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「かわいい女の子を描きたい!」好きを詰め込んだ魅力的な女の子を描く ー イラストレーター・田森

OGP画像

「かわいい女の子を描きたい!!」お洒落でどこかダークな雰囲気のイラストで注目されている田森氏。

特にSNSでは絶大な人気を博しており、TikTokではフォロワー69万人超え、Instagramのフォロワーも27万人と、数多くの人々に支持されている。(2022年6月時点)

今回はイラストへのこだわりはもちろん、SNSでの活躍の裏側、参加した展示会についてなど、オンライン・オフラインの垣根を超えて色んな人に認めて貰えたからこそ、ここまでこれたという想いを語っていただいた。

自分の「好き」を詰め込んで評価された作品

イラスト

ーー自分の代表作だなと思う作品をご紹介いただけますか?

田森:今気に入ってる作品が、今年の 3月にSNSに投稿した金髪ボブのタバコをくわえてる女の子のイラストです。

 

ーーどんなイメージで描かれた作品なんでしょうか?

田森:本格的にイラストの仕事をしていこうと思い始めてから、どんな絵が人から高評価をもらえるのか悩んでいる時期に描いた絵です。

実は、元々アナログのイラストを投稿していて最近デジタルに移行したんです。理由としては、今デジタルを描いてる人が圧倒的に多いっていうのと、イラストの仕事をしていくとしたらやっぱりデジタルじゃないと、と思ったところにあります。

ただ、デジタルに移行していく際に「どういうタイトルでどういう内容の絵ならSNSでいいねがもらえるのか」とか、色々と試行錯誤しすぎてしまって…。

周りの評価ばっかり気にしてる自分が嫌になった時に、一旦考えるのをやめて自分の好きなように描いたのがこの作品です。好きなように描いて、周りからも評価をもらえたっていう作品がこれかなと。

 

ーー少しアンニュイな感じの作風ですね。ファッションもこういう感じが好き!というものがあるんでしょうか?

田森可愛い女の子がすごく好きでTikTokで可愛い子をよく見ているんですけど 、こういうアンニュイな雰囲気やファッションをしている子が多くてかわいいな〜と思って。この時に金髪ボブにはまっていたんです。金髪ボブめちゃめちゃかわいいな!と。

 

ーー色合いも明るすぎない落ち着いた感じですよね。これもなにか自分のこだわりがあるんですか?

田森:ずっとモノクロで描いてきたので、色に関しては全然定まってないんです。作品によってはパキッとした色を使ったりもしてるんですけど、これが一番落ち着いた色で可愛く表現できたなと感じています。色に関してはまだまだ勉強中です。

 

ーー作風について意識しているところやこだわりのポイント、顔へのこだわりについて教えていただけますか?

田森:よく、「口の描き方が好きです」と言われますね。最近、太い唇が流行ってる気がするんです。オーバーリップしたりとか。自分が可愛いと思う子達がメイク動画で分厚い唇にしてるのを見て「いいな」と思ってイラストに取り入れたりしています。

結構、実写の女の子に影響を受けていて、かわいいなと思ったメイクを絵にも表現したり。最近は上下瞼の中心部分にラメを入れたりするメイクが流行っているので、涙袋に結構大きめの粒のラメを描いたりとかもしていますね。自分の描く女の子はメイクさせないと満足出来ないです(笑)

 

ーー本当に顔の描きこみにこだわりを持ってらっしゃるんですね!確かに顔を描くのが好きだと体を描くことが少なくなると思いますが、そこは描くように意識されているんですか?

田森:アナログ時代はほとんど顔しか描いてこなかったんですが、最近は体や手を入れるようにしています。手を入れると情報量が増えて見栄えがいいですし映えますよね。 少しずつでも絵を成長させていきたいなと思っています。

アナログの良さ、デジタルの良さ

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ーー普段使われている画材についてお伺いできればと思います。先ずはデジタルについてどのような機器を使われていますか?

田森:去年の冬ぐらいにiPad Pro の12.9インチを購入しました。ソフトはCLIP STUDIOProcreateです。

 

ーーそうなんですね。それぞれのソフトを使い分けているのでしょうか?

田森:CLIP STUDIOの「シャーペン」っていうペンはすごく描きやすく、線画はCLIP STUDIOで描くことが多いですね。ただツールが使いやすいのはProcreateです。もともとスマホでアイビスペイントを使って描いてたんですが、そのソフトとほとんど機能が変わらなくて使いやすいですね。

 

ーーCLIP STUDIOは線画で使用し、色はProcreateという感じでしょうか?

田森:色もCLIP STUDIOで塗ったりすることもあったり、使い分けはもう気分で(笑)代表作品はCLIP STUDIOで線画を描いてそのままCLIP STUDIOで塗って、ノイズ加工はProcreateでやりました。使いやすいのをどっちも使いながらという感じです。

 

ーーアナログはどのような感じで描かれているのでしょうか?

田森:アナログの時は コピー用紙とかスケッチブックで、道具はシャーペンとか鉛筆とか100均やコンビニで買えるもので書いています。道具にこだわりは特にないんですが、表現方法を場所によって変えています。

濃く表現したい時はB6とか濃い色で描いたり、唇とか鼻とかチークとかアイシャドウとかは薄めの鉛筆で塗りたいのでHBを使用したり。そういう使い分けはしていました。

SNSを通して絵を客観的に見る

イラスト

ーー田森さんは SNSで沢山のフォロワーさんがいらっしゃいますが、Twitter やインスタグラムを始めたのはいつ頃からだったのでしょうか?

田森:3年前ぐらい前からで、実はTikTok出身なんです。TikTokが流行始めたころに、ダンスしたりとかじゃなくて絵を投稿してる人がいたんです。それを見て自分もやってみたいと思ってなんとなく投稿した初投稿がバズったんですよ。それがSNSを始めたきっかけです。

 

ーーそうなんですか!初投稿で?

田森:それまでただ趣味で絵を描いてるだけだったんですけど、TikTokを始めて、自分の絵を世に出して認めてもらえることが嬉しくて!

具体的にはTikTokで流行っている音源に合わせたストーリー性のある絵を投稿してました。みんなに共感してもらえるような内容を意識して、1枚絵というよりは音楽にあわせて絵がパッパッと切り変わる感じです。

 

ーー好きな曲に合わせてって感じですか?

田森:好きな曲、というよりは流行ってる曲かな?流行ってる曲だと再生回数が伸びるんです。そうやって投稿していたら、TikTokのフォロワーが…今69万人くらいになりました。

 

ーーすごすぎます…。

田森:TikTok歴が一番長いんです(笑)周りから他のSNSはやらないんですか?と言われて他も始めたって感じです。YouTube もやっていて、 一番再生数が多いのは百合のイラストなんですけど、290万回再生されてます。 TikTok で消されちゃってどこかに載せようと思ってYouTubeに載せたらバズって。ちなみに、どうして百合かというと女の子しか描きたくなかったんです、私(笑)女の子同士が好き同士っていうのがもうかわいいし、尊いし、目の保養。

 

ーー絵が上達したなと感じたタイミングはありますか?

田森:去年の2021年10月頃に初めてデジタルイラストで1万いいねをもらえた時に上達したのかなって感じました。デジタルもみんなに認めてもらえるぐらいの絵が描けたのかなって思ったのがこのタイミングと言うか…そこからほぼデジタルしか描かなくなったんですけど。「田森代理」としている自分の代理キャラクターアイコンのイラストですね。アナログでもこんなにいいねを取ったことなかったのでびっくりしました。もっと頑張ろうと思いましたね。そこからは比較的、いいねが「万」を超える投稿が多くなりました。

『田森代理』

『田森代理』

 ーー一番思い出に残ってる作品はありますか?

田森:インスタでも Twitter でも可愛いという意見がもらえたのが、この「 PCR 検査しますよ」っていう投稿で、2022年2月4日の綿棒持ってるスケスケのガウン着てる子です。

デジタル投稿して伸びたって感じたのもこれかも。自分的には目しか出せてないんで顔アップで可愛い感じで描きたかったんですけど、その気持ちを封じて体を描くのを頑張ったんです。

『PCR検査しますよー。』

『PCR検査しますよー。』

描き続けることがライフワーク

ーー絵を描いていて幸せを感じる時と、逆に辛いなって思う時があれば教えてください。

田森幸せだと感じる時は、たくさん「いいね」をもらえた時ですね。承認欲求の塊なんで、認めてもらえるとめちゃめちゃ嬉しいです。

先日、 展示会に参加した時に一日だけ在廊したんですね。「この日在廊します、何時から何時までいる」という情報を SNS で投稿していたのですが、私に会いに来てくれてるファンの列が出来ていて!初めてファンの方と交流したんです。手紙とか差し入れとかを貰って、足を運んでもらえるぐらいの価値が自分の絵にあったんだってそこで気づかせてもらいました。その出来事が私がイラスト一本で行きたいって考え始めたきっかけです。その時はグループ展だったのでいつか私だけの展示会もやりたいなって思いました。

 

ーーファンの存在は凄く嬉しいですよね。それでは逆に辛い時はありましたか?

田森:自分よりやっぱすごいなーと思う人を見ると不安になったりとか…圧倒されて辛くなることはあります。絵だけじゃなくてアニメーションができる人とか、漫画を描けるとか、多彩な人を見ると自分はこれしかできないなって。それでもやっぱり自分の描く子は1番可愛いし好きですね。

『出現画廊リアル展示会用イラスト』

『出現画廊リアル展示会用イラスト』

ーー絵を描くこと以外での趣味はありますか?

田森:それがないんですよね(笑)絵しか趣味がなかったからここまでこれたという感じです。

 

ーーでも一番良い答えだと思います。もう絵を描くことがライフワークですね!その絵で今後やりたいなと思っているお仕事があればお伺いしたいです。

田森:今後はもっとMVのイラストを描いていきたいです、オリジナル曲の MV を。あとは本の表紙とかも描いてみたいですね。

 

 

一貫して「自分の好きなもの」をイラストとして表現しているという強い思いを感じるインタビューとなった。

好きなものはもちろん、苦手なものにも取り組み葛藤しながらも、やっぱり「絵を描くことが好き」「私には絵しかないんだ」という前向きな姿勢は、絵を描いている人たちも共感できるのではないだろうか。

SNSで沢山のフォロワーに支持されている田森氏。これからも「好き」が詰まったイラストで私達を魅了してくれるだろう。

 

田森/Tamori(Twitter:@tamori_www/Instagram:@tamori_www)

TikTokフォロワー69万人、Instagramフォロワー27万人、Twitterフォロワー10万人。(2022年6月時点)SNSで注目を集める若手イラストレーター。リアルと二次元の間のような絵柄で魅力的な女の子を描くことが得意で、これまでMVイラストやジャケットイラストを制作。