レトロポップな女の子のキャラ絵、レベルアップするカギは「シルエット」の調整【イラスト添削】

こんにちは、 GENSEKIマガジン編集部です。

ご好評いただいているgreen322先生の添削シリーズ、今回は「このイラストをもっとよくしたい! 私の推しイラストコンテスト」を開催しました。

140点もの「添削してほしい、私の推しイラスト」をご応募いただき、ありがとうございました。

green322先生に、大賞作品の魅力はそのままに、さらに「キャラが映える」イラスト添削をしていただきます。

▼結果発表・講評はこちら

この記事で学べること
  • イラストの魅力的な部分を残したまま、修正する考え方
  • キャライラストをクオリティアップさせるコツ
  • 色調整で「キャラ」と「背景」を見やすくする方法

添削担当

green322(X:@green322green
Xで14万人以上のフォロワーを持つ人気イラストレーター。美術系大学卒業後中学校の美術教諭として勤務、退職後イラスト制作会社でアートディレクターとして作品の品質管理を担当。その後ゲーム開発会社でのイラストレーター勤務を経て、現在フリーのイラストレーターとして活動中。

添削イラストコンテスト 大賞

らぶか(GENSEKI
「トキメキ」をギュッと詰め込んだイラストを制作しています🍒
ご覧いただいた方がハッピーに気持ちになれるように今後もがんばります!!

らぶかさんのお悩み

今回の添削対象は、らぶかさんのこちらのイラストです。

自分の大大大好きな「赤×チェック柄」をふんだんに使いたくて、レトロポップ調にかわいく自由に描きました!!

個人的に、パッと見たときに「赤だな」と感じれるものには仕上がったのですが、チェック柄をもっと推したいですし、もう少し何かうまく取り入れられたんじゃないか、と物足りなさを感じております……。

また、画面全体にごちゃつき感があり、1点に集中していない感じも少し気になっています。

もっとチェックで、かわいいイラストだと思ってもらえるようにしつつ、ごちゃつき感のない、まとまりがあるようにしたいです!!

【添削ポイント】わずかな調整で、絵がもっと見やすくなる!


らぶかさん、大賞おめでとうございます! このたびはご応募いただきありがとうございます。

今回のイラストは、赤色がメインの画面構成の中で黒色がとても効果的に働いており、非常に目を引くものになっています。コンテスト応募作品一覧でもひときわ目立ち、一瞬で目を奪われました!

絵を構成するモチーフが多く全体の色相も似ているため、キャラのシルエットが埋没しそうなところ、背景に抜きを作ってキャラを目立たせる工夫がされています。黒が髪に使われていて、顔にいちばん目が行くような視線誘導も効いています。

演出の巧みさが光る一方、キャラの魅せ方はもう少しよくできる余地がありそうです。
お悩みの「ごちゃつき感」や「集中していない感じ」は、少し整理するだけで見やすくなります

調整を詳しくご説明しましょう。

見えにくいと感じる部分のシルエットを際立たせよう


<手と腕周り>

今回のイラストは胸周りの要素が多く重なり、構造がどうなっているかわかりづらくなってしまっています。

腕と胸の位置関係をはっきりさせるため、左手の奥に隠れた「右手」をしっかり描いてみましょう。


左手の位置をずらして受話器を持っている右手を描くことで、身体の構造がわかり、絵が見やすくなります。腕のシルエットや服のシワ・リボンの前後感などもわかりやすくなるよう、陰影で形を整理しましょう。



<お尻周り>

足の付け根あたりの描写が少し気になりました。お尻の厚みが足りなく見えてしまうことも、違和感に繋がっていると考えられます。


この体勢であればお尻の下の面が若干見えて、股間まで少し見えてしまうと思います。「見えても問題ないデザイン」になるように、フリルスカートをドロワーズ風のショートパンツにして、もも裏の影やお尻の形を整えました。

このとき輪郭線の一部分を消したり、影の境界に彩度の高い色を入れる調整を入れ、太ももの肌感や柔らかさも強調します。

「太ももの裏の部分が見える」というのがこの作品の魅力でもあると思います。そのため、魅力を損なわない調整方法を考えることが大切です。

とはいえ、キャラの調整は大きく分ければこの2箇所のみ。元々すばらしい作品ですが、細かいことでも「違和感」を見つけて調整を繰り返すと、イラストのクオリティはさらにアップします。

▼上記を添削したものがこちら!▼

ビフォーアフター

【さらにひと手間】キャラと背景の色味をずらし、もっと見やすく


仕上げに「キャラ」と「背景」の関係もていねいに見ていきましょう。

今回のイラストはとても巧みに構成されていたため、たくさんのモチーフが入り組んでいてもキャラが引き立っていました。

ですが、全体を見たときに「キャラ」と「背景」に色味の差がほぼないため、腰~足まわりのシルエットが若干弱い感じがします。

キャラのシルエットをもっとわかりやすくするために、背景の色味をずらす調整をしてみましょう。


「オーバーレイ」モードのレイヤーで、キャラ以外の部分に淡いピンク色を乗せます。また、「色相・彩度・明度」の調整レイヤーとレイヤーマスクを使い、手前のキャラとモチーフを除いた奥の背景の彩度を低く、明度を明るく調整します。

これで手前の「キャラ」と奥の「背景」の色味が被らなくなり、差がわかりやすくなります。

(左)オーバーレイレイヤー
(右)「色相・彩度・明度」をかけた部分(白いところ)

ビフォーアフター

添削完了!

添削を加えたイラスト
元のイラスト → 添削経過 → 添削完了の変化

【総評】「違和感を見つけ修正」を繰り返して、クオリティアップ


らぶかさんは、「目を引く」という意味では演出が非常に巧みです。なにより、今回のイラストはご自身が「推したい」と思っていることが前面に出ていました。コンテストの趣旨とも合致する、すばらしい作品です。

あとは添削調整のようにキャラの「違和感」を減らすことができれば、さらに唯一無二の世界観を作っていけるでしょう

応援しております。お互いがんばりましょう!

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執筆

kao(GENSEKI/X:@kaosketchWeb

編集

斎藤充博GENSEKI/X:@3216Web

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