加メンバー

コンドウ(メンバーブログ)
GENSEKIの運営スタッフ。イラストコンテストの企画運営、SNS運用、バナー制作なども担当。商業イラストレーターとしても活動。

ハラサワ(メンバーブログ)
GENSEKIの運営サポートスタッフ。趣味は相撲観戦。漫画やイラスト、文字を書くことも好き。

サイトウ
GENSEKIマガジンの運営サポートスタッフ。インタビューや記事、バナー制作などを担当。イラストは見るのも描くのも好き。
【大賞】キャラクターの背景まで想像させられるアイデアで圧倒

【大賞】入れ替わる放課後/禾
普段は校則に厳しい風紀委員長が、放課後の図書館で金髪ピアスのギャルに勉強を教わっている様子。
校則に一切妥協しない真面目な風紀委員長と、教室では目立つ不良ギャル。
誰もが「教える側」と「教わる側」を逆に想像するはずがない二人が、今、図書館の隅でまさかの光景を繰り広げている。
イラストには、あえて普段の姿を描かず、ギャップだけを切り取ることで、観る人に「いつもはどうなんだろう?」と2人の普段の様子を想像を促すよう構成した。



いい!

ギャップというテーマの中でも王道の「ギャル」と「委員長」のダブルです! ギャル、まつ毛バチバチだし、めっちゃ爪長いですね。

風紀委員長なのにそれは見逃していいのかって思いますね(笑)。教えてもらってるから頭が上がらないのかな?

委員長がギャルに教えてもらってるんですよね。テストを見ると委員長は45点で、右端のはギャルの98点?


委員長は勉強全体が絶望的なのか、それともこのテストの教科ができないだけで実は頭のいい子でしょうか?

何の教科なんだろう。 二人の関係はこのときだけなのか、いつもこうなのか……ストーリーの妄想がふくらみますね。この二人の漫画が読みたくなりました。

キャラの描き込みもしっかりされていますね。色もきれいで、夕方っぽい。


光がオレンジじゃなくピンクで夕方感を出しているのが、絵の雰囲気とハマってますよね。
でも、これって僕らが「委員長は勉強できそうなのに」と思い込んでるからギャップを感じるけど、そもそもこの二人にとっては自然なことかもしれない……?

確かに。表情は自然でも、服装や見た目で逆なように思ってしまう……ギャップってつまり、自分の中にある思い込みからくるんでしょうか?

自分が「これってこうだよね」と思っているから成り立つ。見る人の固定観念が問われますね。

そう思うと、「ギャップ」を表すって、想像していたよりも難しいことなのかも。
自分がギャップに感じていたとしても、他の人からすれば「そういう人もいるよね」で終わっちゃうかもしれない。勉強が得意なギャルも勉強が苦手な風紀委員長も、いておかしくないはずなのにグッと来てしまうって、よく考えるとおもしろいですね。

二人のバックグラウンドまで見えてきて、説得力がある。キャラの見た目以上に内面を思わせる要素がちゃんと絵に入っていて、表現がうまい。そういう仕掛けができるイラストって、すごく引き込まれます。
見る側にいろいろと想像させられるってすごいことです。
【佳作】作風もアイデアもまったく違う4作品。ポイントは「わかりやすさ」

【佳作】衣替え/karu

ホラーのギャップはこの作品だ、って感じましたね。

かわいいけど怖い、でも露骨に怖すぎない。
クマのぬいぐるみの口がないデザインが、普通にしているとかわいいのに、表情が読めない怖さにもなってるのがすごいですね。何をしてくるのか読めない。

奥に飾ってあるクマと真ん中のクマのデザインはほとんど一緒なのに、真ん中の子だけちゃんと怖いのもすごいですよね。ほんの少しだけ光の当たり方とか目線が違うだけで、こんなに印象が変わるのかと思いました。


海外ゲームみたいなタッチもいいし、ラグもシンプルな情報量なのに、質感がリアルで存在感もあるのがすごい。ギャップテーマとしては王道かもしれないけど、だからこそ表現のうまさが光ってます。
karuさんは他の作品も含めて、構図が抜群にいいですね。


karuさんは他のコンテストでもおばけのイラストで受賞されていて、作風も一貫していますね。

作品のすみずみからていねいさが伝わってきます。

今回の作品も、ぞっと思わせることに手を抜いてない印象を受けますね。

【佳作】四季のコントラスト/リーズン

ギャップっていうとつい「人」と思いがち。コンテストを企画したときはいろいろなギャップが来てほしいと思いましたが、まさか「季節の移り変わり」が来るとは思っていなかった。

一番規模の大きいギャップでしたし、着眼点がすてきですね!

季節って毎年当然のように来るけど、こんなにも景色が変わって、よく考えるとすごいギャップだなって気づかされましたね。

リーズンさんも背景のイラストメインでよく投稿いただくので、作風も印象に残っています。『GENSEKI art book 2024』にもご参加いただきましたね。

【佳作】ラブリーキャッチャー/画々市

応募が多かった「かわいい×ワル」系の中で特に目立っていました!

説明不要なヤンチャ顔! 表情はいたって真剣なんですが……。

この見た目は絶対にヤンチャですね(笑)。取ろうとしてるぬいぐるみが尻尾を振っているのもいいです。

「ギャップ」がストレートに一番わかりやすいと感じた作品でした。構図や光の表現もすごくいいですよね。
顔の横に、反射でぬいぐるみの顔が並んでるのもめっちゃいい(笑)。
イラストなのに、店内のガヤガヤした音まで聞こえてきました。


細かい描写がされていてゲーセンの空気感が伝わってきますよね。うしろでムギュっとしてるぬいぐるみも、記憶を気持ちよく刺激してくれます。

ラブリーキャッチャーのシールの描写も細かいですね。


画々市さんの他の投稿を見ると、意外性のある作品でした。普段の作風とギャップを感じられるのも、おもしろいところですね。

【佳作】メガ盛り満開さくらパフェのお客様~/かにめしろ

「スイーツ×おじさん」は、キュンとくるギャップの定番イメージながら、昨今ではおじさんがスイーツを食べることも普通に感じられるようになったので、難しいテーマですよね。

ただのスイーツ好きでは収まらない特大パフェなのがまた良いですよね。

ほんとだ。これ、おじさんひとりで食べるの? すごいな……(笑)。
イラストとしても、ほっこりするやさしい絵ですてきですね。

桜色と黄緑色の春らしい色味がきれい。

色数は少ないのに華やかですね。ぬくもりを感じます。

このおじさん、シリーズでもっと見たいですね。ほんわかした顔で平然とこのサイズを食べられるくらいなので、もっと他にもたくさんギャップがありそうですね(笑)

まだ外が明るいから、ひと通り外回りに行ってきて、このあと会社に戻るところなのかな。昔はもっとすごいスピードで食べてた営業マンなのかも。

おじさんの物語が気になってしょうがないですね(笑)。
応募作品全体を振り返って




今回は219件ものギャップ作品をご応募いただき、ありがとうございました!

イラストだけじゃなくて、タイトルや説明文も一緒に見ていったのですが、みなさんこっていますよね。

ツッコミ入れたくなるタイトルがあったり、楽しかったですね。

イラコンなのに……! と思うぐらい説明文に力が入っていたり、クリックしてじっくり見るとおもしろいものも多かったです。

ネタ感の強いお題にもかかわらず、描き込みが多い気合が入った作品も多数ご応募いただき、イラストとしてうまい! というものも多かったです。


予想外のアイデアもいろいろありましたね。童話など「みんなが知ってる元の設定を覆すギャップ」が、おもしろかったです。

「頭の中と現実のギャップ」を描いた作品もおもしろい発想だと思いました。気持ちのギャップは共感性が高いですね。

心がえぐられるような何とも言えないものとか、悲しいギャップもありましたね。
一方で、似ているギャップもけっこうありました。被っているアイデアもあって、「ギャップ」と聞いたときにみんなが思い浮かぶ「王道」がけっこうあるなって思いましたね。

定番の「みんなの好きなギャップ」というのは一定数ありそうです。「おじさんギャップ」はどれもおもしろかった!

かわいい系のギャップも「かわいい×渋い」「かわいい×怖い」「かわいい×強い」などいろいろありました。
メイドやロリータなど、かわいい服を着たギャップも多かったですね。

ギャップがギャップとして広まるほど、定番化してもはやベーシックに感じてしまうという発見もありました。
あと、イラストをひと目見て「どんなキャラクターか」がわかるように描くのって難しいですね。ギャップの中の「○○なのに」の前提を、見る側に伝わるように描く必要がある。キャラデザ力が試される気がします。

受賞作品はどれもパッと見てすぐテーマが伝わってくる、わかりやすいものでしたね。
そこからさらにストーリーが想像できて、見ている側に語らせる力を感じました。

特に大賞作品は見ながらたくさん語ったし、改めて見てもぐっときますね。

みんなで、「ギャップって何だ?」と考えさせられました。
応募作品のバラエティが豊かで、作風が全然違うものが集まったのもおもしろかったです。受賞作品だけ見たら作風が豊か過ぎて、何のイラコン?って(笑)。


画々市さんのように、全然違う作風で描いてくださったり、それぞれの方のいつもと違う一面が見れたのもおもしろかったですね。お久しぶりの方も多くてうれしかったです。

以前よりさらに魅力的なイラストを描かれていて驚いたり。運営スタッフはいろいろ覚えてるんですよね。

そうなんです。今後もいろいろなイラストコンテストを開催していきますので、気になるコンテストがありましたらご参加いただけるとうれしいです!



楽しいアイデアのご応募、誠にありがとうございました。ぜひ次回もお待ちしてます!
▼コンテストページ
【定期開催】GENSEKIイラストコンテスト
執筆
kao(X:@kaosketch/Web/GENSEKI)
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