GENSEKIマガジン

モノづくりを広げる・支えるメディア

「どんなふうに色を選んでいますか?」タカヤマトシアキ先生Q&A連載 第3回

 

こんにちは! GENSEKIマガジン編集部です。

以前の記事で『クリエイター全力応援コンテスト』第1回「ドラゴン限定!国を滅ぼす暗黒ドラゴンイラコン」オンライン講評会をレポートしました。

この講評会ではイラコン応募者のみなさんに質問を募り、タカヤマ先生にお答えていただくQ&Aの時間がありました。その内容を「タカヤマ先生Q&A」として再構成し、全7回の連載としてお届けします。

 

 

タカヤマトシアキTwitterWEB
デュエル・マスターズ、ヴァンガードなど様々なトレーディングカードゲーム(以下TCG)でメイン・パッケージイラストを手掛けるイラストレーター。クリーチャーやメカニック、リアル系まで幅広い画風をもつ。

 

Q.どんなふうに色を選んでいますか?

私は、まずカラーサークルの左側から色を選ぶようにしています。四角のカラーサークルも、三角のカラーサークルも、左は彩度が低く、右は彩度が高くなっていますよね。色を選ぶときには、中央より左側のグレイッシュな色から始めます。

 

 

それで全体を塗ってから、見せたい部分だけ彩度と明度を高めにして、視線が集中するようにします。人やモンスターなら顔や胸回り、光るものがあれば、剣の切っ先などでポイントを作ります。

色鮮やかなイラストを描きたい場合でも、最初から彩度を高く描くと全体的にギラギラしてしまいます。色鮮やかな表現をしたい場合も、やはりベースの色はカラーサークルのかなり左端のほうから選んで塗り始めています。

 

黄金の森』/オリジナル作品

Q.重厚な厚塗りで、どうしたら制作スピードを上げられるでしょうか? どうしても3〜40時間かかってしまい、とても効率が悪く感じています。

制作スピードを上げるには、決め打ちして迷わないことです。
「このイラストはあと10時間で終わらせる!」といった曖昧な目標設定ではなく、人間だったら、右腕、左腕、右足、左足、頭部、顔など、細かくパーツ分けして、右腕は2時間、左腕は2時間……というように、それぞれの時間を決めましょう。

タスクを切り分けて、いったん描ききる目標を決めるんです。すると「とにかくそれまでに一定の完成度で仕上げなければ」という感覚になります。

時間通りに描けているのか、遅れているのかもわかります。「あと1時間しかない、終わらないからスピード上げよう」と思うようにもなります。

デジタルはいくらでも修正できるので、時間を決めずに描くと変に見直し描き直してしまいます。

画面が完成に近付いていくと、何となく違和感があるところが浮きあがってくることがあります。逆に、描き込んでいるときに違和感があっても、密度を上げていくと全然気にならなくなる場合もあります。いずれにせよ、作業を進めていくことが肝心です。


Q.下描きの時にはもう色が決まっているのでしょうか?

私はラフの段階で、色や構成は決めていますね。


Q.絵の上手な人がたくさんいる中で「頭一つ抜ける」にはどのような方法が考えられるでしょうか?

ぱっと思いつくのは、好きなジャンルや、自分のこだわりをひたすら鍛錬することです。するとその執念が絵にも表れて、描けば描くほど、自分が何を描きたいのかわかるようになります。私の場合はドラゴンを描くときの筋肉のかたまり感が好きなので、そこに注力しました。

最初は上手く絵に出ませんが、数年単位で積み上げるとそのこだわりが作家性になり、見た人が「あ、この絵柄はあの作家さんだ」とわかるようになったり、自分なりのかっこよさが出てきて評価されたりすると思います。

他と比べた時、明確に頭一つ抜けるまでは難しくとも「この人のこの表現はかっこいい」という認知はされるようになります。

スキルアップは年単位で考えないとできないものだと思います。短期間にすぐ結果を出すのは難しい。焦らず取り組んでください。


タカヤマ先生のQ&Aインタビュー、いかがだったでしょうか? 連載は続きますので、どうぞお楽しみに!

 

 

記事の感想や今後のご希望はぜひ、GENSEKIマガジンTwitterやハッシュタグ #ゲンセキ講評会 でお聞かせください。

GENSEKIではこれからも、クリエイターさんたちの実りになるコンテストや講評会、プロのクリエイターさんの思いや裏側を伝えるマガジンを続けていきます。今後もたくさんのご応募・ご参加お待ちしています!

 

▼タカヤマトシアキ先生

 

▼コンテスト協賛

・株式会社ワコム

株式会社ワコムは、ペンタブレットや液晶ペンタブレットなどの機器などの分野で、国内トップシェアのリーディングカンパニー。
全世界150以上の国と地域で、映画制作や工業デザインのスタジオ、デザイナー、マンガ家などのプロクリエイターから、趣味でイラストや写真加工を楽しまれる方まで幅広くご愛用いただいています。


・株式会社パルミー

パルミーは、自宅でイラストやマンガの描き方が学べるオンライン教室です。
イラストレーターや漫画家、アニメーター、専門学校講師など、多くの「プロ」が講師を務めています。
初級者向け〜上級者向けまで200以上の講座が見放題!
さらに長期プランをご契約の場合、選べる特典と添削をプレゼントしています。
まずは7日間の無料お試しから!

▼詳しくはこちら!
オンライン教室 パルミー(Palmie)

▼SNSでもお絵かき情報を発信中!
TwitterYouTube

 

▼タカヤマ先生イラコン講評記事

 

編集
坂本彬
GENSEKIマガジンの編集 / ライティング・マーケティングを担当。

斎藤充博Twitterpotofu
企業オウンドメディアを中心に企画・制作・編集を行う。

執筆
kaoTwitterHP
イラストレーター&ライター。GENSEKIではインタビューやメイキングを中心に担当。