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「どんなツールで絵を描いていますか?」タカヤマトシアキ先生Q&A連載 第4回

 

こんにちは! GENSEKIマガジン編集部です。

以前の記事で『クリエイター全力応援コンテスト』第1回「ドラゴン限定!国を滅ぼす暗黒ドラゴンイラコン」オンライン講評会をレポートしました。

この講評会ではイラコン応募者のみなさんに質問を募り、タカヤマ先生にお答えていただくQ&Aの時間がありました。その内容を「タカヤマ先生Q&A」として再構成し、全7回の連載としてお届けします。

 

第1回「かっこいいモンスターの描き方を教えてください」
第2回「迫力のある構図や魅力的なデザインはどこから生まれるのですか?」
第3回「どんなふうに色を選んでいますか?
第4回「どんなツールで絵を描いていますか?」(この記事)
第5回「いろいろな画風で描くべきでしょうか? 自分の画風を貫くべきでしょうか?」
第6回「企業にイラストの営業をかけることは可能でしょうか」
第7回「影響を受けたイラストレーターは誰ですか?」

 

タカヤマトシアキTwitterWEB
デュエル・マスターズ、ヴァンガードなど様々なトレーディングカードゲーム(以下TCG)でメイン・パッケージイラストを手掛けるイラストレーター。クリーチャーやメカニック、リアル系まで幅広い画風をもつ。

 

Q.どんなツールで絵を描いていますか?

4、5年前からソフトはCLIP STUDIO PAINTです。ブラシは基本的にデフォルトのものから選んでおり、特別なブラシは使っていません。

仕事の絵はほとんど 【リアル鉛筆】 で、「ツールプロパティ」の「紙質濃度」の項目を3〜5%程度にし、多少ブラシのテクスチャーが出る形で使用してます。金属も森も草も動物も人間も全部これで描いています。

ざっくり塗った後、グラデーションやぼかしなどは色混ぜツールの 【繊維にじみ】 を使い、塗りむらなどをなじませたりしてます。

ラフを描くときだけ 【アニメーター専用リアル鉛筆】 をCLIP STUDIO ASSETSでダウンロードして使っています。三角形で鉛筆のような独特の風味があります。細部を描く時は独特の雰囲気が出すぎてしまうので使いませんが、ざっくり色を乗せるときには使いやすいです。

 

タカヤマトシアキ画集 幻想光臨』『タカヤマトシアキ ART WORKS
玄光社

Q.絵を描くときに3Dソフトもお使いだとうかがいましたが、どんなソフトでしょうか?

3Dソフトはポーズの確認をするときに多用しています。たとえば、戦国風でよくある馬上のポーズなどは、想像と写真だけでは難しい。こういうときの確認に使います。

オリジナル作品

使っているのは、Poser(ポーザー)というソフトと、別の会社ですが Easy Pose(イージーポーザー)というアプリです。この2つは名前が似ていますが、別の会社のものです。

Poseにも、Easy Pose にも馬のモデルは入っています。馬のポーズをとって、人を乗せてライティングすると、ある程度の形は把握でき便利ですね。

Easy Pose やかんたんな3Dソフトは動きを付けた際の筋肉の緊張や弛緩までは表現できないのですが、ラフ時のポーズやアングルの画像や資料を作って、形を確認するのには十分使えます。


Q.タカヤマ先生のタブレットや機材の構成が知りたいです。

Wacom Intuos proの一番大きい板タブ(PTH-851)で、だいぶ使い込んでいます。10年位でしょうか。

モニターは2台あります。メインはBenQの4Kのもの。4Kといっても、たしか2~3万程度の手ごろな価格のモニターでした。サブモニターは三菱でこちらも2万ぐらいのものです。

キーボードやマウスも量販店で買った2,000~3,000円程度の手ごろなものだったもので、特別な機材は何もないです。自分の制作環境を見せたら「こんななの?」と言われそう(笑)。

今のイラストレーターさんは、モニターもいいものを使ったり、ツインモニターの横にiPadがあったり、趣味の方でもプロよりいい装備だったりしますよね。すごい机周りの方が多く驚きます。

ただ「この装備がないとプロは無理」というものはないので、モニターに一定レベルのPC(長辺が4000~5000pxで、解像度350dpiがすらすら描画できるレベル)とタブレット(液タブでも板タブでもお好みで)があれば、あまり気にせず好きなものでいいと思います。


Q.最近腰痛で長時間絵を描けず困っています。長時間の創作活動に適したセッティングがあれば、ぜひ教えてほしいです。

私は長時間座っていても腰が痛くならないタイプなんですが、周りから「いいデスクチェア」を使うと腰痛が軽減したという話はよく聞きます。昇降机でたまに立って描くのも、腰の痛みを軽減するそうです。

私自身は、機材のセッティングよりも、体のケアに気を配っています。行けるときは週に3回くらいジムに行っていますね。忙しくなると、椅子に座ったまま日に10時間以上は描いたりすることもあります。全く体を動かさないので、びっくりするぐらい衰えるんです。

腰痛対策で筋トレをするなら、トレーナーや医師など専門家と様子を見ながらやるようにするのがいいでしょう。自己流でやるとさらに悪くしてしまうことがあります。

他にも、マッサージや鍼、あんまなど月に何回か定期的なケアをすると良いと聞きました。施術を受けるのに抵抗がある方もいると思いますが、やるとだいぶコリや痛みが軽減されそうなので近所でいいところを探してみてはどうでしょうか。

自分も立て込んで激務が続くと、首肩周りが酷く凝るので鍼治療に行ってます。激務で落ちたパフォーマンスが回復します。

プロのイラストレーターと同じくらい長時間描く方なら、絵を描くこと同様に体に気を遣った方がいいと思います。

 


タカヤマ先生のQ&Aインタビュー、いかがだったでしょうか? 連載は続きますので、どうぞお楽しみに!

 

 

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編集
坂本彬
GENSEKIマガジンの編集 / ライティング・マーケティングを担当。

斎藤充博Twitterpotofu
企業オウンドメディアを中心に企画・制作・編集を行う。

執筆
kaoTwitterHP
イラストレーター&ライター。GENSEKIではインタビューやメイキングを中心に担当。