イラストに携われる仕事はイラストレーターだけじゃない!「好き」を仕事にするための選択肢

2025.4.23

2025年5月、GENSEKIが監修を務めた書籍『好きを仕事にしたいクリエイターの卵のための イラストを活かす仕事図鑑』がグラフィック社より発売されます! 

この書籍では、イラストを仕事にしたい人向けに、イラストに関連するさまざまな仕事を紹介しています。

本記事では書籍の中身をチラ見せしつつ、グラフィック社編集担当の三浦さんとGENSEKIのPdM北川さんに見どころを語っていただきました。また、出版に至るまでの経緯についても話をしているので、この書籍に込められた熱い思いをぜひ知っていただければ幸いです。

お話を聞いた人

グラフィック社 三浦大河
本書の企画・編集担当。イラストや技法書関連の書籍を制作することが多い。実年齢より上に見られがち。


GENSEKI 北川夏菜
GENSEKIのPdM(プロダクトマネージャー)。サービスのためになんでもやる係の人。

イラストのスキルを活かせる仕事はたくさんある!

――改めて『好きを仕事にしたいクリエイターの卵のための イラストを活かす仕事図鑑』は、どんな内容の本なのでしょうか。


三浦
イラスト業界に興味を持った方が、イラストの知識・技術を活かせるいろいろな選択肢を知ることができる本になっています。

イラストの知識や技術を活かせる仕事はさまざまにあって、各業界ごとに専門的な本もある程度存在しています。今の時代、検索すれば大抵の情報も出てきますが、その分野や職業そのものを知るまでにはハードルがあると感じています。

その「知る」までの部分をお手伝いできるよう、「こんな活かし方があるんだ」という情報を一冊にまとめました。読者の方が自分にあう業界を知るきっかけとなり、その扉を叩くまでの道を作ることがこの本の目的です。


――GENSEKIはこの本にどのように関わっているのでしょうか?


北川
取材する各業界のクリエイターさんのご提案から整合性のチェック、情報の補填などを行いました。

インターネットに情報があふれている今だからこそ、実際に現場で働いている方々のお話が集約されている書籍は貴重だと思っています。


――特にどういった層に読まれることを想定していますか。


三浦
就活や将来について考えだす学生さんはもちろん、別のお仕事をされていて「やっぱり自分の好きなことを仕事にしたい」「心機一転新しい分野に挑戦したい」と思った方にもぜひ読んでいただきたいです。本の中身についても、なるべく立場を限定せず、できるだけ多くの人が参考にできるように取材、編集をしました。

また、美大などに進みたいお子さんを持つ保護者の方にも手に取っていただければと考えています。「絵の道に進む」というと、なんとなく不安定なイメージを抱きがちですよね。
アーティスト以外にも学んだことを活かせる道が存在することを理解すれば、本人も保護者の方も安心して進路を決められると思いますよ。

本の見どころピックアップ

――本書は全4章の構成ということで、各章の内容と見どころをお願いします!

1章 イラストを活かせる仕事の種類

三浦
1章では、イラストの知識や技術を活かせる職業を10個ご紹介しています。
自分のイラストをそのまま活かすイラストレーターはもちろん、クリエイターの魅力を引き出してサポートするコーディネーターといった職業まで、なるべく多くの選択肢を提供できるよう、バリエーション豊かに選定しました。

各業界で現役で活動しているプロの方に取材を行い、仕事の内容、なり方から、必要なスキル、目指す人がやっておくといいことまで、リアルな情報をまとめました。初めて知る人も、ざっくりとその職業の姿かたちをつかめるような内容になっています。

「こういう活かし方があるんだ」「この仕事に興味あるな」というように、自分にあった選択肢を発見してもらえるとうれしいです。

内容チラ見せ!

北川
イラストを仕事にしたいと思ったとき、「アートディレクター」という選択肢にたどり着ける人はなかなか少ないのではないでしょうか。自分自身、「アート」分野ではありませんがディレクター職をやっていて、やりがいや楽しさを感じています。ぜひ皆さんに知ってほしい職業ですね。

2章 業界のみなさんに聞く創作のQ&A

三浦
2章では、1章で紹介した各業界で活躍されているクリエイターさんに、創作上のお悩みをぶつけています。
これからその職業を目指す人にとってすぐ役立つ内容にしたいと思い、仕事をし始めてからの話ではなく、前提である創作活動にテーマを絞りました。「絵描きあるある」な、お悩みや困り事、各クリエイターさんが実際によく質問されたことなどをピックアップし、読む人が自分事としてとらえやすい内容となっています。

どのクリエイティブ業も「作る」ところから始まるのは共通なので、自分が目指す職業以外の内容についても参考にできる部分があると思います。
また、文章については、回答していただいたクリエイターさんの雰囲気や考え方が伝わるよう、細かいニュアンスを残して編集しています。質問への答え方にもそれぞれの色が出ているので、「その業界の人っぽさ」を感じながら楽しめるかもしれません。

内容チラ見せ!
さいとうなおき先生のQ&A

三浦
この質問は周囲のクリエイターにも非常に共感されましたね。さいとう先生の回答自体も本当に目からうろこでした。

他にも、職業によっては「この仕事は絵が描けなくてもできる」といった話も出たり、「なるほど!」と思うような回答がたくさん聞けました。

3章 依頼者はどんなことをあなたに求めているのか

三浦
3章では、イラストを発注する側、つまり「クライアント」となる業界のお話を伺っています。ゲーム業界やグッズ業界、教育業界など、全部で9業界の方々に、それぞれが求めていること、感じていることを本音で語っていただいています。

また、仕事を依頼するクリエイターに求めることだけではなく、求人を募集するときに重視していることについても伺いました。「その業界から依頼を受けたい人」「入社して一緒に働きたい人」の二軸でまとめているのは、意外と珍しいのではないでしょうか。

これから業界を目指す人にとって、実際にクライアントと対峙するのは少し先の話になります。ただ、求められる力を知っておくことは、今後のアプローチや過ごし方のヒントになると思いますよ。

内容チラ見せ!

三浦
VTuberも活発ですし、イラストを使うストリーマーさんも増えています。それらをきっかけに、イラスト業界への興味を抱く方も多くいらっしゃいますよね。今時だなと思う業界です。

4章 業界インタビュー イラストを仕事にした人の生の声

4章は、さまざまな経歴を持つクリエイターさん4名へのインタビューとなっています。

イラストを仕事にしている方々の中でも、経歴や考え方というのは人それぞれで本当に多様です。SNSで人気になって……という道が目に見えやすくはありますが、イラストを仕事にする道はその一択ではありません。

この本には、あなただけのオリジナリティを確立してほしいという裏テーマがあります。四者四様のリアルな遍歴をたどって、自身の経験やスキルの活かし方を知っていただければと思います。

内容チラ見せ!
YOOKIさんへのインタビュー

北川
本書の表紙・挿絵も担当していただいたYOOKIさんのインタビューも載っています。GENSEKIのユーザーとして関わってきた方がクリエイターとして飛躍されて、今回の書籍でもご紹介できたことがうれしいです。

「好き」を仕事にすることを諦めないでほしい

――参考になりそうな内容が盛りだくさんですね。この本を作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。


三浦
せっかくやりたいと思ったことがあるならそれを実現してほしい、という思いがきっかけです。

私は漫画の専門学校に通っていましたが、私含め当時は、イラスト業界にどんな仕事があるのかをよく知らない学生が大半を占めていたんです。卒業と同時に漫画やイラストとは別の道に進んでいく姿もたくさん見ました。

やっぱり就職のことよりも、自分の創作に打ち込む人の割合が高いんですよね。今回の書籍を作るにあたって美大の学園祭などに訪れたときも、作品制作が優先で就活は後回しになりがちという話を学生さんから聞きました。


北川
実際に足を運んで調査されていたんですね。


三浦

はい。自分も専門学校に通いながらも漫画家にならなかった側の一人ですが、出版業界に入って編集という立場になってから「イラストの知識を活かせる場所はこんなにあるんだ」と知ったんです。高い実力とセンスを持った人が、この選択肢を知らないばかりに筆をおいてしまうのはもったいないので、この情報を役立ててほしいと思いました。

ありがたいことに、書籍に関わってくださった方々から「学生の時にこの本が欲しかった」というお声もいただいています。


――今回GENSEKIに監修を依頼された経緯についてもお伺いしたいです。


三浦

たくさんの業界の情報を紹介するには、編集部だけでは限界があります。そこで作家さんに寄り添った活動をされているGENSEKIさんにお願いすることにしました。


北川

GENSEKIではクリエイターのスキルを社会的な価値に換えることをサポートしていきたいと考えています。そのためには、ぜひいろいろな仕事を知っていただきたいです。まさにこの本の内容はGENSEKIが目指したい方向性にもマッチしていたので「ぜひ!」とお引き受けしました。

三浦
取材させていただいたクリエイターさんたちの後進への思いも感じましたし、本当に協力してくださった皆さんのおかげで形になりましたね。


――この本を手に取っていただく皆さんに伝えたいことはありますか?


三浦
まず一つ目は、この本を存分に利用してください。就職のために情報を集める時間があったら創作したいという気持ちや、今の実力で夢をつかめるのか不安になったときのつらさはすごくわかります。でもだからこそ、好きなことに関わりたいという気持ちを諦めないでほしいです。


北川
自分に何が向いているのかを理解して調べて、まっすぐその道に進んでいける人は少ないのではないでしょうか。その指針となる知識がこの本に詰まっているので、いろんな仕事を知って、進みたい道を探っていっていただきたいですね。


三浦

二つ目は、目指す進路以外の選択肢を後ろ向きに思わないでほしいということです。

実はイラストと向き合うことで培ってきたものはその人だけの特別なスキルで、それを活かせる情報をこの本では紹介しています。制作をしていると絵のうまさに目が行きがちで、そこに気づいていない人がいると思います。
夢を追いかけた結果、もし他の道に進むことになっても、決してそれは逃げでも諦めでもありません。どの職業も立派なんです。自分の選択した道に誇りをもってほしいです。


北川

憧れた夢が叶わず挫けそうになったときにも、いろいろな選択肢を知っていることが助けになると思います。好きを貫ける人が増えてくれるとうれしいです。

■書籍情報

好きを仕事にしたいクリエイターの卵のための
イラストを活かす仕事図鑑

「将来、イラストに関わる仕事をしたい! でも、業界にはどんな仕事がある? どうやってなればいいの?」
本書はそんな「クリエイターの卵」に向けた業界入門書。イラストの知識や技術を活かせる10個の職業をピックアップし、仕事内容や求められるスキルなど、職業の実態について知ることができます。
各分野で活躍するプロが登場し、創作における悩みやアドバイスを答えてくれるQ&A、業界で働く人がクリエイターに求めることのアンケートなど、仕事選びに役立つコンテンツが盛りだくさんです。

1章 イラストを活かせる仕事の種類

2章 一問一答!イラストを仕事にするためのテクニック集
3章 依頼者はどんなことをあなたに求めているのか
4章 業界インタビュー イラストを仕事にした人の生の声

出版社:グラフィック社
発売日:2025年5月刊行
仕様:A5 総176ページ
定価:1,980 円(10%税込)
ISBN:978-4-7661-4005-7

―― 特典について ――

viviON BLUEから購入すると、先着90冊限定以下のグッズがランダムで1つ付属されます!

・Xencelabs 二本指ドローインググローブ
・Xencelabs クリーニングクロス
・Xencelabs マウスパッド(さいとうなおき先生コラボデザイン)
※特典はお選びいただけません。
※特典の配布は予告なく終了する場合がございます。予めご了承ください。
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