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【動画あり】デュアルブラッシュペンABTで描く「田森」の鮮やかなアナログ水彩イラスト《GENSEKIイラストメイキング #9》

【こちらの記事は株式会社トンボ鉛筆の提供でお送りします】

動画と記事で解説する『GENSEKI イラストメイキング』。第9回は、魅力的なキャラクターイラストを描く、イラストレーター・田森さんです。

今回は株式会社トンボ鉛筆ご提供のもと、水性グラフィックマーカー「 デュアルブラッシュペンABT」(以下ABT)で、田森さんにさわやかなアナログイラストを描きおろしていただきました!


▼完成イラスト

 

▼メイキングを動画で見る


この記事では、ABTを使ったアナログ水彩イラストの描き方を、田森さんのポイント解説とともにくわしくお届けします。動画とあわせて見ると、より描き方や使い方がわかります。

また、田森さんセレクトABTのモニターサンプリングのお知らせもあります。ぜひ最後までご覧ください!

 

▼プロフィール

田森(Twitter:@tamori_wwwInstagramTikTok
TikTokフォロワー70万人超(2023年10月時点)、少しアンニュイな雰囲気を持ち、⾊気のある⼥の⼦を描くことを得意とする。中毒性の⾼い作⾵がSNSで絶⼤な⼈気を博し、いまの時代の⼥の⼦を描くイラストレーターとして注⽬を集めている。これまでMVイラストやジャケットイラストを制作。『NEW GIRLS ILLUSTRATION』(ソーテック社)掲載。

 

▼使用画材
画材:水性グラフィックマーカー「デュアルブラッシュペンABT」108色セット
鉛筆、消しゴム、線画用の水性顔料ペン、ハイライト用の不透明白ペン、丸筆、面相筆
紙:ヴィフアール水彩紙 パッド 中目

▼ABTについて

ABTは発売から35年以上親しまれている本格グラフィックマーカーです。「筆+細字」のツインタイプが使いやすく、プロアマ問わず多くのクリエイター、イラストレーターに使用されています。

最大の特長はペン先とインク。しなやかに太く細く、自在に描けるブラッシュ(筆)芯と、細やかな部分も正確に表現できる細芯を搭載。そして鮮やかな水性染料インク全108色をバランスよく構成しています。

水性染料インクならではの豊かな発色と表現力、そして手軽に色をブレンドできるのもABTの魅力です。
混色することで、描ける色がどこまでも無限に広がります。

そのほか株式会社トンボ鉛筆の製品ラインナップには、混色のための「ABTカラーレスブレンダー」、ぼかしやにじみのための「水筆」、耐水性があり上からABTを塗ってもにじまないサインペン「筆之助」も揃っています。

 

ラフ

・ラフ作成

 

ラフは2案作成し、レイアウトのバランスで右の案を採用。

 


ラフを描くときは、鉛筆と消しゴムで本番用紙に直接描く。

まず頭部のアタリを取り、目や鼻の立体感を意識しながら顔を描く。描けたらアタリはその都度消しながら、下描きを整理していく。

 

 

次に手の甲のアタリを取り、指の輪郭を描いていく。ヒマワリのアタリを取り、近景から遠景まで順に描き込む。

 

<ポイント解説:絵のインスピレーションと勉強方法について>

現実味のある女の子を描くことが好きで、SNSで可愛い女の子を見かけてインスピレーションを受け、自分の描く女の子にも似たような服を着せたり、メイクをさせたり、髪型を参考にしたりしています。

絵を勉強する、という意識はなく、幼い頃から女の子を描くのが好きで、自然に上達していったと思います。鉛筆を持てるようになってから、絵を描かない期間がほぼない人生でした。

ただ、アニメや映画、漫画などで感銘を受けたシーンを模写して、少しずつ構図や顔のパーツの描き方を学んでいった、ということはあるかもしれません。


線画

・線画のペン入れ


乾くと耐水性になる水性顔料ペンを使用し、下描きの上からペン入れをする。

 


葉とひまわりの形は、下描きをときどき鉛筆で修正しながら描く。
花の中心は細かいタッチでふんわりとさせる。

 

 

線画をひととおり描き終えたら、紙を傷つけないように消しゴムでラフの線を消す。
すべて消し終えた後に全体のバランスを見ながらペンで描き足し、線画が完成。

 

<ポイント解説:線画についてのこだわり、アナログとデジタルの違い>

味を出すために、線画はあえてきれいに描きすぎないようにしています。アナログなら、線に荒さがあったり、何本も線がある方が味が出ると思っています。

一方でデジタルは、ある程度きれいに線画を描かないと、色塗りの段階で違和感が出てきますので、味を損なわないように留意しつつ、きれいに描くことを意識しています。


塗り

・肌の塗り

 

ABTを何色か混ぜて作った肌色を、水彩用の水含みのいい丸筆に含ませ、顔と手の肌全体のベースを塗る。

 


少し乾いたら面相筆に持ち替える。目じりと鼻の影に、肌色を少し濃いめに溶いた色を重ねる。

 

 

赤めの色を水で溶き、唇の色を塗る。塗った色が乾ききる前に、さらに濃い色を塗り重ね、ぼかしながら唇の丸みを表現する。
頬や顎の赤みを淡く塗り、やわらかくぼかす。

 

<補足解説:ABTと水筆を使用した混色>

田森さんが肌や唇などのベースに使用している淡い色は、ABTと水筆で混色して作成しています。
ABTは水性ペンのため、クリアファイルやパレットの上で色同士を混色したり、水で薄めることができます。

水筆は軽く押すと水分が出てくるため、水の入った容器やスポイトを用意する必要もありません。手軽に水分量を調節でき、水彩タッチが楽しめます。

 


目じりや鼻の陰に少し濃い肌色を使い、髪から落ちる影や首、手の影を塗る。薄めた茶色系で、目の中の影と瞳のベースを塗る。

 


ABTのN79番のブラッシュ芯を直接使い、上まつげの隙間を埋めながら塗って目の輪郭を強める。瞳の影、瞳孔の形などをベースより少し濃い茶色で塗る。

 


・髪の塗り

 

茶色系の色を混ぜて丸筆に含ませ、髪のベースに塗る。

 

 

ティッシュで毛先の色を吸い取り、色を薄くして髪に軽さを出す。

 

 

面相筆で髪の影を塗っていく。

 


・ハイライトの描写

 

瞳や唇、下まぶたの一番高くなる部分に、ホワイト用の不透明な白ペンでハイライトを描き入れる。

 


・ヒマワリの塗り

 

黄土色を溶き、ヒマワリの中心部分を塗る。薄い黄色で花びらの部分を塗る。

 


明るめの黄緑で茎や葉の筋を塗ったあと、緑色で葉やがくの部分を塗る。葉の形にあわせてティッシュで色を抜き、立体的にグラデーションをつける。

葉の筋を鉛筆で再度描きおこし、描いた線に沿って、黄色系のABTで直接、筋を塗る。
こうすることで、葉に色の変化や深みを増やすことができる。

 


花の中心からさらに色を重ね、ヒマワリの花全体に立体感を出す。

 

<ポイント解説:ABTを使った色塗りの工夫>

クリアファイルをパレットにしてABTのペンを何色も混ぜ、自然な肌色や頬、唇などいろいろな色を作りました。水で薄めて濃淡の調節もできます。顔の色に関しては、株式会社トンボ鉛筆さんの「ABT 6色イラストセット」のページに掲載されている、夏目レモンさんの動画も参考にしています。

ABTのペンを使って薄めずに塗る場合は、濃い印象が出せますので、文字のデザインやデザインアートの分野に向いていると思います。


<補足解説:ABTの活用方法>

ABTの描き方や技法については、株式会社トンボ鉛筆公式サイトのABT紹介ページで知ることができます。
株式会社トンボ鉛筆の製品を使った作品実例がたくさん紹介されている特設アートサイト『FUN ART STUDIO』もあります。どちらも創作に関する楽しい情報が盛りだくさんのページですので、ぜひあわせてご覧下さい!


仕上げ

・仕上げ

 

薄く溶いたグレーで服の影を塗る。線画用のペンや白ペンで、髪やハイライトをさらに描き込む。

 

 

緑色を作って丸筆に濃いめにふくませ、葉や葉の筋の影をさらに描き込む。

 

 

グレー系のABTで直接、ヒマワリの花びらの影を塗る。発色のよい黄色系の色を筆に濃いめに含ませて、さらに花びらに重ねて塗り、ヒマワリの色をより濃く鮮やかにする。

 

 

花びらの1回目の影に使ったグレー系のABTを直接使い、服の襟の影を濃く塗り、面相筆でぼかす。

 


ABTのN89番のブラッシュ芯で直接塗り、髪にくっきりとした影や筋のニュアンスを描き込む。

 

 

茶色系の色を作り、濃いめに筆にふくませ、先ほど塗ったN89番の影をぼかしつつ、髪の影に重ねて色味を足す。

完成したらスキャンして、データ上で色調整し、完成。

 

<ポイント解説:完成のタイミング、お仕事のやりとりで気を付けていること>

全体のバランスを見て、違和感がないかを必ずチェックしてから、完成としています。

お仕事のやりとりの上では、クライアント側にイラストのイメージが伝わりやすいよう、ラフをていねいに描くよう気をつけています。


完成

 

<おわりに:描いて改めて気づく、アナログ作品のよさ>

私はもともとはアナログでイラストを描いていましたが、現在はデジタルでCLIP STUDIO PAINTとProcreateを使って制作しています。ABTを使って水彩画に挑戦したのはほぼ初めてで、至らぬ点もあったかと思いますが、見ていただき、ありがとうございました。

修正のきかないアナログの難しさを改めて感じ、またアナログ作品を描く方の凄さ、アナログ作品の尊さにも気づくことができました。デジタルでイラストを描く方が増えたこの時代に、あえてアナログでイラストを描いてみるのも良いかもしれません。

今後アナログ作品を見るとき、「この世界で一つしかない作品」に、どれだけの時間や思いが込められて生まれた作品なのか、考えるようにしたいなと思います。

 

 

▼ここでおしらせです!▼

GENSEKIでは定期的に、株式会社トンボ鉛筆さんとのABTイラストコンテストを開催しています。

 

田森さんおすすめセレクトのABT10色+水筆+筆之助のセットを、モニターサンプリングとして抽選でプレゼントします!

コンテストに作品をご応募いただくことが、プレゼント抽選の申し込み条件になります。コンテストページの規約をお読みいただき、以下よりご応募ください!

 

>>モニターサンプリング応募フォーム<<

田森さんのABTおすすめの10色:026、055、346、835、847、856、905、910、N49、N89

 

ABTは発色がよく、鮮やかな水彩イラストを描くことができ、全108色も揃っています。テーマ別にさまざまなセットも販売されています。

メイキングを見てABTを使ってイラストを描きたくなった方は、ぜひこの機会に素敵な作品をご応募ください!

 


田森(Twitter:@tamori_wwwInstagramTikTok
TikTokフォロワー70万人超(2023年10月時点)、少しアンニュイな雰囲気を持ち、⾊気のある⼥の⼦を描くことを得意とする。中毒性の⾼い作⾵がSNSで絶⼤な⼈気を博し、いまの時代の⼥の⼦を描くイラストレーターとして注⽬を集めている。これまでMVイラストやジャケットイラストを制作。『NEW GIRLS ILLUSTRATION』(ソーテック社)掲載。

 

▼インタビュー記事

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「かわいい女の子を描きたい!」好きを詰め込んだ魅力的な女の子を描く ー イラストレーター・田森


▼協賛

株式会社トンボ鉛筆

株式会社トンボ鉛筆は鉛筆やモノ消しゴムをはじめとした「書く」「消す」「貼る」文房具を製造、販売しています。製品を通じて常識や習慣を革新することで、お客さまに心躍る発見や喜びをお届けします。

▼過去のABTコンテスト

https://img.genseki.me/compes/compe_1680666294_a20SeV7z4N.jpg
https://img.genseki.me/compes/compe_1688605878_tNFipHAMNF.jpg

 

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執筆

kao(Twitter:@kaosketchWeb

技術監修

中村紘子

編集

斎藤充博(Twitter:@3216