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学生のうちに体験してほしいのは「仕事の関係」【 中島俊先生 1on1レッスン by GENSEKI学生応援プロジェクト】


GENSEKIでは「学生応援プロジェクト」を企画・推進しています。

今回はグラフィックデザイナーの 中島俊先生を審査員にお招きし、専門学校 福岡デザイナー・アカデミー(2024年4月より。旧名称 九州デザイナー学院)とのイラストコンテストを開催しました。

▼応募作品と結果発表はこちら


結果発表にあたり、大賞の3名と中島先生との1on1レッスンを行いました。「受賞作品への講評」と「受賞者のポートフォリオレビュー」の2記事に分けてお届けします。

連載目次
1on1レッスンの先生

中島 俊
株式会社エンターブレインでデザイン業務に携わった後、フリーのデザイナーとして独立。株式会社 CARTAgraphicsを設立し、書籍やパッケージなど印刷物のほか、アニメの設定、2Dデザイン、タイトルロゴ、キービジュアルのデザイン制作など多岐に渡り活躍中。『GENSEKI art book』のカバーデザインも担当。

進行
巴孝介
GENSEKIのコンテスト企画運営・進行を担当。

■イラストコンテスト募集要項

必須課題:ゲームの企画書に沿ったRPGゲームのロゴデザイン 1点
任意課題:キービジュアルデザイン  1点
フォーマット:解像度350dpi/CMYK/PSDもしくはAIデータ

■ゲームの企画書(要約)
タイトル:『ヒカリノ(HIKARINO)ー光の勇者ー』
ゲーム性:全年齢対象、シンプルなアクションバトル、探索とパズル、コンパニオンシステム、仲間との協力要素
キャラクター:主人公ヒカリノ(元気で愉快な少年か少女)と仲間たち
ストーリー:昔々、光の国と影の国が対をなし調和する世界が栄えていました。ある日、影の国に暗雲が立ち込め、邪悪なるものが光の国を暗闇に閉ざしてしまいました。世界の均衡を取り戻すため、影の国の子どもが勇者となって、光の国へ旅立ちます……。

■審査基準
<3つの観点に基づき、購買意欲に繋がるデザインを審査>
コンセプト性:求められている要件にマッチしているか
シンボル性:誰が見てもわかりやすくなっているか
デザイン性:商品としての完成度

<目次>
【大賞】いい色彩感覚とかわいいデザイン、イラストも描けて秀逸。平面構成を意識して仕上げよう(yuzuyu_okada)
【大賞】知らない分野でもよく調べ、アイデアを洗練する力がある。デザインは冒険して楽しんでみよう(Sakamoto)
【大賞】見る人への配慮があり、コミュニケーションができている。物語やメッセージがよく伝わる作品(air_07)
【佳作】それぞれの工夫が見られる、独自のよさを評価
【総評】デザインは「誰に喜んでもらうか」を意識しよう


【大賞】いい色彩感覚とかわいいデザイン、イラストも描けて秀逸。平面構成を意識して仕上げよう


大賞1人目は、yuzuyu_okadaさんです。応募時点では2年制のグラフィックデザイン学科の1年生です。将来はグラフィックデザイナーを目指されているそうです。

ヒカリノ_ロゴ・キービジュアル

yuzuyu_okada
この作品は、ロゴは黒を基調に、黄色をピンポイントに入れて、光と影が対になっている世界観を表現しました。Pinterestでいろいろなものを見ながら、自分のイメージにあうアイデアを探りました。がんばったのは全体のバランス調整です。

制作時間は20日で、Adobe IllustratorとCLIP STUDIO PAINT PROを使っています。


中島先生

いいですね。かわいくて、大好きなデザインです。バランス調整をがんばったという言葉どおり、一文字一文字が綿密に調整されていて、完成度の高さを感じます。とてもわかりやすく、印象に残りました。親しみの湧くデザインです。

「ヒ」と「リ」のくるりん線がロゴに生命を与えているようです。線の強弱でメリハリも効いています。ロゴの4文字の中に華やかさが散りばめられていて、パッと見て「ヒカリノ」の世界だとわかります。いろいろな場所に配置された星が、動いているかのようにいきいきしていている。

ゲームやアニメに採用されれば、特殊効果で光らせたり動かしたりできるので、想像以上にいいロゴとなって画面に登場するでしょう。

また、差し色の黄色が光のイメージを鮮明に表現しています。白か黒と黄色のたった2色で、華やかさを見事に表現できています。サブタイトルの大きさもいいですね。



バックの色にあわせて、白字と黒字の2案を作っていただいています。


中島先生

このプレゼンの仕方はとてもいいですね。いろいろな用途にあわせた案が見せられるのは、大事なポイントです。

また、キービジュアルのイラストもかわいく描けています。緑の髪留めやダイヤモチーフなど、「ヒカリノ」のポイントが随所に散りばめられていてすてきです。ゲームやアニメにする場合に、制作サイドの発想が湧きやすいと思いました。



この作品をさらによくできる点や、次に繋げられるポイントはあるでしょうか?


中島先生

作品自体はとてもいいので、あとは平面構成の意識です。

ロゴを単体で見たときは、繊細なディテールが効果を発揮しています。ですが、小さく配置したり、キービジュアルに重ねるなどすると、媒体によっては埋もれてしまうおそれがあります。

中島先生
特にポスターは、覚えて買ってもらえるようにするのが目的。作品ロゴがよく見える構図にしたほうがいいので、自然な視線誘導ができるといいですね。こういうときは、境界線でフチをつける、ドロップシャドウなどで見やすくしましょう。

あえて余白を設けた構図にして、そこにロゴを配置したり、ロゴをナナメに傾けて、顔にかからないようにしつつ大胆に中央配置するのもいいかもしれません。絵には多少影響しますが、ダイナミックに配置すると繊細なディテールがより活きてくると思います。


今回の作品について、質問したいことはありますか?


yuzuyu_okada

作品を、発表する形にまとめることが難しいです。


中島先生

そうですよね。本来なら、このロゴを誰かがパッケージにして、製品にして……となりますよね。

この作品を使ってモックアップ(商品を想定した試作品)を作ってみてはどうでしょうか? ロゴが入ったゲームのタイトル画面や、お客さんにアピールする前提のポスターを作ってみるなどして、それをポートフォリオに入れる。作品をもとに展開したデザインを作ってみると、発表しやすくなります。

すごくいい作品なので、ぜひ自信を持ってください。


【大賞】知らない分野でもよく調べ、アイデアを洗練する力がある。デザインは冒険して楽しんでみよう


大賞2人目はSakamotoさんです。Sakamotoさんもグラフィックデザイン学科の1年です。将来はグラフィックデザイナーを目指されているそうです。

ヒカリノロゴ、キービジュアル

Sakamoto
テーマの「光と影の世界」を表現するために、立体感を出して影ができるように制作しました。十字架をイメージした「リ」の字がポイントです。主人公が十字のネックレスを着けている設定で、ロゴにも取り入れています。文字の立体感を出すのに特に時間をかけました。

制作期間は7日間で、Adobe IllustratorとPhotoshop、Procreateを使いました。


中島先生

まず、キービジュアルにとても惹きつけられました。髪の描き込みも細かく、キャッチコピーにも物語を感じます。

また、ロゴがすてきで、大賞の決め手になりました。可読性が高く伝わりやすいデザインです。「リ」の光り輝く十字架が、古のファンタジー感をよく表現できています。これ以外いらないというぐらい、ここに力が宿っているので、あとは文字のバランスを整えるだけで成立します。

タイル状の盛り上がりや、「リ」や「ノ」を分割させているのもいいですね。単にシャドウをかけるのではなく、ひと手間かけて立体感を出しています。同時に光の存在も演出できていて、コンセプトにマッチしています。

この作品について、ストーリーや設定背景はどんなふうに考えたのでしょうか?


Sakamoto

最終ボスは自分の父親で、主人公の葛藤、というイメージを考えていました。


中島先生

なるほど。仕事では、自分の考えたイメージをクライアントに説明していくことになるのですが、十分できています。この調子で進んでいってください!


この作品をさらによくできる点はあるでしょうか?

中島先生
「光の勇者」のサブタイトルをもう少し大きく見たかったです。よく作り込まれていて、とてもかっこいい。また、サブタイトルを大きくしても負けない力強さがロゴにある。なので、ロゴの半分くらいまで拡大してもいいでしょう。


Sakamoto

タイトルとサブタイトルのバランスをどうまとめたらいいか、難しかったです。


中島先生

全体のバランスを優先したんですね。コンテストなので冒険しづらかったと思いますが、もっと崩してみてもいいと思います。

みなさん、よくデザインのバランスを気にされますが、実際のゲームのデザインはわりと崩れています。世のスーパーデザイナーさんは、一旦バランスの取れたデザインを作り、その後どこかをわざと崩すんです。見て「落ち着く」のではなく、どこか不安になるようなひっかかりを残しています。


Sakamoto

キービジュアルに乗せたロゴの大きさも、小さすぎるかな? と思いました。キャッチコピーを入れたことで、そちらが目立ってしまった気がします。


中島先生

キービジュアルはこのバランスでいいですよ。キャッチコピーは目立っていいんです。まず、目が潤んでいる涙を見て、次にキャッチコピーを読む。すると、字が涙でにじんでいるのかな? と気づき、それからロゴに行く。それで「ヒカリノ」がわかるという、視線誘導は成功しています。

ただ、明るい色のビジュアルに明るいロゴを乗せているので、埋もれてしまったかもしれません。ロゴ自体の力強さは十分なのですが、相性が限定されるデザインなので、媒体によってはドロップシャドウでボカシ影をつけるなどもうひと工夫あるといいでしょう。バランスとしては悪くないと思います。


中島先生

また、先ほどのyuzuyu_okadaさんのように、ロゴを黒地だけでなく、白地に入れたときにどうなるかも見たいですね。ゲームのデザインの仕事でよく求められるので、もし今後そういったデザインをすることがあれば作ってみてください。

制作期間の7日間は、仕事で作るとしたら現実的ですが、他の応募作と比べると結構短いですね。こういった課題のイメージをもともと持っていたのでしょうか?


Sakamoto

いえ、僕はあまりゲームをやらないので、慣れていなくて……ゲームのロゴをいろいろと調べました。


中島先生

ご自身の得意分野と違うテーマが飛び込んできたのに、すばらしいです。



他に、質問したいことや悩みはありますか?


Sakamoto

「ヒカリノ」は4文字でしたが、文字数が少ないほどロゴを作るのは難しいのかな、と感じました。

中島先生
かっこよく文字バランスを取ろうと思ったら、難しいテーマだったと思いますが、よく表現できていますよ。今回は「リ」と「ノ」がほとんど同じ形なので、「ノ」は「リ」の右側をコピペして作りがちです。実際、そういう作品も多かった。ですが、Sakamotoさんは「リ」の右側をハネて、「ノ」と形を変えてきた。欲を言えば、これだけの力量があるならもう一歩変化が出せると思いますが、ていねいに作り込まれています。

パキッとした質感でありながら、どことなく温かみがあって、「ヒカリノ」の世界のイメージが大きく膨らみます。洗練されたイメージに仕上がっていて、フォントセンスも感じます。今後の活躍に期待します。


【大賞】見る人への配慮があり、コミュニケーションができている。物語やメッセージがよく伝わる作品


レッスン最後の、3人目はair_07さんです。他の方と同じくグラフィックデザイン学科の1年生です。将来はグラフィックデザイナーを目指されているそうです。

ヒカリノ

air_07
作品のコンセプトは「自分との戦い」です。光の国に行くまでにさまざまな困難と葛藤があると思い、崖から遠くの場所を目指しているように描きました。

私もあまりゲームをしないため、馴染みがない課題で難しく、自分なりに解釈しました。「崖っぷち」はピンチな状況に思えますが、「人生を変える大きな出来事」と捉えることもできるので、先に向かう自分の経験も投影できると思いました。困難を乗り越えた先に、すばらしい結末が待っていると暗示しています。

ゲームを通して、プレイした人の生活に役立つものがあればいいな、とデザインしました。


中島先生

キービジュアルは構図がとてもいいですね。ロゴ、キャッチコピーの入る位置も申し分ないです。雲が低いところにあって、崖が高いところまで来ているんだけど、向こう側と離れていてまだまだ目標は遠く、でもそれに立ち向かうんだ、というメッセージを感じました。ひと目で「光の勇者が魔法の世界を冒険する」をイメージできます。

ロゴもすてきです。おしゃれさや小技の効いたデザインが多い中、真っ向勝負のデザインで、見れば見るほど味わい深い作品ですね。可読性とインパクトがあり、剣と魔法陣は演出、和名部分でストーリー性、と見事に伝えられています。

「ヒカリノ」の文字が力強く、とてもわかりやすいです。部分的に太さや大きさを変え、バランスを崩しつつも全体がまとまっています。白の色ベタはキービジュアルに乗せても目を引きます。どの画像とあわせても「ヒカリノ」の文字が前面に出てきて、強い印象を持たせられると思います。

剣と魔法陣の組みあわせ方も、ユニークでかっこいいデザインです。魔法陣がメインタイトルに奥行きをつけています。

中島先生
サブタイトルにルビを振っているのもいいですね。やっている人はあまりいませんでしたが、課題が「全年齢」だから、という配慮はすばらしいです。



air_07さんから質問したいことや、制作中の悩みなどはあったでしょうか?

air_07
「ヒカリノ」というカタカナ4文字のバランスがとても難しかったです。特に「リノ」のバランスが難しく、どうすれば文字がまとまって見えるのか試行錯誤しました。大きさのバランスや強弱をつけたいなど、葛藤がありました。


中島先生

こういったロゴだと、普通はゴシック体を変形させて作ることが多いですが、そうではないですよね。
どうしてこの形になったのですか? 「ヒ」単体で見ると「ヒ」に見えないのに、並べると見えるところが不思議です。


air_07

ロゴは子どもが見てワクワクするように、目を引く角丸のポップな字体にしました。また、パッと見たときのインパクトも、魔法陣と剣以外に欲しいと思い、「ヒ」の横棒にアクセントを入れました。ただの棒ではなく、丸などいろいろな形を試し、ブロックの形になりました。
光の国で先祖代々受け継ぐピアスをキービジュアルの男女がつけていて、それを「ヒ」と「ノ」にも忍ばせています。


中島先生

なるほど、いいですね! 苦労してこの形になったのですね。 「カ」のハネや、縦横の交わりを直線で終わらせていないのにも、度肝を抜かれました。「リ」を小さくしているのも効いています。

先ほど話しましたが、完全にバランスを取らず、あえて崩すことでかえって安定感や全体のまとまりがよく出ています。とてもすてきなデザインですよ。

中島先生
ロゴがあって、さらに剣と魔法陣で完全にバックグラウンドが説明できています。この部分はどう考えて作ったのですか?


air_07

勇者が魔法を中心に戦う設定なので、魔法陣を入れたいと思い、魔法系ゲームの画像をたくさん調べて自分の中で作り変えました。勇者といえば剣、と思ったときに、その二つを合体させた形はあまり見ないな、と思ってこうなりました。


中島先生

見ないですよね! 僕はゲーム業界に長くいていろんなタイトルや攻略本を見ましたが、この形は見たことがない。今回の課題からこのデザインが生まれたことが、うれしいです。



この作品をさらによくできる点はあるでしょうか?


中島先生

キービジュアルは一枚絵として完成度が高く、多くを語らずともいろんな情報が伝わってきていいのですが、少し暗い印象を感じました。小さくてもいいので、もう少し光の要素があるといいかもしれません。
あとは…ロゴの「ノ」の文字ですね。「カ」くらいの意外性を持たせられるのではと思いました。でも、欲を言うなら、という程度です。



全体的に完成されていて、非の打ち所がなかったのですね。


中島先生

air_07さんのロゴは、キービジュアルの中央に配置しているだけですが、どこから見ても目を引くしビジュアルを邪魔していません。小さく置いても大きく置いても、どんな配置にしても映える。メインロゴ、魔法剣、サブタイトルの主張がすばらしく、文句のないロゴでした。キービジュアル自体もストーリーやメッセージが伝わる内容です。

 

中島先生
デザインというのは結局、コミュニケーションです。

例えばポスターのデザインを見る人に、デザイナーはそれ以上のことを伝えられない。現場に行って通りすがりの人ひとりひとりに説明できるわけではないので、ポスターだけでメッセージを伝えていかないといけません。

それを全部盛り込むのはなかなか難しいことですが、この作品はデザインのどの部分にもメッセージが込められていて、よく伝わってきました。絵も上手なので、この先が期待できますね。


【佳作】それぞれの工夫が見られる、独自のよさを評価


今回は、中島先生より特別に佳作4作品へのコメントもいただきましたので、まとめてご紹介いたします。

ヒカリノ-光の勇者-/@ Creep_o3-chi

中島先生
「ストーリー性大賞」です。キービジュアルから濃密なストーリーがうかがえて、大賞にひけを取らない出来栄えでした。サブタイトルにもう一手間あると、さらによくなると思います。

ヒカリノ/えいじ

中島先生
「バランス感覚大賞」です。とてもきれいで安定していて、力強さまで兼ね備えているいい作品です。
剣の表現もすごくいいし、サブタイトルの字送りのセンスも秀逸です。

ただ、同じ形のところはコピー&ペーストで作ったように見えるのが、非常に惜しい。「カ」の右側から「ノ」にかけて、小さくてもいいのでどこかにアクセントがあると、さらによくなるではないでしょうか。

 

ヒカリノ/yamasaka

中島先生
「お洒落できれいなロゴ大賞」です。文字一つ一つ、ていねいに手間がかけられているように感じました。星の軌跡や、文字の斜体のバランスもいいですね!「ヒカリノ」の世界観がもう少し伝わってくるように作れると完璧だと思います。

 

ヒカリノ ロゴ・キービジュアル/i.rsuke

中島先生
「攻めたデザイン大賞」です。ロゴ、キービジュアルともに発想と表現力がユニークで、とても惹かれました。また、細部に手が行きわたっています。

もう少し文字の可読性があれば、さらに評価は上がったと思います。i.rsukeさんと意見を交わしながらさらにビルドアップしてみたい! と思える作品です。


【総評】デザインは「誰に喜んでもらうか」を意識しよう


今回は難しい課題の中、学生の皆さんから31作品ものご応募をいただき、ありがとうございました。最後に、コンテスト総評をお願いします。


中島先生

みなさんすてきな作品を作ってくださって、とてもうれしく感謝しています。課題「ヒカリノ」のコンセプトも、それぞれにオリジナル要素を考えてくださって光栄です。

普段の学校の課題とはちょっと違う感覚になったらいいな、と設定しましたが、いかがだったでしょうか?

当初は実用的な「企業のロゴ」という課題も考えましたが、それだと安定感を出すためのデザインになりがちです。「ゲームのタイトルデザイン」にすることで、作り手の遊び心や感性を込めやすくしました。

みなさんの作品から、まさにそういったものが見られて、よかったです。



クオリティの高い応募作品の数々でしたね。


中島先生

学んでいる段階で、これだけ完成度の高いものを出力できるようになっているのは、すごいことです。学校の先生はいい指導をされていますね。
僕の話は「現場で働く人の声」として、参考にしていただければ幸いです。

今回の課題の裏テーマは「発注者」と「受注者」の関係です。先生や周りの人に評価をしてもらうために作るのではなく、社会に出たとき「あなたに作ってほしい」と頼まれる「仕事の関係」を体験してほしかった。

そのため、製品ターゲット、つまり「誰に喜んでもらうか」を意識できるかを、試させてもらいました。キャプションを見ても、わかりやすく想いを書いてくれた人が多く、みなさんきちんとテーマに応えてくださったと感じました。



社会人になってお仕事をする将来に向け、ぜひ今回のコンテストの経験と講評を活かしていただければと思います。


>>>ポートフォリオ作りに悩んでいる方必見!ポートフォリオレビューへつづく

▼GENSEKI学生応援プロジェクト

 


執筆

kao(X:@kaosketchWebGENSEKI

イラスト

華緒はな/お花(X:@hanao_hanao_twiGENSEKI

編集

斎藤充博(X:@3216WebGENSEKI