「ペンを持っていると手がダルくて……」イラストレーター・漫画家向けセルフケア

こんにちは。指圧師の斎藤充博です。絵を描くために机に長時間向かっていると、身体のあちこちがツラくなってきますよね。

この連載ではイラストレーターや漫画家向けに、かんたんにできる身体の休め方やストレッチを紹介します。

今回のテーマは「手」です。

イラストレーター・漫画家向けセルフケア
腰・「イスに座っていると腰が痛くて……」
肩・「絵を描いていると肩がこって……」
手・「ペンを持っていると手がダルくて……」

解説

斎藤充博
国家資格を持った指圧師。日本指圧専門学校卒業。著書に『ツボストレッチ』(日本文芸社)、『子育てでカラダが限界なんですがどうすればいいですか?』(青月社)、『ひと目でわかる!すぐ効くツボ便利帖』(永岡書店)など、著書多数。ライター、イラストレーターとしても活動している。

ツボ「合谷(ごうこく)」の指圧

  1. 押すのは親指と人差し指の付け根の間にあるツボ「合谷」
  2. 親指と人差し指を使って、両面から押す
  3. 3秒ほど5回くらい行う

手のツボで一番有名な「合谷」。絵を描くときに力がかかりがちな「母指内転筋」をほぐすとともに、手全体の緊張を取ることができるツボです。

ツボ「手三里(てさんり)」の指圧

  1. 押すのは肘を曲げたときにできる横ジワから手首の方向に指の幅3本分のところにあるツボ「手三里」
  2. 腕の下から手を包み込むように持ち、親指で押す
  3. 3秒ほど5回くらい行う

絵を描くときに手首を固定する働きがある「長橈側手根伸筋」をほぐすことができます。前腕の疲れにもおすすめなツボです。

指の指圧

  1. 押すのは手の指の横「付け根」と「真ん中」と「爪の付け根」
  2. 親指と人差し指を使って、両側から押していく
  3. このときに少しだけ指を引っ張るようにする
  4. 1秒ほど3回くらい行う

指の動きを改善する指圧です。手の筋肉は細く繊細なので、あまり強く押さないようにしましょう。指を引っ張るときも「気持ち引っ張る」くらいの加減で大丈夫です。

手を疲れにくくするデジタル絵の描き方

  • キャンバスをできるだけ動かしながら描く

ここまで手の疲れの改善について話をしてきましたが、そもそも手を疲れにくくする絵の描き方です。ペンを使うときにキャンバスをできるだけ動かすようにすると、手の疲労の原因となる自分の苦手なペンストロークを避けることができます。

手指の疲労は腱鞘炎にも……

「手でペンを持つのだから疲れるのは当たり前」なんて思っていませんか。手の疲労を放置すると腱鞘炎になることもあります。長引くと自分の思った通りの絵を描くことが難しくなってくるかもしれません。今回の記事を参考に、ぜひ小まめにケアしておくことをおすすめします。

イラストレーター・漫画家向けセルフケア
腰・「イスに座っていると腰が痛くて……」
肩・「絵を描いていると肩がこって……」
手・「ペンを持っていると手がダルくて……」

著者の新刊『ひと目でわかる!すぐ効くツボ便利帖』が発売中です

イラスト

きびのあやとら(GENSEKI/X:@kibinoayatra

この記事を読んだ人におすすめの記事