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「企業にイラストの営業をかけることは可能でしょうか」タカヤマトシアキ先生Q&A連載 第6回

 

こんにちは! GENSEKIマガジン編集部です。

以前の記事で『クリエイター全力応援コンテスト』第1回「ドラゴン限定!国を滅ぼす暗黒ドラゴンイラコン」オンライン講評会をレポートしました。

この講評会ではイラコン応募者のみなさんに質問を募り、タカヤマ先生にお答えていただくQ&Aの時間がありました。その内容を「タカヤマ先生Q&A」として再構成し、全7回の連載としてお届けします。

 

第1回「かっこいいモンスターの描き方を教えてください」
第2回「迫力のある構図や魅力的なデザインはどこから生まれるのですか?」
第3回「どんなふうに色を選んでいますか?
第4回「どんなツールで絵を描いていますか?」
第5回「いろいろな画風で描くべきでしょうか? 自分の画風を貫くべきでしょうか?」
第6回「企業にイラストの営業をかけることは可能でしょうか」(この記事)
第7回「影響を受けたイラストレーターは誰ですか?」

 

タカヤマトシアキTwitterWEB
デュエル・マスターズ、ヴァンガードなど様々なトレーディングカードゲーム(以下TCG)でメイン・パッケージイラストを手掛けるイラストレーター。クリーチャーやメカニック、リアル系まで幅広い画風をもつ。

カード絵師の仕事 ドラゴンとメカのデザインからキャラクターデザインまで
ホビージャパン

Q.TCGイラストを描くことが目標です。企業に営業をかけることは可能でしょうか?

可能だと思います。ただ、今は企業もオンラインで仕事することが多く、「作品を見てください」と相手の時間を奪ってしまう直接営業は難しそうです。

TCG関連だと、販売元の会社とイラスト発注会社は別のことがあります。発注会社を知っていたりイラスト募集がされていれば応募すればいいのですが、一から探しだすのは難しい。担当者の熱意にも個人差があります。

そこで、まずはGENSEKIのような「仕事の募集が目的」のイラストレーター登録サイトに登録してみるのはどうでしょうか。「イラストレーター募集 登録サイト」などで検索すると出てくるので、いろいろなところに登録するのは手だと思います。

 

あと、私の場合は同人誌を作りました。オリジナルのドラゴンやモンスターを描いて、A4サイズ30ページぐらいのイラスト本にして、目立つようにポスターや机の前掛けでディスプレイしてイベントに出ました。これで仕事が来ることもあります。

実際発注して頂いているクライアントさんもイベントに来てくださったりしました。その際は無償で数冊「よろしければサンプルとしてお持ちください!」といってお渡ししていました。

コミケやコミティアなどにイラスト本を出してるプロのイラストレーターはけっこう多く、その挨拶回りとしてクライアントの担当者様もイベントを回ったりするらしいです。その際に、まだ付き合いのない腕の立つ人を探してたりすることもあるかもしれません。

本を作る場合、キャラクターイラストや、それこそ女の子ばかりでもいいので、オリジナルで自分が描きたいものを最高のクオリティで出すといいと思います。

 

同人誌を作ることにすると、制作のためのモチベーションにもなります。漠然とオリジナル描こうと思ってもなかなか描けないけれど、「来年の5月のイベントで24ページの本を出そう」と思ったら、それがオリジナルを描きためる強いきっかけになります。

また、印刷したものを見ると、モニター上ではわからなかった甘さに気づくこともあります。

そういった意味でも、同人誌を作ってイベントに出るのはいいと思いますよ。ただ印刷には相応の金額が掛かりますので、刷る量にはお気を付けを。

 

同人誌『T.com Practice & Sketch』(現在は完売)

Q.タカヤマ先生から見た「モンスター系TCGイラストレーター」の人材状況を教えていただきたいです(飽和状態であるのかなど)。

モンスターだけのイラストレーターの人材状況はおそらく飽和状態だと思います。今から10年ぐらい前にソシャゲバブルがあって、TCGも新しいリリースが多く、そのころにイラストレーターの需要が爆発的に増えました。

ですが、そのころ使われていたリアルで派手な色調で細部までしっかり描き込むような画風は、今はほぼ使われません。そのころ培ったスキルで仕事しようにも依頼が当時の半分以下に減っているような状況です。結果としてイラストレーターの需要も減りました。

 

こんなふうに、時代にあわせて需要の波はあるものです。個人としては柔軟に対応できるようになるといいです。

フリーランスのイラストレーターとして活動していた人が、社内のデザイナーやイラストレーターとして就職したりする例も聞きます。また、イラストレーターからアートディレクターになって、絵が描けるうえに、指示を出せるようになったという方も多いです。

今からこの業界のイラストレーターを目指すのに必要なことは「やる気」ですね。描き手はそんなに多くないですが、仕事も少ない状況なので「ここを目指してこういうイラストを描いていきたい」というやる気がないと、なかなか続けられないと思います。

 


タカヤマ先生のQ&Aインタビュー、いかがだったでしょうか? 連載は続きますので、どうぞお楽しみに!

 

 

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株式会社ワコムは、ペンタブレットや液晶ペンタブレットなどの機器などの分野で、国内トップシェアのリーディングカンパニー。
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編集
坂本彬
GENSEKIマガジンの編集 / ライティング・マーケティングを担当。

斎藤充博Twitterpotofu
企業オウンドメディアを中心に企画・制作・編集を行う。

執筆
kaoTwitterHP
イラストレーター&ライター。GENSEKIではインタビューやメイキングを中心に担当。