こんにちは! GENSEKIマガジン編集部です。
以前の記事で『クリエイター全力応援コンテスト』第1回「ドラゴン限定!国を滅ぼす暗黒ドラゴンイラコン」オンライン講評会をレポートしました。
この講評会ではイラコン応募者のみなさんに質問を募り、タカヤマ先生にお答えていただくQ&Aの時間がありました。その内容を「タカヤマ先生Q&A」として再構成し、全7回の連載としてお届けします。
第2回「迫力のある構図や魅力的なデザインはどこから生まれるのですか?」
第3回「どんなふうに色を選んでいますか?」(この記事)
第4回「どんなツールで絵を描いていますか?」
第5回「いろいろな画風で描くべきでしょうか? 自分の画風を貫くべきでしょうか?」
第6回「企業にイラストの営業をかけることは可能でしょうか」
第7回「影響を受けたイラストレーターは誰ですか?」
タカヤマトシアキ(Twitter/WEB)デュエル・マスターズ、ヴァンガードなど様々なトレーディングカードゲーム(以下TCG)でメイン・パッケージイラストを手掛けるイラストレーター。クリーチャーやメカニック、リアル系まで幅広い画風をもつ。
Q.どんなふうに色を選んでいますか?
私は、まずカラーサークルの左側から色を選ぶようにしています。四角のカラーサークルも、三角のカラーサークルも、左は彩度が低く、右は彩度が高くなっていますよね。色を選ぶときには、中央より左側のグレイッシュな色から始めます。

それで全体を塗ってから、見せたい部分だけ彩度と明度を高めにして、視線が集中するようにします。人やモンスターなら顔や胸回り、光るものがあれば、剣の切っ先などでポイントを作ります。
色鮮やかなイラストを描きたい場合でも、最初から彩度を高く描くと全体的にギラギラしてしまいます。色鮮やかな表現をしたい場合も、やはりベースの色はカラーサークルのかなり左端のほうから選んで塗り始めています。

Q.重厚な厚塗りで、どうしたら制作スピードを上げられるでしょうか? どうしても3〜40時間かかってしまい、とても効率が悪く感じています。
制作スピードを上げるには、決め打ちして迷わないことです。
「このイラストはあと10時間で終わらせる!」といった曖昧な目標設定ではなく、人間だったら、右腕、左腕、右足、左足、頭部、顔など、細かくパーツ分けして、右腕は2時間、左腕は2時間……というように、それぞれの時間を決めましょう。
タスクを切り分けて、いったん描ききる目標を決めるんです。すると「とにかくそれまでに一定の完成度で仕上げなければ」という感覚になります。
時間通りに描けているのか、遅れているのかもわかります。「あと1時間しかない、終わらないからスピード上げよう」と思うようにもなります。
デジタルはいくらでも修正できるので、時間を決めずに描くと変に見直し描き直してしまいます。
画面が完成に近付いていくと、何となく違和感があるところが浮きあがってくることがあります。逆に、描き込んでいるときに違和感があっても、密度を上げていくと全然気にならなくなる場合もあります。いずれにせよ、作業を進めていくことが肝心です。
Q.下描きの時にはもう色が決まっているのでしょうか?
私はラフの段階で、色や構成は決めていますね。
Q.絵の上手な人がたくさんいる中で「頭一つ抜ける」にはどのような方法が考えられるでしょうか?
ぱっと思いつくのは、好きなジャンルや、自分のこだわりをひたすら鍛錬することです。するとその執念が絵にも表れて、描けば描くほど、自分が何を描きたいのかわかるようになります。私の場合はドラゴンを描くときの筋肉のかたまり感が好きなので、そこに注力しました。
最初は上手く絵に出ませんが、数年単位で積み上げるとそのこだわりが作家性になり、見た人が「あ、この絵柄はあの作家さんだ」とわかるようになったり、自分なりのかっこよさが出てきて評価されたりすると思います。
他と比べた時、明確に頭一つ抜けるまでは難しくとも「この人のこの表現はかっこいい」という認知はされるようになります。
スキルアップは年単位で考えないとできないものだと思います。短期間にすぐ結果を出すのは難しい。焦らず取り組んでください。
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タカヤマ先生のQ&Aインタビュー、いかがだったでしょうか? 連載は続きますので、どうぞお楽しみに!
第1回「かっこいいモンスターの描き方を教えてください」
第2回「迫力のある構図や魅力的なデザインはどこから生まれるのですか?」
第3回「どんなふうに色を選んでいますか?」(この記事)
第4回「どんなツールで絵を描いていますか?」
第5回「いろいろな画風で描くべきでしょうか? 自分の画風を貫くべきでしょうか?」
第6回「企業にイラストの営業をかけることは可能でしょうか」
第7回「影響を受けたイラストレーターは誰ですか?」
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▼タカヤマ先生イラコン講評記事
- 【講評作品多数!】クリエイター全力応援コンテスト・第1回「タカヤマトシアキ先生」最狂ドラゴン講評会レポート!
- 「意味のあるロボデザインは実際に存在するメカから発想を得る」タカヤマ先生によるロボ・メカイラコン振り返りレポ!
- プロとして通用するか、様々なクリチャーイラストを手掛けてきたタカヤマ先生に聞く、クリーチャー・人外イラストコンテストの振り返り
編集
坂本彬
GENSEKIマガジンの編集 / ライティング・マーケティングを担当。