GENSEKIでは俳優の井上正大さんが演じるシチュエーションボイスドラマのジャケットイラストコンテストを開催いたしました。
ジャケットイラストのテーマは「井上正大×バーのマスター」です。
【あらすじ】
とある街の、とあるバー。
クールだけど聞き上手なマスターが、今夜もシェイカーを振っている。
店を訪れた客たちの悩みを聞いたマスターは、斜め上のアドバイスとぴったりなカクテルを差し出してくれるのだ。
一杯のグラスに込められたカクテル言葉に励まされ、客たちは明日の活力を胸に店を出ていく。
さて、今夜、店を訪れるのは……?
このコンテストに応募いただいた作品数はなんと72。 この記事では井上正大さんをお招きして、大賞から優秀賞までの講評の模様をお伝えいたします!
審査員
井上正大(Twitter)
ミュージカル『ミュージカル・テニスの王子様』にて、俳優デビュー。
平成仮面ライダー10作記念作品『仮面ライダーディケイド』にて門矢士 / 仮面ライダーディケイド役で連続テレビドラマ初出演・初主演を飾り、その後も『牙狼〈GARO〉-GOLD STORM- 翔』など出演を重ね、『神ノ牙-JINGA-』では主演を勤めながら監督としてもデビュー。
舞台も出演だけでなく演出も手掛け、自社で開発したフュージョニカルスクリーンを使って映像と演劇を融合させる演出を得意とする。
近年はアニメ制作会社「AICライツ」で代表取締役に。
自社でNFT×連続特撮ドラマ『華衛士F8ABA6ジサリス』を主演、プロデュースをする。
自身のYouTubeチャンネルGGEチャンネルで公開予定。
またbilibiliでは登録者100万人を達成、日本だけでなく海外に向けた活動にも力を入れている。
現在も変わらず俳優として活動している。
インタビューした人
坂本彬
GENSEKIマガジンの編集 / ライティング・マーケティングを担当。
片手で数える程度だがバーに行ったことがある。
【大賞】セリフが何個も想像できてしまうくらい絵自体が語っている
坂本
それでは、大賞の作品を教えてください。
井上
はい。大賞は狩屋カルコさんの「あなたのための一杯を」です。
坂本
狩屋カルコさん、おめでとうございます!!! こちらの作品を大賞に選んだポイントはどこですか?
井上
まずこの絵自体が語っているんですよね。見ているとセリフがいくつも想像できてしまいました。世界観を成立させながら構成も含めたバランスが非常に良いと思いました。
そして、色温度も心地よいと思いました。画面の右側が暖かくて左側が冷たいということが照明で表現されていますよね。
坂本
たしかに右側はふんわりと明るいですね。
井上
照明の位置も絶妙だと思いました。あと、このイラストの僕は目が特徴的ですよね。思わずずっと見てしまうような、吸い込まれるような目の色をしています。目の色が黒じゃないというところもイラストならではです。
もしかしたら本当は目が黒だけど、照明でオレンジに見えているのかな、と想像するとすごくリアルですよね。素敵だと思いました。
手や指の感じもバーテンダーのいいところが詰め込まれていますよね。本当に画力が高くて目を引きました。ピントの具合もちょうど良いと思います。
坂本
ありがとうございます。ちなみに大賞はすんなり決まりましたか?
井上
すんなりではなかったですね。
どの作品も素晴らしかったので非常に迷いました。
この度は、数多くの素晴らしい作品の中から、大賞にご選出いただき心から感謝申し上げます。本当にありがとうございます!
ボイス作品としては女性層をターゲットにしていそうなため、作品タイトルには「貴女」を使って少しエレガントな印象を出そうかと思っていました。しかし、ラフを練っていくうちに、老若男女問わず訪れることができる温かみのあるバーにしたいと思い、平仮名の「あなた」を使用することにしました。
全体的な色味のバランスや、瞳、手元などは今回制作する作品のなかではとくにポイントとなる部分だと判断し、より慎重かつ丁寧に制作した部分なので、講評で触れていただけてとてもうれしく思います!
温かい印象の照明と冷たい印象の照明、どちらも使用することで「クールだけど聞き上手なマスター=冷静に見えるけれど温かみのある人物」という表現をしたかったので、ライティングに注目していただけたのもうれしいです。
また、ボイス作品の詳細な中身がわからなかったことから、どのような雰囲気の内容にも沿えるよう、絵そのものには想像するための余白をたくさん残しました。その結果、講評でもコメントいただいたように「セリフが何個も想像できる」という柔軟性を持たせることができました。
こういったジャンルのお仕事がしてみたい! と思い、実際に販売される商品のパッケージにもなるこちらのコンテストへ勇気を出して応募したことで、またひとつ成長できたと感じます。貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました! 今後も井上さんのますますのご活躍を心から応援しております。
右も左もイケメンバーテンダーだらけ!優秀賞の9作品をご紹介!
井上
すごくきれいな絵ですよ。バーの雰囲気がよく伝わってくる1枚だと思いました。どこを見ても楽しいところも魅力です。また、色味も相まって夢の中みたいな空間になっているところも好きです。しうべるさんは画力が高いですよね。
坂本
本当に素敵な色味ですよね。
大賞に選ばれるにはどういった点に注意すると良さそうでしょうか?
井上
いろいろなところが細かく描かれていて、見るのが楽しい半面、どこに視点をおいたらいいのかわかりづらいという懸念点があると思いました。また、ボイスシチュエーションドラマのジャケットということを考えると、サムネイルで見たときにも少しわかりにくいかもしれません。
坂本
なるほど、サムネイルの雰囲気と視点誘導……! 大事ですね。
井上
この僕、すごい尖ってますよね。
坂本
そうですね、俺様っぽい雰囲気ですね(笑)。
井上
メニューとか選ばせてくれなさそう(笑)。ぶっきらぼうで俺様な雰囲気が気に入りました。絵から伝えたいことが伝わってくるし、本人もしっかりイメージを言語化できていそうだなと思いました。
ただ、キャラクター性が決まりすぎてしまって、想像の余地がなくなってしまうかもしれません。今回は優秀賞とさせてもらいました。
井上
圧倒的に美しい絵だと思いました。全体的にリッチで水の表現もすごくキレイですよね。大賞と並ぶくらい見てしまった絵です。こちらの絵もあおりの構図なんですが、このバーはすごい店の上までお酒が並んでいますよね。
坂本
どんなお酒もありそうですね。
井上
すごくスキなのですが、顔があまりにリアルだと、自分とどれくらい似ているかを考えてしまいそうで(笑)。今回は優秀賞にさせていただきました。
井上
このバーは僕のテーマカラーであるピンクを取り入れてくれていて、すごくうれしかったです。絵もすごく上手ですし、レンズのゆがみを表現できているところも素敵です。
坂本
すごくかわいいバーですね。
井上
そうなんです。ただ、今回のシチュエーションボイスドラマはもう少し落ち着いた雰囲気のバーを想定していたので、パリピ要素が強いこちらのイラストは優秀賞とさせてもらいました。
井上
絵がすごくうまいなと思いました。描かれている僕もすごくかっこいいです! なのですが……背景をよくみると異世界っぽいなと。
坂本
異世界転生したバーテンダー……!
井上
逆に想像が膨らみました。戦士とか魔法使いが来るバー。そう考えるとマドラーも実はこの国特有のデザインなのかなとか。
坂本
その作品、見てみたくなりました……!
井上
遊山さんは僕のことをよく知っていそうですね。それくらい、みんなが描いてくれる井上だ!! と思いました。僕はちょっとやんちゃなキャラの役が多いので(笑)。
こちらの絵は無駄なものを省いてキャラクターに視線がいくよう描かれていて、見やすいですね。
坂本
バーの雰囲気もいい感じですね。
井上
ですね! こういう雰囲気のバーは好きです。
井上
このイラストの僕の服は、過去の出演作からオマージュをしてくれたのかな。すごくうれしいです。絵自体もすごく素敵なんですけど、このバーの雰囲気も気になって見てしまいました。
天井を見るとこのバーすごく小さいんだなって思うんですよ。ものすごい隠れ家的なバーなのか、家の中の一角にある個人用のバーなのか……。想像がかきたてられますね。
坂本
確かに……。小さいのにお酒の種類はたくさんあって、お酒好きの知る人ぞ知るバーという印象ですね。
井上
はい。構図も魚眼レンズっぽく描かれていてすごくいいですよね。こういう構図だから天井にある天窓から夜空も見えるんですよ。技が光っていますよね。
井上
この作品は飲み物にめちゃくちゃフォーカスしていますよね。逆にこれがいいなと思って選びました。あくまでも主役はカクテル。それはバーとしては正しいなと思って。
それでもキャラクターも引き立って見えるし、何より僕自身がこのバーに行きたくなりました。ここまでの雰囲気を引き出せるということは、作者のモズ商会さんはバーに行ったことがあるんだろうなと思います。
坂本
確かにすごくおいしいカクテルを出してくれそうですね。
井上
はい。今回イラストを選ぶ中で僕がこのバーに行きたいかどうかは結構ポイントになっていたかもしれないです。
イラストを選ぶ時間は非常に贅沢な時間だった
坂本
今回、イラストコンテストの審査員を務めていただき、いかがでしたか?
井上
正直なところ最初は、どんな作品が来るのかなという気持ちでした。僕より上手い人来る? と思っていたら全然上手い人ばかりで、選ぶのが大変なくらいでした。
坂本
そうだったんですね。
井上
はい。みんなが時間をかけて丁寧に描いたものから選ばせていただくのは、非常に贅沢な時間でした。絵から「この人は僕をこう思ってくれているんだな」ということが感じられて楽しかったです。
コンテストという形なので、大賞は一つしか選べなかったことが残念だったくらいです。貴重な経験をありがとうございました。
坂本
こちらこそありがとうございました。
▼井上正大氏のシチュエーションボイスドラマの視聴はこちら!▼
編集
斎藤充博(Twitter:@3216)