登場人物
岡山県出身の漫画家。
ブラック企業在籍中、有り金全部溶かしたことをきっかけに10数年ぶりに漫画を描き始める。その流れで専門学校のイラスト科講師となり、それから漫画家となった。
エッセイ漫画を描いていたが、今は一次創作の成人向け同人誌を描いている。
<ももたろ さんのあらすじ>
2022年の夏頃に、ぬこー様ちゃんに相談のDMを送っていたももたろさん。
母と自分の関係性をエッセイ漫画に描きたいんです。pixivでもいくつかあげています!
内容を読んだけど、いきなり親子の関係性がわからない状態で話が進んでしまっているのでまずは親子関係を掘り下げよう!!
ぬこー様ちゃんのアドバイスの元、エッセイ漫画を描き進めようとするももたろさんだったが…!?
エッセイ漫画で過去を掘り下げることが辛くなってしまった
あれから進捗はあったかな?
ないです。
エッセイ漫画は、あれからも母への恨みつらみを中心に描いていました。ただ、そんな矢先に母が認知症のようになってしまい、エッセイ漫画が描けなくなってしまいました。
お母様の病状が大変になって、掘り下げることが辛くなってしまったんだね。
はい……。母のことはこれ以上描けなくなってしまったので、私が自衛隊にいたときの話を描こうかと思っているのですが……。
自衛隊……!? それは濃い話がありそうだね。
ただ、いろいろ考えてはみたのですが、内容をとがらせることができなくて、結局描けずにいます。
売れるために描くのではなく、その時の自分が一番「やりたい!」と思ったものを描いている
ももたろさんは、一次創作の成人向け同人を積極的に描いているように見えるけど、現在はこれがメインなのかな?
はい。自分を掘り下げるエッセイは、私自身のメンタルに左右されると今回の件でわかりました。成人向け同人誌は単発なので、メンタルの影響も受けず、向いていると思います。
成人向け同人の中でも、いろいろなジャンルを描いているよね。中にはすごくとがっている作品もあるし、結構読まれていそうだね。
一番多く読まれたもので2,000ダウンロードくらいですね。この作品はすごくニッチなジャンルなのですが、ジャンル自体が一時期ものすごく盛り上がっていたんです。その時に描きました。
盛り上がっている時期を外さずに描けるのはすごいと思うよ。ももたろさんは「おもしろそう!」と思ったら瞬発力で描けるタイプなんだね。
そうですね。売れるために狙っているというよりは、その時の自分が一番「やりたい!」と思ったものを描いています。
勢いがあるジャンルに乗れるのであれば、それが一番いいと思うな。ももたろさんは、自分がピンときた「やりたい!」という気持ちを大事にしよう。
ちなみに、ももたろさんは1作品描くのにどれくらいの時間をかけている?
30ページのネームを1か月で描きます。なので、1日1ページくらいでしょうか。
すごく時間をかけているわけではないんだね。
そうですね。あまり時間をかけると私が飽きてしまうので……。
これだけのスピードで制作ができるのなら、金額的にはけっこう稼ぐこともできるんじゃないのかな? ホームランじゃなくてもヒットを1~2本打てば、年収1,000万円は目指せそうだよね。
たしかに目指せそうですし、がんばりたいと思っています。ただ、ちょっと問題がありまして……。私は読者に買ってもらえるものというより、自分の好きなことで突っ走ってしまいたくなるんです。
実際に、生活できるくらいの金額を稼いでしまったら、あとは好き放題な内容で描いてしまうことも多いです。
なるほど。大きな売上を目指す以上は、読者のニーズも大事だからね……。ももたろさんの「好き」が読者の「好き」と同じだったら、すごく良い相乗効果を生むけど……そうじゃないと難しいかもしれないね。
はい……。実は先日描いた女性向けの漫画が思ったより読まれず……。内容としては……。
自主規制
これは、女性よりも男性に好まれそうな内容かもしれないね! ももたろさんの課題は「自分の好きと読者の好きがズレていること」だね。実は、これを簡単に判別する方法があるんです。
”自分の好き”と”読者の好き”の差を知る方法
キャラクターがどんと中心にあり、背景やシチュエーションを説明するテキストを記載した1枚イラストを用意して、Twitterに載せるんだ。そのイラスト反応を見ると、自分の好きと読者の好きのズレがわかるよ!
なるほど、自分が良いと思うものを出していくんですね。これはいい訓練になりそう。
また、ももたろさんの作品は、いきなり始まってしまう印象なので、客観的な視点を取り入れた短編を描いてみるのも良いかも。更新頻度は週2回くらいで良いので挑戦してみよう!
あとは、そのジャンルで人気の作家さんたちがいま何をSNSで投稿しているかも追っていこう。
こうして、好きポイントの調査も兼ねて定期的に投稿していくうちに、Twitterのフォロワーも増やせたら一石二鳥だよね!ちなみに2022年は同人誌を何作品作った?
4作品です。
じゃあ、2023年の目標も4作品作ることにしよう!4打席立って、1本でもホームランが打てたら、年収1000万円だって目指せるはず!自分の「好き」と読者の「好き」のズレがわかれば、打率もどんどん上がっていくはずだよ!
ありがとうございます。挑戦してみようと思います!
自分も誰かを応援し、励ましあえる仲間になろう
今までの連載を読んでいて「応援してくれる仕組みを活用しよう」というお話があったかと思います。どうやって応援してくれる人を増やしたら良いでしょうか? 私は、淡々と同じことをやると途中で心が折れてしまいそうで……。
一方的に応援されることを前提とせず、自分も誰かを応援することが大事だよ。
そうするとお互いに励ましあえる仲間になれるんだ。
例えば僕はTwitterのDMに、できるだけ返信をするようにしている。そこで励ましたりアドバイスした人が、今度は僕が落ち込んでいる時にリプライで応援してくれたりするんだよ。
この「がんばってね」の一言が僕の大きな励みになっているんだ。
友達を増やすというイメージでしょうか?
そうだね! そうするとSNSはぐっと過ごしやすい場所になると思うよ。
わかりました!ありがとうございます。
ももたろさんへのアドバイスまとめ
- 自分がピンときた「やりたい」気持ちを大切にする
- Twitterで自分の考えたキャラと設定を1枚絵にして世間のニーズを知る
- 自分が描きたいジャンルの人気作家の傾向を研究する
- 2023年は同人誌を4作品描く
- 誰かを応援して励ましあえる仲間を作る
執筆者と被験者
漫画
ぬこー様ちゃん (twitter @nukosama)
岡山県出身の漫画家。
ブラック企業在籍中、有り金全部溶かしたことをきっかけに10数年ぶりに漫画を描き始める。
その流れで専門学校のイラスト科講師となり、それから漫画家となった。
代表作は「専門学校JK」「人見知り専門家庭教師坂もっちゃん」「ぬこー様ちゃん絵日記集」など。
かわいいぬこー様ちゃん先生グッズがもらえるクラウドファンディングも実施中!
被験者
ももたろ
エッセイ漫画を描いていたが、今は一次創作の成人向け同人誌を描いている。
インタビュー記事
執筆
坂本彬
GENSEKIマガジンの編集 / ライティング・マーケティングを担当。
編集
斎藤充博
企業オウンドメディアを中心に企画・制作・編集を行う。