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Canvaって実際のところどうなの? Illustratorの代わりになる?【盛れる! グラフィックデザイン部】

 

グラフィックデザインってなんだか難しそう。誰か親切な人が教えてくれないだろうか。できれば優しいギャルだといいんだけど……。そんなことを考えていた初郎(ういろう)君のもとに、どこからともなくグラフィックデザインに詳しいギャルが現れました! グラフィックデザインの初歩を学ぶ連載です。

この記事でわかること
  • Canvaの基本的な機能
  • デザインにおけるCanvaとIllustratorの使い分け

登場人物

ぎゃるの
グラフィックデザインに詳しい謎のギャル。その時の気分で優しくしたり詰めたりする。

初郎(ういろう)
グラフィックデザインについては右も左もわからない。できれば優しいギャルに教えてもらいたい。

ぎゃるのさん!! また教えていただきたいことが……
……はっ!? このスパイシーな香りは……!?

 

おつ。今カレー煮込んでっからちょっと待てし。

 

わぁ〜いい匂いですね〜! 実はデザインツールについて相談が……

 

だから待てし〜。とりま、カレー味見して〜。

 

ガボッ……こ……これは…!?  深いコクとまろやかな味わい!  うまい、うますぎる……!  これはお店出せるレベルですよ! プロの味です!  スパイスからカレーを手作りするなんて本格的ですね! 

 

いや、市販のルー。

 

え? マ?

 

マ。めっちゃ普通のルーだけど、良い仕事するっしょ?
てか、デザインツールがどしたって?? 

 

はっはい! デザインツールといえばAdobeのIllustratorじゃないですか! 

 

まあ、基本はそうかもしんないね~。プロならみんな使ってるっしょ。

 

でも、最近いろいろとデザインの相談が来るようになってみると「納期と予算が合わないのでCanvaで自作します」とか「Canvaで納品してもらえますか?」とかちょいちょい言われるんですよね〜。Canvaって、実際のところどーなん? ってのをお伺いしたく。

 

別に良いんじゃね? Canva。
ぅちも使ってっし。

うわああ〜〜〜〜〜〜!!!
カレー煮込みながら、デザインしてるぅ〜〜〜〜〜〜!!??

 

デザインツール何を使うか問題はさ〜、カレーと一緒だから。

 

……その心は?

 

市販のルー使おうがスパイスから作ろうが、うまい人が作ればうまい! 最終的にうまけりゃ良いのだ 〜〜〜〜〜〜!!!!!!

 

またなんかノリで独自理論を展開しているぅ〜〜〜〜!? 
今回もスパイシーでホットな予感!!!!!

 

そもそもCanvaって何なわけぇ?

というか、僕ほとんどCanvaのこと知らないんですよね。
そもそもどんなものですか?

 

ざっくり言うと、オンラインで使える無料のグラフィックデザインツールだね。テンプレも素材も沢山あって、簡単な操作でぽぽぽーいって組み合わせてたら、プロっぽいデザインが簡単にできちゃう感じ〜。

 

無料ってのがすごいですよね。有料版もあるみたいですが、結構違うんですか?


え〜と……テンプレートの数は無料が25万、有料が61万以上……。

 

にじゅうごまん!!? ろろろろくじゅういちまん???

 

素材は無料が100万点、有料が1億点以上だって〜。

 

どんだけ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜?????
多すぎでは〜〜〜?
びっくりしすぎて顔がCanvaでよく見るタッチに変わっちゃいましたよ?

うちも。めっちゃ小顔つーか体デカくなったし。
しゃーねーから今回はCanvaのノリで解説してこ。

 

有料なら使えるフォントの数が多いし、別途購入したフォントをアップロードできちゃう。
さらに写真の切り抜き加工ができるんだけど、これの精度がなかなかで。モフモフ切り抜くときとかマジ助かる!

 

わーそれは有料にするメリットありまくりですね〜。

 

有料無料問わず使えてぅち的に神機能だと思うのが「デザインの共有」。クライアントや関係者にリンクを送れば編集作業をリアルタイムで見てもらえてコメントもしてもらえるんだよ〜すごくね?

 

それはすごい!

 

しかも! 共有相手がCanvaに登録していたらリアルタイムで同時編集ができるから、デザインのチェックバックと訂正が一度にできるんだよね。まじ神。

 

まじタコパやば……ですね!

 

は?タコパ?

 

あっ。タイパとコスパをくっつけてみました! 略してタコパ。へへっ!

 

おまマジ、タコパガチ勢なめんなし……。

 

すっすみません! (ガチ勢とは……?)

◆point

無料が25万、有料が61万以上ものテンプレートがあるとはいえ、なかなか理想にぴったりのデザインを見つけるのは難しい。そんな時はベースのテンプレを決めて、カスタムするべし! Canvaのテンプレは背景が1枚絵と思いきやパーツが細かく分かれているものがほとんど。消したり位置を変えたり「素材」から新しいグラフィックを引っ張ってきたり。コネコネがんばれ〜!

 

Canvaでできること、できないこと

そんな感じでね。たぶんういろうは軽くCanvaナメてたっぽいけど、マジあなどれないっしょ?

 

ギクッ! いや、そんなことはないですけどぉ〜……。でも正直ここまでいろんなことができると思っていませんでした。
もうCanvaにできないことって印刷くらいじゃないですか?

 

印刷もできるよー。デザインが完成したらそのまま編集画面から「Canvaで印刷する」を選べば印刷注文できちゃう。サイズや枚数の選択後に自動データチェックもしてくれるから、CMYKとか入稿データの知識がなくても大丈夫〜。

 

でき・るん・か〜〜〜い! 
いやはや、デザイン初心者やノンデザイナーに優しすぎる世界ですね。

 

でも、やっぱり弱点はあるんだよね〜。スマホやiPadで操作できるのはまじ最高なんだけど、小さい画面でA4くらいの印刷物をデザインするのはサイズ感掴みづらいから心配。

あと、レイヤー機能やマスク機能がないのはつらたん。ロック機能があっても写真などのオブジェクトが多すぎたり、パーツの重なりが複雑すぎるデザインは誤タップが起きやすいのでちょいやりにくい。

 

確かにレイヤーやマスクがないのはネックですね。写真や文字量が少ないうちは直感的な操作がスイスイできそうですが、あまり複雑なデザインは向かなそうですね。

 

あと、Canvaのテンプレートや素材を組み合わせて作ったものは「固有のデザイン」にあたらないから、商標登録はできないんだよね〜。

 

でも商標登録するのは大きめの企業でしょうし、商用利用できるならいいのではないですか?

 

まあいいっちゃいいんだけど、多くの人がCanvaを利用して同じテンプレートを共有しているってことは、ド健全なお店のロゴがアダルトなお店とかぶっちゃう可能性もゼロではないわけよ。

 

あああ〜!それは気まずい! 困ります!

 

だからある程度長期的に取り組むクライアントワークやロゴの提案とかには向かないかな。
その他Canvaの「向いてることとかできることとか」と、「向いていないこととできること」をまとめてみたよ〜ん。これまたCanvaで!

なるほどなるほど。当たり前ながら、ストックイラストで禁止されている「再配布」にあたる行為も禁止なんですね。

 

でも例外はあって、例えば丸とか四角とか一般的な記号と、自分で描いたイラストや購入したフォントを組み合わせて作ったロゴやデザインは「固有のデザイン」だから、商標登録も販売もできる!

 

なるほど、確かにそれならオリジナルですね!

◆point

Canvaで作成したデータを印刷する方法は3つ。
1つ目は前述の編集画面から直接印刷注文する方法。
2つ目はダウンロードしたPDFデータを印刷会社に入稿する方法。「ファイル>設定>塗り足し領域」を選んでデザインデータを作成し、ダウンロードの際に「PDF(印刷)」、トリムマークと塗り足しにチェック、カラープロファイルをCMYK(有料プランのみ)にすれば入稿データのできあがり〜。ただし、PDFに埋め込みできないフォントが一部あったりする。
そこで3つ目は「画像としてダウンロードしてイラレに貼る」という方法。画像はRGBでしかダウンロードできないけど、補正のがんばりどころ! A4以下の大きすぎない印刷物なら、この方法も良きかも!

 

ツールは目的と用途で選ぶべし!

Canvaはとても便利だということがわかりました……! でもデザイナーといえばIllustratorですし、こっちの方が高機能ですよね?

 

だね。Canvaは「誰でも簡単にシャレオツなデザインができるツール」だから、プロの中には抵抗ある人はいるかもね〜。でもぅちは、目的と用途を満たすツールを臨機応変に選べばいいんじゃね? って思ってるよ。

それぞれのツールはどんな案件に向いているでしょうか?

 

Canvaは予め決まったテンプレから選ぶから時短にもなるし工数が少なくて済むよね。だから自作したり予算が少ない時とかに良き〜。

イラレは、ラフ切るところから始めるからね。がっつりこだわって作りたいリーフやパンフ、前に作った同人誌の表紙とかはこっちの方がいいよ~。

 

ふむふむ。確かにツールの選択肢があるのは良いですね。別にクライアントからイラレを指定されるわけでもないですし。

 

そーそー。なんかあるじゃん? 「ホムセン行ってドリル買う人はドリルじゃなくて穴を求めてる」ってやつ。チラシが必要な人は、イラレじゃなくてチラシのデザインを求めてるんだから、ツールは何でも良いよね〜って感じ。

 

なるほど! でもドリルが好きで買う人もいますよね?? ドリルマニアの方とか……。

 

今はマニアの方に思いを馳せなくてよくね?

◆point

依頼でも自作でも、まずは目的と用途を明確にすることから! 徹底的にクリエイティブにこだわるのか、タイミング優先なのかを見極めて。
依頼の場合は納品時の状態も要確認。クライアントが自作したものを手直ししたり、編集可能な状態でデータ共有を希望されるケースもあるかも。ちなみに、そんな希望を受けたらその分の作業代はちゃんと請求しようね。

 

CanvaもIllustratorもデザインの基本は同じ!

そういえば……。ぎゃるのさんは最初に「デザインツール何を使うかはカレーと一緒」って言っていましたよね?

 

そうそう。ちゃんと覚えてるのえら。

Canvaは、市販のルーから作るカレーみたいなもん。料理のことあんまわかんなくても、ルーさえ入れて煮込めば、なんとかなるっしょ〜?

イラレは、スパイスから作るカレーかな。慣れてないと難しいけど、わかってくるとどんどん自分の思いのままの本格的なカレーがつくれるようになる。

 

なるほど。ぎゃるのさんに初めて会った日も、デザインをケーキに例えてくれましたもんね。

ハッ……! 今日は僕にデザインツールを教えてくれるために、市販のルーでカレーを作って待っていてくれたというわけですね?

 

んなわけねー。つーかおまマジ来る前連絡しろし。マジで。

 

そうですね! ぎゃるのさんのホームはパリピとエンカウントしがちで普通に怖いので。 次からは連絡します!
しかし、悩むな~。プロのデザイナーを目指す僕はやっぱり、Illustratorですかね〜!

 

ちな忘れないでほしいのが、デザインの基本はツールが何であっても活用できるってこと。同人誌の表紙で教えたバランスの取り方とか、お品書きで教えた情報整理の仕方とか。

 

確かに。レイアウトとかパーツの重なりとかは、ツール問わず使えるデザインの知識ですよね。

 

そうそう。いくらテンプレが完成されていても、デザインの知識がないとやっぱりちょっと「んん〜?」って仕上がりになるんだよねー。変に偏ってたり、文字の入り方変だったり、写真だらけになってたり。

 

あ〜僕も少しずつですが、そういうの気になるようになってきました。なんかレイアウト気持ち悪くね? とか、なんでこのフォント使ったし? とか。バナー広告とかでも良くない意味で目立っちゃてるやつ結構ありますよね。

 

そーそー。んで素人さんに多いのが、仕上がりサイズへの無頓着さ。制作途中で比率変わるとまたイチからレイアウト変えなきゃいけないからマジしんどいんだよね〜。無料プランは制作途中でのフォーマットサイズ変更ができないから、注意が必要だよ〜。

 

なるほどなるほど。Canvaだろうとイラレだろうと、デザインの基礎があるかないのか、見る人が見たらわかっちゃうわけですね。ドキドキ……。

 

でも逆に考えてみ。ノンデザイナーでもプロっぽく作れるCanvaを、ちゃんとデザインの基本をわかってる人が使えばどうなるかと言うとぉ〜〜〜〜?

 

爆盛れってことですか?

 

それ〜! だからさ、「プロならイラレ! とかCanvaはノンデザイナーのもの!」 とか決めつけず、どっちもちょいちょいいいとこ取りしていくのが良いと思う〜。このツールを使わなきゃいけないなんて決まりもないと思ってるよ〜。

◆point

あらかじめ用意されたテンプレに写真や文字を入れるのは、誰でもできるめちゃ簡単作業。でも、実際の文字量や写真点数によって生じる体裁ズレを整えていくのは、デザインの基本知識がないと結構ムズい。。
位置はここで良いのか、フォントサイズは適切か、そもそも仕上がりサイズが違っていないか(これめっちゃ重要)。パーツ移動のとき視覚的に誘導してくれるとはいえ、ちゃんとガイドを引いて(ファイル>設定>定規とガイドを表示)整えよう。NO盛れNO基本!

 

デザインは誰でもできる。「デザイナー」になるには……?

あ、やっと顔が元に戻りました! 良かった〜!

 

ぅちも永遠にあの顔だったらキャラ変するしかなかったから良かった〜。

 

今回も勉強になりました! ツールにこだわらずこれからも「デザイン」を深めていきます!

 

その意気〜。まあこだわりとかより、ページ数多くなったらイラレじゃなくてInDesign使うとか、必要に応じて使い変える場面は出てくるけどね。その辺は追々。

 

必要に迫られる=依頼の幅も広がるってことだから、ワクワクしますね。

 

あと、ぅちは「デザイン」は誰でもできるし自由にやっていいと思ってるし。ただそれと「デザイナー」を名乗れるかはまた別の話じゃね? っつースタンス〜。

誰でもデザインはできるけど、デザイナーを名乗るのは簡単じゃないってことですか? なんか深いですね……。じゃあ堂々と「僕はデザイナーです!」と言えるのはいつなんですか? ホウェン(when)! ぴえん!

 

ぴえん古。それは、ういろうしか出せない「オリジナルの部分」に価値を見出してくれる人が現れてからかな。もちろん自分自身がそう思うことも大事だけど、クライアントがいなきゃ成り立たないからね、このお仕事。

 

僕のオリジナリティに価値を…。確かに、僕にしか作れないものを求めてくれる人がいたら、その時やっとデザイナーと名乗って良い気がします!
がんばります……! 僕、いつかきっと、立派なデザイナーになります……!
そしてヒゲを生やして…なんか長い布を首に巻きます…!

アレ? これ最終回ですか?

 

いや多分もうちょい続くと思う〜。
ういろうのデザイナーイメージ、ウケるけどわかるわ〜。

あ!!!!! やば!!!!

 

どうしました??

 

CURRY NIGHTの準備しなきゃ〜。パリピのパイセンとかめっちゃ呼ぶから、部屋盛りまくらないと〜。

 

パリピかあ……じゃあ、早く逃げないと……!
って、ああっ!? さっきのカレー、僕は味見だけですか?

 

うん、ういろうの分までねーから。気が向いたらまた作るから。ごめんね。

 

そんなあ! お金払いますから!!
僕はぎゃるのさんしか出せないあの味に感動したんですよ〜!

……はっ!  そうか……これがオリジナリティ……!!!
うおおおおお〜〜〜〜〜〜!!!
デザイナーに、僕はなるっ!


おけ、とりま、帰ってくんね?

 


 

執筆・イラストきびのあやとら(X:@kibinoayatraGENSEKI
グラフィックデザイナー歴16年目。小難しく考えすぎてしまう拗らせ期を経て、一旦デザインと距離を置くため廃業を決意。イラストや広告漫画をメインに方向転換するも、デザインはあらゆるクリエイティブの根底にあるズッ友のような存在だと気付きやっぱ好きだわ〜と思う。基本的なことやコツさえ抑えたらデザインはとても自由で楽しいからマジでみんなやろ〜?ということをギャルのノリで伝えていきたいと思っています。

 

編集斎藤充博(X:@3216WebGENSEKI