GENSEKIマガジン

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1本1本の線に込められた想いとはーイラストレーター・村田りょう

多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース卒業後、株式会社レベルファイブにて主にUIデザイナーとして3年勤務。

現在フリーランスのイラストレーター/デザイナーとして活動を行う村田りょう氏。

2021年11月末頃には初の個展を開催し、迷いのない線に目を引くカラーリングは多くの人を魅了している。

今回GENSEKIのペットボトルイラストのお話から仕事に対する姿勢まで、村田りょう氏の考えについて詳しく伺った。

こだわりの線で描かれる渾身の作品

『ペットボトルイラスト:(完成品)』

『ペットボトルイラスト:(完成品)』


ーーGENSEKIのペットボトルイラストを担当していただいて、完成品を見てどうでしょうか?

村田りょう:僕の中でペットボトルって透明が可愛いな、っていうのがあったので最終的に透明になったのがすごく良かったなと思いました。今まで平面にしか印刷しないものが多かったので、今回このイラストを描くにあたってこれってペットボトルになった時どうなるんだろう?みたいな不安がかなりあったんですけど、イラストが映えているのを見ると嬉しいですね。

ーーやっぱり惹きつけられますよね、バシッと女の子描いていただいてありがとうございます。ラフ案を何通りも作っていただいて、こんなにもいただけるんだって感動しました!

村田りょう:「ものづくりをする女性」にフォーカスしたイラストを描くってなった時は、結構悩みました。考えてる姿だったり描いてる姿だったり色々思い浮かんだんですけど、やっぱり「考えてるところ」がかっこいいなって。多分、出力している時より考えているときの方がものづくりしているんじゃないのかなっていうのでラフを制作しました。
 

『ペットボトル、ラフ案』

『ペットボトル、ラフ案』

ーーラフ案を5つ作るのにどのくらいかかりましたか?

村田りょう:一番最初に描いたラフに1時間くらいかかりました。集中し始めると、割と早く描けるので5.6時間で完成しました。
1〜4に関しては自分でポーズをとって描いていて、その写真を見ながら女の子にしてって感じだったので、あまり時間はかかりませんでした。ラフは最終的なゴールの認識をすり合わせたくて、たくさん描きました。

ーーこれをいただいた時に、全部良すぎて選べない!ってなりました、ほんとに。

村田りょう:ちょっと多かったですね(笑)僕も描き進めていくとこれもいいかもって悩んじゃう節があるので…ほんとは9個くらいあったんですよ。これもいいな、あれもいいなって描いてたら9個くらいになっちゃって「これは多いな」と思って、5個に絞って背景を2パターン作ったという感じなんです。

ーーラフから本制作まではどのくらいかかったんですか?

村田りょう:結構かかってます。僕自身イラストの塗りっていうところのテイストが自分の中でまだ確立してない節があって、かなりモミモミしながら作っていました。コアタイムは別の仕事をしていて、それが終わってから毎日4時間くらい描いていたので実際どのくらいかかったか覚えてないです。僕は自分を参考に描くんで、手とか多分男っぽいんですよ(笑)
でもこの無骨な感じが今回バシって決まってるなと思って気に入ってますね。

ーー線がはっきりしているのがいいですね!

村田りょう:かなりこだわって線を引いています。正面から見て、左側の鼻のラインとかかなり上手に取れてるなって自負しています。
 

『ペットボトルイラスト 完成版』

『ペットボトルイラスト 完成版』

 

ーーこうやって物になる案件って嬉しいですね。

村田りょう:嬉しいですね。こうやって物になると全然違いますね。一番最初にものになったのは去年のWEGOさんのTシャツだったんですけど、やっぱり実物もらった時はすごい嬉しかったですし、今でもあんまり着ないでとっておいてます。
服とかトートバックとかペットボトルとか、完成した物を見るとテンション上がりますね。特にペットボトルなんて自分では作らないですからね。多分この機会をいただけなかったら僕は自分の絵がペットボトルになってる姿を見ることは一生なかったと思います。

ーーこれはGENSEKIのイラストコンテストの入賞者にも配ろうかなと思ってます。

村田りょう:ありがとうございます、嬉しいです。

イラストで完結するような作品を作っていきたい

ーーGENSEKIの方から登録のお誘いをさせていただいた時、どう思われましたか?

村田りょう:最初は驚きました(笑)でも、GENSEKIさんからこうやって最初にお声がけ頂かなかったら、登録もせず、ペットボトルになることもなかったなと思います。トップページにも載せていただいたりもして、ありがたいと思ってます。

ーー今後、仕事したい案件やジャンルはありますか?

村田りょう:ジャケットとか、あとはキャンペーンイラストとかですかね。LINEスタンプとかも面白そうだなって思っています。アニメーションよりもイラストで完結するものを作っていきたいですね。

ーー今後、イラストレーターとして活動されていく中で意気込みやコメントをお願いします。

村田りょう:より多くの人を楽しませられるように、日々精進していきたいと思います!ありがとうございました!

 

 

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試行錯誤して練り上げたラフ画の数々、1本1本の線へのこだわり。

ペットボトルイラストの制作過程を伺っていくなかで、村田氏の妥協のない制作への熱意と、描いたイラストが『物になった時の喜び』が伝わってくるインタビューとなった。

イラストレーターとして、より多くの人を楽しませたいという村田氏の今後の活躍からも目が離せない。


村田りょう/Ryo Murata(@ryooo_m5
1995年生。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース卒業。
株式会社レベルファイブにて主にUIデザイナーとして3年勤務。
現在フリーランスとして、イラストレーター/デザイナーとして活動を行う。

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