東洋美術学校卒、イラストレーター・モナカ氏。
存在感のある「太めの線」と「ポップな色使い」で人物や動植物・背景を個性豊かに描き、その創造性豊かなイラストは見る者を “多彩な世界” へと導いてくれる。
今回のインタビューでは、さまざまなコンテストを通じて感じてきた想いや仕事への可能性など、イラストを描いている者にとって非常に興味深い話を伺うことができた。
自分の “描きたいもの” が見えた作品との出会い
ーー12月のイラストコンテスト、優秀賞おめでとうございます。おもしろい作品ですよね!
モナカ:ありがとうございます(笑)楽しんでいただけて良かったです。
ーー今回のコンテストの為に描きおろしていただいたものなんですか?
モナカ:クリスマスが近かったのもあり、サンタクロースをテーマに絵を描きたいなと思っていたタイミングだったんです。ちょうどGENSEKIさんで同じテーマを募集されていたので、それに向けて作品を描かせていただきました。
ーー受賞後もコンテストに応募いただいて嬉しいです。
モナカ:とんでもないです!こちらこそでございます!
ーーGENSEKIコンテストで優勝した作品の他にも、ご自身が思う代表作品はありますか?
モナカ:「東京スカイツリーアート」という、10年ぐらい前から毎年開催されてるコンテストに2019年に応募した時の作品ですね。
応募総数が確か450点ぐらいあって、その中の入賞作6作品の一つに選んで頂いた非常に思い出深い作品です。最優秀賞と優秀賞と TSA 賞というものがあって、TSA 賞に入選しました。
入選した6作品は実際にグッズ展開されて、スカイツリーのオフィシャルショップ、いわゆるお土産屋さんで公式グッズとして販売して頂いたんです。
自分でも未だに信じられませんが、当時こんなに大きな賞をいただいたのも初めてでしたし…描きたいものの方向性が決まった作品ではあったので、代表作と言うとこれかなということで選ばせていただきました。
ーー公式グッズになって販売もされたというのは凄いですね!
モナカ:一次審査を通過した50作品がポストカードになって、「ポストカードの売上」と「審査員の投票制」で入選の6作品が選ばれるという形式でした。
そこで選ばれた6作品はクリアファイルだったりお菓子だったりタンブラーだったりグッズになって店頭に並んで、沢山の方に手にとってもらったのですごく思い出深いです。
ーーモナカ様の絵は「消費者の心を掴む」ってことですよね。きっと。
モナカ:どうなんでしょうか(笑)自分ではなかなか客観的には見れない部分ではあります。こういったコンテストでの評価や、作品を見て下さった方の感想から「自分の絵の個性や強み」を気づかせて頂くことが多いです。最優勝賞は取れなかったのですが、何より作品をグッズという形にして頂いたこと、スカイツリーに来た沢山の人にお土産として手に取って頂けたことがとても嬉しかったです。
GENSEKIさんで開催されているコンテストも、実際にグッズになってスタッフの人が T シャツを着られたりしていますよね。
そういったコンテストがあるのは、挑戦する側としてはすごく有難いことです。
3年前の作品ですし、今見ると「ここ描き直したいな」と思う部分もありますが、これが代表作だと言える作品になったのはコンテストで賞を頂いたという部分が大きいです。
変わらない「絵を描いていきたい」という気持ち
ーーイラストレーター歴は何年くらいになりますか?
モナカ:絵自体は物心ついたときからずっと描いてきたのですが、仕事にしてみたいなと思って高校を卒業して美術系の専門学校に行くようになり、そこから数えて10年ほどになります。
ーー専門学校を卒業されてフリーランスになられたんですか?
モナカ:現在は専業ではなく掛け持ちという形で活動しています。
絵を描くことが生活の一部になっているので、これからも自分のペースで作品作りを続けていけたらなと思っています。
ーースカイツリーのイラストはどのくらいの制作時間がかかりましたか?
モナカ:アイディア出しから完成まで1ヶ月か2ヶ月くらいかかったかもしれません。
構図や色の配置やテーマなど、苦戦していた記憶があります。当時はフォトショップとイラストレーターを併用していたのもあり、今より時間が掛かっていました。
2年前ぐらいからクリスタに移行して使い方を勉強中ですが、クリスタに変えてからはフォトショ・イラレを使ってた頃より制作スピードが断然速くなりましたね。
作品の内容にもよりますが、今は完成までだいたい3日~2週間ほどです。
ーー尊敬する人やイラストを描く際に参考にしている人はいますか?
モナカ:子供の頃のアニメだったり漫画の影響力ってすごいなと思っていて。その時に好きだったセーラームーンとか、漫画だったら当時読んでいた高橋留美子先生の作品とか、こういう女の子を描きたいとか男の子を描きたいとかは無意識に影響を受けてるかなと思います。
その当時好きだったものに影響されつつ自分らしさを追求していった結果、今に至るという感じです。
ーーイラストレーターは絵を描く時に割と孤独だったりすると思うのですが、辛い時とか行き詰まる瞬間とかはありますか?
モナカ: 基本的には一人が好きな人間なので(笑)あんまり孤独を感じたりはないですね。むしろ、喋りながら絵を描くとか誰かに見られながら絵を描くというのが全くできません。一人で集中して描くのが一番性に合ってる感じではあります。
思うように描けなかったり、色が決まらなかったりで悩むことは多々あります。何時間も同じ絵を見ていると何が良くてどこがダメなのか…正常に判断出来なくなってしまうので、そんなときは日を改めて取り組んだり一旦描く作業から離れたりしてリセットします。
ーー気分転換になる趣味はありますか?
モナカ:漫画を読んだりアニメを観たり… 雑貨屋さんを巡ってみたり。そういったことが気分転換になる趣味かなと思っています。
ーー普段イラストのお仕事を受ける時は依頼がクライアントからくる、もしくは自分で取りにいったりしますか?
モナカ:本来は自分から営業とかかけるべきだと思うんですけど、なかなか自信が持てないところもありまして。今までの仕事はネットを通じて向こうから声をかけていただいてというのが主です。
ーークライアントからはどういう形でお声がかかるんですか?
モナカ:お仕事用のメールアドレスを公開しているので、そちらに直接きてました。
おそらく Twitter だったり SNS や登録してるサイト・ホームページから見て声をかけていただいたのかなと思っています。
GENSEKIさんのようなサイトは自分からどう営業をかけていいかわからない私みたいな人間にとっては凄くありがたい場所になっています。
イラストを通して新たな分野へ挑戦していきたい
ーー今まで受けてきたお仕事にはどういうものありますか?
モナカ:TRPG(ティーアールピージー)というテーブルゲームをプレイした様子をイラストや編集を加え、動画にしてネットに公開する「TRPG動画」というジャンルがありまして、そちらの動画用のイラストをちょこちょこ描かせて頂いております。
私がお手伝いさせて頂いているのはグループで活動されている方たちで、それぞれ元々のキャラクターデザインがありそのキャラデザをお借りした上で、設定に合わせてアレンジしたり新たにキャラクターを加えたり。
デザインを借りつつ描く…いわゆる版権のお仕事に近いと思います。
ーー動画とかに描いたイラストが差し込まれるわけですね。
モナカ:そうです!動画のスチル絵と立ち絵とキャラデザという感じで、その動画シリーズまるまる一本描かせていただく形になります。
自分が想像していなかった方向からのお声掛けだったので、完成品が上がったときの反響も含めてとても印象に残っています。このお仕事を通して「版権のお仕事」ももっとやってみたいなと思うようになりましたし、視野が広がるきっかけにもなったのでとても感謝しております。
ーー今後やってみたいお仕事はありますか?
モナカ:音楽とのコラボレーションはどんな形であれやってみたいと思っています。
架け橋になってくれるコンテストだったりGENSEKIさんのようなプラットホームがあるのは本当に励みになります。 もちろん、音楽関連だけでなく色んなことに挑戦していけたらなと思っています。
ーー今後の意気込みや発信したいことを教えてください。
モナカ:先ほどお話をした音楽とのコラボ以外だと、本の装画や挿絵などのお仕事もいつかやってみたいなと思っています。
本屋さんに「自分がイラストを描いた本」が並ぶのは夢ですね!その為にも、まずは目の前のことを一つ一つ頑張りたいです。
モナカ
太めの線とポップな色使いで、人物や背景・動植物を描くのが好きです。