どうも、ライターの神田(こうだ)です。マンガやイラストに携わっている人なら、こんなことを考えたことがあるのではないでしょうか。
私も絵がうまくなりたい。そう思っていますが、実を言うとうまくなる云々の前に、絵をほとんど描いたことがありません。
だから私の願いとしてはこちらです。
そう。とりあえず描けるようになりたいのです。
書いた人神田
かわいいものが好きなライター・編集者。オモコロなどで活動中。普段は絵を描かないが、自分のたましいに絵が描ける自分のことを見せつけてやりたくて企画に挑戦する。
私は普段ライターとしてインタビュー記事やレポート記事を書いていますが、「こういうとき絵が描けたらな〜」と思ったことが何度かあります。
何かの理由でそのまま絵が使えない資料を、自分なりにイラスト化してわかりやすく読者に伝えたり、ちょっとしたイラストを添えて見栄えのいいマップや図版を作成したり。絵が描けるだけで自分の創作の可能性はもっと広がりますし、より優れた記事を生み出すことができるはずです。
絵で自分を表現したい! というよりかは、自分の表現の幅を広げるための戦略として絵を描けるようになりたいんです。
では、そのためにまず何をするか。
この記事によると、絵を描くにはiPadとApplePencilがあるといいみたいです。私は持っていないので、買いにいきましょう。いざ、Apple StoreへGO!
iPadを買うには心の準備が必要
Apple Store表参道店につきました。
一面がガラス張りになっており、高級感があふれています。店内では何やら写真の撮り方のセミナーが開かれていました。すごいです。
なぜわざわざお店に来たかというと、「ちゃんとお金を払った実感を得たい」からです。通販だとポチッとすればあっという間に家に届きますが、それだとね、なんかありがたみがない気がするんです。
iPadって10万円近くするし、それを通販で簡単にポチッとして、「絵でも描きますかっと」の心持ちには私はなれない。ちゃんと現場で10万円払って覚悟をしなきゃいけないと思うんです。絵を描くためにiPadを買うんだから。わたし変なこと言ってますか?
「なんだこいつ、iPad買うのにゴチャゴチャうるせえな」と思った人がブラウザバックしないようにかわいい犬の画像を貼っておきます。
ともかく私にとってはApple Storeで買って、家に持ち帰るということが重要なんです。そうすることで「手に入れた」という実感がある。
ということで「iPad Air(M2) 11インチ」(98,800円、税込)を買いました。買うと決まってはいれど、心の準備ができなくて写真の撮り方のセミナーを見たりして1時間半店内にいてぼんやりしていました。買ったあとは緊張で喉が渇いてたまりませんでした。
ふう……ちょっとここ数年でもかなり高いものを買ってびっくりしたので叫ばせてください。
98,800円!?!!!!???? マジか!!???????????
そこそこいいロードバイクのエントリーモデル買える!!!!!!!
はあはあ……ともあれ、なんとか手に入れました。iPadがずっしりと重たくて、買った実感がちゃんとあります。
あとApple Storeってレジがなくて、店員さんに声をかけて「iPadほしいです」と伝えて持ってきてもらって、店員さんのiPhoneでぱっと支払いをして商品を受け取って退店するんですけど。そのシームレスさがまるで友達が働いてる店でコーヒーでも買うかのような気楽な感覚だったので、恐ろしかったです。10万円近く払っているのに買った感じがしない……。
すみません、絵も描いてないのにiPadの購入体験の話をしてしまって。あとApplePencilですよね。
ApplePencilは、iPadと一度に買うと12万円くらいになって本当に心臓がドキドキしてしまうので、後日別の店舗に買いに行きました。
購入したのは、今年5月に発売されたばかりの新モデル「Apple Pencil Pro」(21,800円、税込)。箱の柄が選べるらしいです(許可をもらって撮らせてもらいました)。
それにしてもペンなのに2万円するのすごい。これは一緒に買ってたら自分の中の何かがおかしくなっていたはず。
さあ、これで絵を描くのに必要なツールは揃いました。この時点で私は腹をくくりました。こんだけツールを揃えたんだから絵を描かないともったいない!
それではさっそく何かを描いてみようと思います。何を描こうかな……。
さっき検索して出てきたかわいいトイプードルを描いていくことにします。
がんばって描いていくぞ!
iPadを立ち上げると「こんにちは」とあいさつされました。礼儀正しいですね。
さて、これから絵を描くためのアプリをダウンロードします。
今回は「CLIP STUDIO PAINT」、通称“クリスタ”を使っていきます。普段絵を描かない私でさえも名前を聞いたことがあるお絵描きアプリ。ペンも筆もキャンバスも全部自由に使えるんだからすごいことです。
それにこの記事はなんと「CLIP STUDIO PAINT」が協賛してくれています。本当にいいんですか!!??!?? プロならまだしも、私全然素人ですよ?
でも……任されたからにはがんばらなきゃね。「CLIP STUDIO PAINT」の開発者の皆さんを感動させるほどのすごい絵を描いてやりますよ!
無事ダウンロードできました。ほとんどお絵描きアプリを触ったことのない私でも、左のツールバーにアイコンでわかりやすく表示されているので助かります。
とりあえず、ペンと消しゴム、塗りつぶしだけわかればいいので行き当たりばったりで進めていきます。言葉は悪いですがいわゆる「死に覚え」というやつです。致命的なミスをしたほうが人って成長できるので。
お手本の絵を見ながら、まずは目と鼻、口の位置を取っていきます。
最初に目と鼻を描くのってあってるんだろうか。みんなどうやって描き始めているのかわかりません。
そして輪郭をざっくり取っていきます。ApplePencilは実際のペンのように手に馴染んで、線もスムーズに引けるのですごいです。犬っぽくなってきました。
気づいたんですがまっすぐな線を引くのがめちゃくちゃ難しい。始めたばかりなのもありますが、どうしても歪んでしまいます。「絵がうまい人は線がブレない」という話は本当なのだなと実感しました。
次はざっと色をつけていきます。トイプードルの茶色を選んで、塗りつぶしツールを選択。
ああ!!! もう!!!!!
ちゃんと閉じきっていない線があったので全部塗りつぶされてしまいました。私は細かい作業が苦手なので、こういうミスが起こりがちです。
調べたら隙間を認識していい感じに塗ってくれる機能もあったのでそれを使いました。これはガサツな私にぴったりな機能です。「CLIP STUDIO PAINT」の開発者の皆さん、ありがとう。
無事塗りつぶせたんですが、色を間違えて悪魔みたいになりました。
よし、ちゃんとできた。目と鼻の細かい部分をペンで塗りつぶします。かなり犬の雰囲気を醸し出してきました。
ピンチインして拡大すると、細かい部分も塗りやすい! 他のタブレットを使ったことないからわからないけどiPadって使いやすいな〜。
次は毛並みを描いていきます。
人の髪の毛とか、毛が多い動物ってみんなどう描いてるんだろう。私はそのあたりよくわからないので地道に線を引いていきます。
あと食べ物でいうとごはんを描くのも難しい。保育園のお絵描きで茶碗のごはんを描くとき、ひとつずつ丸でご飯粒を描いて不気味がられたことを覚えています。
そういうものをデフォルメするテクニックがあるのだろうか。絵の達人に教えてもらいたいものです。
だんだん中年のおじさんのような雰囲気になってきました。これであってるのか? 「これでいいよ」って言ってくれる人がいないから不安。どういう線を引いたほうがいいのか、色の濃さをどう変えるのか、まだまだ気になることばかりです。
でもお手本のトイプードルに近づいてきました。自分の作品が本物に近づいていく過程が絵を描く楽しさのひとつなのかも。
そしてブランケットの模様をわかりやすいところだけ描きます。余白があってさみしいですからね。
よし! これでできあがりです。完成した絵はこちら!!!!!
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いかがでしょうか。手前味噌ですがわりと輪郭と雰囲気は捉えられた気がして、誰かにこれは何の絵かと尋ねても6割くらいの人は「犬……?」と不安げに答えてくれるのではないかという自信があります。
いや〜、絵って楽しいけど難しいな〜。
意外とよくできたような気がする!
お手本の写真と私の絵、比べてみるとなんか違うようにも思えるんですが、その一方で意外とよくできたような気もします。
最初から絵がうまくなろうと意気込むのではなく、まずは描き上げた甘い達成感を楽しんで自分を褒めてやることが長続きするコツのように思います。
しかし実際描いてみると絵ってわからないことばかり。
CLIP STUDIO PAINTの使いこなし方や、きれいな線の引き方、モチーフによってどういう描き方をするのかなど疑問は尽きません。
第2回では私が描いた絵のフィードバックと、どう対象にアプローチするのかのテクニックを誰かに教えてもらいたいな……。こういうのって人に聞いたほうが早いから。
それではまた次回!
▼次回はこちら
神田さんに「絵をほとんど描いたことがない人が絵を描く連載」をお願いしたら、原稿の半分くらいが買い物の様子でした! ビックリしましたが、気持ちは非常にわかりますよね……。あと、神田さんには次回までにiPadでのスクショの撮り方を教えてあげようと思います!
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協賛
CLIP STUDIO PAINTは、3,500万人以上が利用したイラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリです。 タブレット、スマートフォン、パソコンといったあらゆるデバイスに対応し、気持ちの良い描き味と豊富な機能を備えており、世界各国のエントリーユーザーからマンガ家、イラストレーター、アニメーターなどのプロのクリエイターまで幅広く愛用されています。
執筆・イラスト
神田匠(X:@gogonocoda)