GENSEKI編集部の坂本です。
本日ご紹介する案件もGENSEKI経由で発注したZOWAの案件となります。
案件内容
インタビューされた人
ラルフ小林
コンセプトアーティストを目指している2児のダディ
インタビューした人
坂本彬
GENSEKIマガジンの編集・マーケティングを担当。
モンハンでは大剣使い。
二児の父、コンセプトアーティストを志す
坂本
この度は、GENSEKI案件を受けてくださり、ありがとうございます!ラルフ小林さんは普段イラストレーターとしてどういった活動をしているのでしょうか?
ラルフ小林
本業は教育関係の仕事をしております。イラストとは関係ない仕事ですね。
坂本
なるほど、兼業イラストレーターさんなんですね。元々、イラストを描かれていたのでしょうか?
ラルフ小林
はい。大学は美術系でした。小さいときから絵を描くのが好きで、特にウルトラマンに出てくる怪獣が好きでよく描いていました。
坂本
なるほど、今回ZOWAで描いていただいた絵は、まさにラルフ小林さんにぴったりなお仕事でしたね!現在は、本業の合間の時間にご依頼を受けているのでしょうか?
ラルフ小林
はい。ですが案件自体、今回初めてお受けしました。実は、昨年から「コンセプトアーティスト」を目指そうと考えて、絵を描き始めたんです。
坂本
そうだったんですね、Twitter拝見すると2児のダディということでお子様もいらっしゃる中のキャリアチェンジなんですね。
ラルフ小林
はい。2人共、娘なので普段はプリキュアなどを見ています(笑)
坂本
新しいことに挑戦するパパ、カッコいいです!
教育者としての自分が「新しい技術」もどんどん取り入れる
坂本
先日開催した、「クリーチャー・人外イラストコンテスト」にも、ご応募頂いていましたね。
ラルフ小林
はい。イラストコンテストを探していた際に、コンテストのまとめサイトでGENSEKIを知りました。イマドキっぽくて勢いがあるサイトだなと思って見ていたら、ちょうど「クリーチャー・人外」のイラストコンテストをやっていて、応募してみようと思いました。
坂本
ラルフ小林さんの作品は、実は私もすごく印象的で投稿頂いた直後から見ていました。「midjourney」で生成したイラストをテクスチャとして活用されていましたよね。
ラルフ小林
そうですね、このイラストコンテスト開催中はAIイラストが非常に話題になっていました。だからこそ使ってみたかったんです。
AIイラストは著作権の問題があるので、そういった問題をクリアできそうな使い方ができないかと考えたときに、このイラストのように鱗のテクスチャに使うことを思いつきました。
坂本
新しい技術はどんどん取り入れているんですね。
ラルフ小林
今の仕事は、子ども達に物事を教える立場なので、僕自身も日頃からなんでも教えられるように、新しいことを知っておかなくてはと考えるようになりました。
なので新しいことには、どんどんチャレンジしています。
坂本
素敵ですね、ラルフ小林さんの教え子さんが羨ましいです!
「想像の余地」を考えて描きあげた、初めてのお仕事
坂本
今回、初めてのお仕事案件とのことでした。
ラルフ小林
そうなんです。イラストコンテストの結果を待っていたので、お仕事依頼のメールが来て、すごくびっくりしました。
坂本
実際に今回のお仕事をする中で意識してたことは、ありますか?
ラルフ小林
「次に繋がる仕事」がしたい、と思いました。そのために、案件の要件はしっかり抑えようと思いました。また、今回のイラストは「シルエット」という設定がキーポイントだと考え、絵を見た人が「想像する余地」をどのように表現したら良いか、悩みました。
坂本
絵を見る側の感情まで考慮するなんて、初めてのお仕事とは思えない配慮ですね。
ラルフ小林
ただ、シルエットで描くということが不慣れだったので、かなり悩みました。最初、ラフ案を2枚出したのですが、自分の中で100%面白いものが描けていないのではないかという気持ちになり、フィードバックを待っている間も描き直していたんです。
坂本
シンプルが逆に難しいということでしょうか。
ラルフ小林
僕が普段、怪獣のイラストを描くときは、どちらかというと奇抜なデザインを考えるので今回依頼されたシンプルな「シルエット」が逆に難しかったんです。
坂本
なるほど。そんな中、仕上がった作品ですが、おどろおどろしさが出ています。なんだか胸がザワっとするような絵です。
ラルフ小林
まさに、見た人がそういう感情を抱いてほしくて、街の中にいる人視点のアングルで描きました。特に「手」の表現にこだわっていて、今にも迫ってくる雰囲気が出せたと思います。
坂本
狙い通り、見る側の想像力で補われて、より恐怖が倍増していると思います。
理由のあるデザインを描きたい
坂本
コンセプトアーティストを目指しているというお話でしたが、具体的にやっていきたいお仕事はなんでしょうか?
ラルフ小林
僕自身、意味のあるデザインがすごく好きなんです。例えば、僕の好きなゲームに「モンスターハンター」があります。
坂本
モンハン、面白いですよね。
ラルフ小林
僕も高校生の時すごくハマりました。
モンスターハンターの防具ってモンスターを素材にしているだけあって、ちゃんと理由があるデザイン、機能なんです。
坂本
確かに、水属性モンスターの素材で作る武器は水系だし、防具も水に強い防具だったりしますよね。
ラルフ小林
そういう「意味のあるデザイン」にすごく惹かれます。モンハンは、モンスターを素材にしているだけあって、そのモンスターの特徴を引き継いだデザインになっていたりもしますよね。
坂本
そうですね。プレイする側は可愛さをとるか、機能性をとるかで悩んだりしますが。
ラルフ小林
そういうデザインをコンセプトアーティストとしてやっていきたいなと思っています。防具だけでなく、背景、その作品の世界観まで伝わるようなデザインを考えたいんです。
坂本
ラルフ小林さんは、今回ご依頼した案件の考え方からしても、既にプロの目線だなと思いました。見ている人の「想像の余地」「絵の視点」等、初めて仕事を依頼した人とは思えないくらい論理的に絵を描かれていますね。
こういった考え方はどこで学ばれたのでしょうか?
ラルフ小林
今、富安健一郎さんのオンラインアトリエで、コンセプトアーティストとしての考え方を学んでいます。
富安健一郎氏
ゲーム会社のデザイナー、フリーランスのアーティストなどを経て、2011年に「コンセプトアートのスペシャリスト集団」として株式会社INEIを発足。現在は同社の代表を務めながら、映画やゲーム、CMといったエンターテインメントコンテンツをはじめ、都市計画や大型施設に至るまで、コンセプトアートを手がけている
坂本
オンラインアトリエというものがあるんですね。
ラルフ小林
はい。参加される方は絵を上達させるためだったり、僕のようにコンセプトアーティストを目指す方もいます。そこで冨安さんに「その時の流行や人に合わせたものを描くだけではだめだ」と言われました。
坂本
なるほど、「本質」を理解して描こう、ということですね。
ラルフ小林
はい。元々モンハンの防具や武器のような意味のあるデザインが好きだったのですごく腹落ちしました。またそれ以外に「自分が心から良いと思えるものを描け」という話も自分のやりたい方向性を後押ししてくれたと思っています。
坂本
その言葉も、ラルフ小林さんがキャリアチェンジを決意した後押しになっているんですね。
さて、最後に今後やってみたい仕事はありますか?
ラルフ小林
そうですね、描きたいジャンルがSF・ファンタジーなのでクリーチャー・背景などのイラストを手掛けてみたいです。コンセプトアーティストとしては、ゲームや映像作品に携わりたいと考えています。
坂本
ありがとうございます。GENSEKIでもゲーム案件のイラスト制作は度々ご依頼頂くので、是非GENSEKIに背景イラスト等、投稿してください!GENSEKIのディレクターが拝見して推薦させていただくかもしれません!
ラルフ小林
わかりました。投稿します。
坂本
本日はありがとうございました。
挿絵担当
木口ようかん ( Twitter @yokan_kikuchi )