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「モチベが上がらない…😥」 ”苦手” を ”楽しい”にするためのコツとは【かのと先生のイラスト教室】

 

この連載では、イラスト作成に関するお悩みを、田中くんがかのと先生と一緒に学んでいきます。今回のテーマは「苦手な課題への取り組み方」です。

登場人物

イラストレーターになりたい学生。夢はゲーム会社に就職すること。

この連載の先生。イラスト・ゲーム・キャラクターデザインなど様々なデザイン、ディレクション等、多岐にわたって活動するマルチクリエイター。

 

この記事を読むと学べること
  • 苦手な課題への取り組み方

 

苦手なことを目の前にすると「やりたくない理由」を考えがちだよね

専門学校で苦手な課題が出てしまった田中君。取り組もうにも、なかなかやる気が出ません。そこに、かのと先生がやってきました。

俺が将来やりたい仕事と違う課題をやることになんの意味があるんだろ…時間の無駄だよなぁ〜。はぁー。

どうしたの?田中くん

あ、かのと先生……! 今やってる課題があまり気分が乗らないというか……やる気が出なくて。

なるほど。

僕が将来やりたいのは、かっこいいアクション系の作画です。
でも、今回の課題はパズル系モバイルゲームのデザインなんです。

パズルと言えば、「ツムツム」とか「ぷよぷよ」とかかわいい系が多いですよね?  それだとちょっとやる気が出ないな~。

かわいい系だとなんでやる気がでないのかな?

かわいいのはあんまり得意じゃないんですよね……。
得意でもないし、将来やる予定のない課題、取り組む意味あります?

ふむ。言いたいことはわかったわ。でも話を聞く限り、別にかわいいものを描く必要はないわよね? かっこいいパズルでも良くない?

え?

ファンタジーなパズルや、SF系パズルなどもできるわよ。どっちもかっこよくできるわよね?

かっこいいパズル……? 考えてもみなかったです。

たとえばスマホゲームの「パズドラ」は、ドラゴンとパズルっていう組み合わせだよね。
そう考えると、田中くんの言う「かっこいいアクション」と「パズル」を組み合わせてもおもしろいんじゃないかしら?

確かに……。

作品作りの時、イヤイヤ作ってると、相手にも伝わってくるわよ。苦手な作業でも、「好きなところ」や「楽しいところ」に繋げていく癖をつけるといいわね。

好きなところや楽しいところ……。

今回は学校の課題だから、ターゲットユーザーやキャラクターの指定などはないんでしょう? それなら、かなり自由度が高いから、好き放題できて楽しそうだけどな〜?

たとえば、格ゲーみたいなアクションゲームにすることもできるわよね。
ここにパズルを組み合わせるなら……「パズルでコンボが決まると必殺技を出せる」とかどうかな?

な、なるほど……。

こんなふうに、どうしたら自分の「好き」と「課題内容」を組み合わせられるか、まずはいろいろな角度から見てみましょう!

うーん。最初から否定していたの、よくなかったですね。苦手意識があって、ちゃんと考えていなかった……。これじゃ、いいものはできないですよね。

 

アイデア出しの時は、まずは決まっていることを書き出しましょう!

サイズや媒体、テーマなどをどんどん箇条書きにしていくの。
自分の中でボツかな……」と思うものも、書いていって!

その横に自分が描きたい要素やテーマなどを書きましょう。「かっこいい」とか「ブルーとグレーの配色をやりたい」とかね。

そうしたら、この2つをを繋げられるようなアイディアを書いていきましょう!


↓↓

 

こんな感じよ!

自分の好きな要素を組み合わせてみたら、なんだか楽しくなりそうな気がしてきました!

 

あとは一口にパズルゲームと言っても、いろんなゲームがあるから調べてみても良いわね!数字を使ったものや、色、形によるパズルなど、いろいろあるわよ。
今回は課題だったけど、お仕事になってくると、好きな事ばかりじゃなくなっちゃうわよね。そんな時も見方を変えて楽しむマインドに変えていきましょう!

かのと先生にも苦手な事を克服した経験があるんですか?

たくさんあるわよ!
私はデザインが苦手だったの。でも、まずは自分が素敵だと思うものを分析したり、真似てみる所から練習してみたわ。
そうしたら、自分の得意なデザインの方向性を見つけることができたの。今ではイラストだけでなく、デザインのお仕事も受けれるようになったのよ!

苦手だったものがお仕事にできるレベルになるなんて…。すごい!

さっきの課題もそうだけど、苦手なものを克服するときは、少しでも自分が興味あるものに繋げて考えていくといいわね。
もし背景が苦手だったら、好きなキャラクターの部屋という設定で描いてみるとか。

ちょっと楽しくできそう……。

それから、最初から大作を描こうとすると、描ききれなくなるから、物が少ない壁だけとか、かんたんな所から始めるといいわね!

身に覚えが……。確かに難しい絵を描こうとしすぎて途中で嫌になって諦めてしまったことが何度かあります。

まずはできそうなものから始めてみて、それから広げていくの。段々と良さがわかってきたり、単純に慣れてくるわよ。
慣れた頃には、苦手だったものが好きになったり、楽しさがわかったりするものよ。

そんなものですか…?

そんなものよ。それに、好き嫌いの話は絵だけじゃないわ。
私はトマトが食べれなかったの。でも好き嫌いを減らしたかったから、まずは、トマトを小さく切ってロコモコ丼と一緒に食べるところから始めたの。味の濃いデミグラスソースがトマトの味をカバーしてくれて、これならなんとか食べられたのね。
次のステップとして、サラダとかスープとか小さくカットしたトマトを少しずつ食べるようにしたわ。
だんだん慣れてきたら、量を増やしていって、今ではトマトをそのまま食べれるようになったの! ちゃんとおいしく感じるわよ。

嫌いなものを克服できるなんてすごいですね!

まあ、どうしても苦手なものもあるだろうから、そういう場合は離れても良いと思うわ。でも、先入観や、よく知らずに毛嫌いしたりするのは自分の可能性を潰すことになるからオススメしないわね。

自分の可能性………!

そうよ。今、田中くんが自分に合ってるって思ってることは、自分が知ってる範囲内でしかないのよ。世界はもっと広いし、田中くん自身がまだ知らない可能性をたくさん秘めてると思うわ!
普段やらないことをしてみたら「新しい自分の才能や、未知の可能性や、幅広い知識を得ることができるかもしれない!」って思うとワクワクしない?
実際に教え子で、入学当初はキャラクターデザイン志望で入ったけど、いろいろな授業を受けてるうちに、UIデザイナーになったり、3Dデザイナーになったり、人物より背景が得意になって背景の会社に入った子もいるわよ!

いろんな課題をこなしてるうちに自分の可能性が広がってきたってことですね。

そう! 自分の可能性は1つじゃないんだから、いろんな可能性を広げて自分の武器をたくさん持てると良いと思うわよ!
そういう武器をたくさん持ってるとプロになった時、多少苦手なお仕事がきてもクリアすることができたり、さらに良い作品に広げる力へ繋がったりするはずよ!

そっか。僕は、自分の可能性を広げるきっかけを捨てるところだったんだ。

私だって「なぜこの仕事を私が……?」と思ってしまうようなものもあるわ。でも、なるべく楽しさを見つけたり、おもしろがるようにして、素直に取り組んでいたの。
そうしたら、フリーになった時、今までやってきたことが全て活きてきたのよ! 人生は長いし、業界も日々変わっていくからね。どこで何が活きてくるかわからないものだなぁ〜と思ったわ。

人生に無駄なことはないってことですね。

そうね。やってるうちに苦手が得意になったりすることもあるから。
まずは、なんでも楽しみを見つけて取り組んでみましょう!
ファイトー!

 

苦手な課題へのモチベーション作り

これが終わったら」、「ここまで頑張ったら」、何かご褒美を用意しましょう。

美味しい食べ物でも、ずっと読みたかった本でも。それを楽しみに乗り切りましょう!
例えば「10時に好きな番組始まるからそれまでに終わらせよう!」など

がんばった先に小さなご褒美を用意することで、自分をコントロールできるようになりますよ。

 

作者・編集・協力

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華乃都(かのと)(twitter @rubanribbon

ゲーム会社、IT 系会社で、イラストレーター&デザイナーとして勤務したのちに独立。
現在はフリーランスのイラストレーター&デザイナーとして活動中。
専門学校でも現役で講師をしている。
イラスト(ファッション画、水墨画、ゲーム系etc…)
デザイン(グラフィック、パッケージ、UIX、グッズ、etc…)
The Kitten Louis イラストレーター/ エグゼクティブプロデューサー
クリエイティブディレクター、プロデューサーなど多岐にわたる

 

編集

斎藤充博

企業オウンドメディアを中心に企画・制作・編集を行う。